2025年12月31日

記事一覧

357記事

【日常系税務リーガルマインド】
税理士だって日常系税務でリーガルマインドを実践したい!
親族概念の、いてもいなくてもどっちでもいい奴感
森田宏樹「契約責任の帰責構造」(有斐閣2002) 〜印紙税法における「結果債務・手段債務論」の活用 
内面重視 〜ブログタイトル変更しましたのお知らせ
「リーガルマインドとは何か?」
税法・民法における行為規範と裁判規範(その1)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その2)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その3)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その4)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その5)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その6)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その7)
からくりサーカス租税法 〜文言解釈VS趣旨解釈、そして借用概念論へ
アレオレ租税法 〜立案者意思は立法者意思か?

【判例イジり】
解釈の解釈を解釈する(free rider) 〜東京高裁平成30年7月19日判決
加算税をめぐる国送法と国税通則法の交錯(平成29年9月1日裁決)
解釈の解釈の終わり? 〜さらば東京高裁平成30年7月19日判決
横流しする趣旨解釈(TPR事件・東京高裁令和元年12月11日判決)
解釈の解釈は終わりました。〜最高裁令和2年3月24日判決【判例速報】
解釈の解釈の介錯 〜最高裁令和2年3月24日判決
税務訴訟におけるゴリ押しVS誉めごろし 〜税務トロイの木馬(Tax Trojan Horse)

【法律書マニアクス】
供え本(法学体系書編)
石田穣「民法総則」(悠々社1992・信山社2014)
人類は、差異を産み育むことでマニアとなる。 〜法律書マニアクス全開
潮見佳男「民法(全) 第3版」(有斐閣 2022)
法学研究書考 〜部門別損益分析論
積読ループ
「法律学大系」(有斐閣) 〜或るstalk。
最近の気になる本

【法学入門書探訪】
横田明美「カフェパウゼで法学を―対話で見つける〈学び方〉」(弘文堂2018)
大屋雄裕「裁判の原点:社会を動かす法学入門」(河出書房新社2018)
道垣内正人「自分で考えるちょっと違った法学入門 第4版」(有斐閣2019)
団藤重光「法学の基礎」(有斐閣2007)
伊藤正己「近代法の常識」(有信堂1992)
南野森「ブリッジブック法学入門(第3版)」(信山社2022)
太田勝造「AI時代の法学入門 学際的アプローチ」(弘文堂2020)
南野森「法学の世界」(日本評論社2019)
森田果「法学を学ぶのはなぜ?」(有斐閣2020)
宍戸常寿・石川博康編「法学入門」(有斐閣2021)

【租税法の教科書】
税法思考が身につく、理想の教科書を求めて 〜終わりなき旅
金子宏・中里実「租税法と民法」(有斐閣2018)
中里実ほか「租税法概説 第4版」(有斐閣2021)
金子宏「租税法 第24版」(弘文堂2021)
岡村忠生ほか「租税法 (有斐閣アルマ)」(有斐閣2017)
三木義一「よくわかる税法入門 第17版」(有斐閣2023)
渡辺徹也「スタンダード法人税法 第3版」(弘文堂2023)
田中二郎「租税法(第3版)」(有斐閣1990)
浅妻章如「ホームラン・ボールを拾って売ったら二回課税されるのか」(中央経済社2020)
酒井克彦「プログレッシブ税務会計論」(中央経済社2018)
「新 実務家のための税務相談(民法編) 第2版」(有斐閣2020)
伊藤滋夫編「租税訴訟における要件事実論の展開」(青林書院2016)
佐藤英明「スタンダード所得税法 第3版」(弘文堂2022)
浅妻章如,酒井貴子「租税法」(日本評論社2020)
租税法教科書における記述割合の変遷 〜金子宏「租税法」(弘文堂)を素材に。
酒井克彦「クローズアップ課税要件事実論 第6版」(財経詳報社2023)
鹿田良美「判例から読み解く よくわかる相続税法」(有斐閣2022)
佐藤英明,西山由美「スタンダード消費税法」(弘文堂2022)

【アクティブ・ラーニング】
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民1)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民2)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民3)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民4)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民5)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民6)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民まとめ)

【税務】
あるべき税理士
肩たたき券取引と税務
税金(国税)の納付の仕方(いろいろ)
税金(地方税)の納付の仕方(いまいち)
税金(地方税)の納付の仕方(前進)

【法人税法】
税務における事前判断と事後判断 〜所得拡大促進税制の適否判定(また改正するので)
ふたりはプリキュア(後日テコ入れで増員) 〜グループ法人税制のおさらい〜
武器としての所得拡大促進税制 〜労働者にとっての。
ここがヘンだよ所得拡大促進税制 〜委任命令におけるゆらぎとひずみ
さらば所得拡大促進税制(Arrivederci) 〜評判良ければ続くやつ
みんな大好き!倒産防。 〜措置法解釈手習い
「定期同額給与」のパンドラ(やめときゃよかった)
西村美智子 中島礼子「組織再編税制で誤りやすいケース35」(中央経済社2020)
未払決算賞与の損金算入時期と、なんちゃって私法準拠の弊害
珍奇な新規 〜人材確保等促進税制における「国内新規雇用者」について(令和3年度税制改正)
珍奇な新規(続) 〜『人材確保等促進税制御利用ガイドブック(令和3年5月31日公表版)』
留保金課税における資本金基準と株主構成基準の交錯
非適格は「非適格である」であって「適格でない」ではない 〜組織再編税制

【所得税法】
社員割引
出張手当は節税になるのか?
支払調書における「支払金額」(支払の確定した金額)について
利子・配当・譲渡所得の課税方式の選択について(2020.2.24現在)
支払調書における「支払金額」(支払の確定した金額)について【追補】
さよなら「権利確定主義」(その1) 〜事業所得と給与所得
さよなら「権利確定主義」(その2) 〜不動産所得
さよなら「権利確定主義」(その3) 〜譲渡所得
さよなら「権利確定主義」(その4) 〜違法所得
「生活に通常必要な動産」で「生活に通常必要でない動産」
サラリーマンマイカー訴訟 〜生活に通常必要でも必要でなくもない資産
伊藤滋夫ほか「要件事実で構成する所得税法」(中央経済社2019)
どこまでも追いかけてくる、夜の月のように 〜租税回避チャレンジ
リーガルマインド住宅ローン控除(その1) 〜転勤と住宅借入金等特別控除
リーガルマインド住宅ローン控除(その2) 〜転勤と離婚と住宅借入金等特別控除
リーガルマインド住宅ローン控除(その3) 〜転勤と死別と住宅借入金等特別控除
リーガルマインド住宅ローン控除(その4) 〜転勤と死別と姻族と住宅借入金等特別控除
長崎年金二重課税訴訟の要件事実(と称するところのもの)
必要経費 vs 家事費・家事関連費
信託型ストックオプション雑感

【年末調整】
色々な壁の話し(配偶者控除・配偶者特別控除)2018ver.
年末調整H29
リーガルマインド年末調整(その1) 〜規範論的アプローチと類型論的アプローチの相克
リーガルマインド年末調整(その2) 〜規範論的アプローチと類型論的アプローチの相克
リーガルマインド年末調整(その3) 〜規範論的アプローチと類型論的アプローチの相克
リーガルマインド年末調整(その4) 〜規範論的アプローチと類型論的アプローチの相克
機能的年末調整論(その1) 〜年末調整と離婚(配偶者)
機能的年末調整論(その2) 〜年末調整と死別(配偶者)
機能的年末調整論(その3) 〜年末調整と結婚(子)
機能的年末調整論(その4) 〜年末調整と死別(子)
リーガルマインド法定調書合計表 〜規範論的アプローチと類型論的アプローチの相克

【消費税法】
消費税、免税とるって大変よ、という話(2018.1.11現在のルール)。
特定新規設立法人のインフィニティ感
引けない消費税 〜リバースチャージと控除対象外消費税
益税憎んで損税憎まず 〜消費税法の理論構造(種蒔き編1)
〈還付をみたら泥棒と思え〉思想 〜消費税法の理論構造(種蒔き編2)
消費税は〈偽装〉法人税? 〜消費税法の理論構造(種蒔き編3)
二元的消費課税論 〜消費税法の理論構造(種蒔き編4)
合成の悪魔 〜消費税法の理論構造(種蒔き編5)
さよなら付加価値税 〜消費税法の理論構造(種蒔き編6)
「譲渡−インボイス=???」 〜消費税法の理論構造(種蒔き編7)
消費税における《後のせサクサク vs 先入れドロドロ》 〜消費税法の理論構造(種蒔き編8)
《インボイスをもって益税を割く》 〜消費税法の理論構造(種蒔き編9)
条文構造(インボイス前) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編10)
条文構造(インボイス後) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編11)
幻想消費税法 vs 条文消費税法 〜消費税法の理論構造(種蒔き編12)
電気通信利用役務の提供の構造1 〜消費税法の理論構造(種蒔き編13)
電気通信利用役務の提供の構造2 〜消費税法の理論構造(種蒔き編14)
偽装リバースチャージとしてのインボイス制度 〜消費税法の理論構造(種蒔き編15)
空想消費税法 vs 条文消費税法 〜消費税法の理論構造(種蒔き編16)
益税・損税・二重課税1 〜消費税法の理論構造(種蒔き編17)
益税・損税・二重課税2 〜消費税法の理論構造(種蒔き編18)
錬金術型消費課税 〜消費税法の理論構造(種蒔き編19)
予定は予定 〜消費税法の理論構造(種蒔き編20)
無限課税変 〜消費税法の理論構造(種蒔き編21)
テンプレ判決 〜ムゲン・ADW事件判決(最判令和5年3月6日)
オフィシャル村八分 〜消費税法の理論構造(種蒔き編22)
虚弱判決(その1) 〜ムゲン・ADW事件判決(最判令和5年3月6日)
虚弱判決(その2) 〜ムゲン・ADW事件判決(最判令和5年3月6日)
《輸出免税を見たら脱税だと思え》思想 〜消費税法の理論構造(種蒔き編23)
《免税事業者は消費税をネコババしている》思想 〜消費税法の理論構造(種蒔き編24)
租税作法論 〜消費税法の理論構造(種蒔き編25)
インボイス行為無価値論 〜消費税法の理論構造(種蒔き編26)
免税事業者Requiem(第1曲) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編27)
免税事業者Requiem(第2曲) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編28)
免税事業者Requiem(第3曲) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編29)
小島孝子「電帳法とインボイス制度のきほん(令和5年度税制改正大綱対応版)」(税務研究会出版局2023)
《媒介者交付特例》がキモいのだが(その1) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編30)
《媒介者交付特例》がキモいのだが(その2) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編31)
《媒介者交付特例》がキモいのだが(その3) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編32)
熊王征秀「消費税法講義録 第4版」(中央経済社2023)
【事例検討】インボイス経過措置(8割特例・5割特例) 暫定版
【事例検討】インボイス経過措置(8割特例・5割特例) 暫定版補遺
《特定業種優遇税制》としてのインボイス特例(その1) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編33)
《特定業種優遇税制》としてのインボイス特例(その2) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編34)
【事例検討】インボイス経過措置(8割特例・5割特例) 暫定版余滴
《特定業種優遇税制》としてのインボイス特例(その3) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編35)

【相続税法】
パラドキシカル同居 〜或いは税務シュレディンガーの○○
イタチ、巻き込み。 〜家なき子特例の平成30年改正
ヤバイ同居 〜続・家なき子特例の平成30年改正
関場修 山口暁弘「小規模宅地等の評価減の実務 第4版」(中央経済社2018)
タックスアンサーの中の譲歩と抵抗 〜小規模宅地等の特例を素材に
「要件書き込み」は趣旨解釈を駆逐する。〜小規模宅地等の特例を素材に
オーバーホール租税法・序論 〜小規模宅地等の特例を素材に
白井一馬「小規模宅地等の特例」(中央経済社2020)
僕たちは!出戻り保護要件です!! 〜家なき子特例の趣旨探訪1
ぼくたちは出戻り保護ができない。 〜家なき子特例の趣旨探訪2
あの日見た特例の趣旨を僕達はまだ知らない。 〜家なき子特例の趣旨探訪3(完)
タックスアンサー学習帳 〜やっててよかったTA式
貸付事業用宅地におけるトキ・ヒト・モノ(その1) 〜規範論
貸付事業用宅地におけるトキ・ヒト・モノ(その2) 〜類型論
貸付事業用宅地におけるトキ・ヒト・モノ(その3) 〜過程論1
貸付事業用宅地におけるトキ・ヒト・モノ(その4) 〜過程論2
貸付事業用宅地におけるトキ・ヒト・モノ(その5) 〜趣旨論
特定事業用宅地はトキ・モノ・モノ(その1)
特定事業用宅地はトキ・モノ・モノ(その2)
特定事業用宅地はトキ・モノ・モノ(その3)
特定同族会社事業用宅地は特定同族会社を保護しない
さよなら小規模宅地等の特例の趣旨探訪

【印紙税法】
私法の一般法とかいってふんぞり返っているわりに、隙だらけ。〜契約の成立と印紙税法
Janusの委任 〜成果報酬型委任と印紙税法
続・契約の成立と印紙税法(法適用通則法がこちらをみている)
続々・契約の成立と印紙税法(代理法がこちらをみている)
さよなら契約の成立と印紙税法 (結局いつもひとり)
魔界の王子と契約の成立と印紙税法
二段の推定と契約の成立と印紙税法 〜印紙税法における実体法と手続法の交錯
おかわり契約の成立と印紙税法(法人法がこちらをみている)

【地方税法】
無償減資で均等割下げ(節税系の記事ではなく)
「合計所得金額」に退職所得は含まれるし含まれない。〜令和4年度税制改正大綱を素材に
非居住者に対する退職所得と住民税
例による×読替規定の鬼コンボ(その1) 〜地方税法の「合計所得金額」
例による×読替規定の鬼コンボ(その2) 〜地方税法の「合計所得金額」

【国際租税法】
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その1)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その2)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その3)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その4)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その5)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その6)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その7)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その8)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その9)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その10)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その11)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その12)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(まとめ)
井上康一・仲谷栄一郎「租税条約と国内税法の交錯 第2版」(商事法務2011)

【会計】
財務分析総論 〜稼ぐ、彼女の如く。
金子智朗「経営分析の超入門講座」(秀和システム2012)

【基礎法学】
「ポケット六法」は総合事項索引を倒さないと本体に攻撃が通らない 〜事項索引 de 勉強法
「法律学小辞典」の「小」は「小スキピオ」の「小」
ホッブズ「リヴァイアサン」 〜彼の設定厨。
田中成明ほか「法思想史」(有斐閣1997)
判例の機能的考察(タイトル倒れ)
ロジカルシンキングによる試験問題おイジり学習法
法律解釈のフローチャート(助走編)
フローチャートで遊ぼう。 〜フローチャート総論
フローチャートを作ろう(その1) 〜文理解釈(付・反対解釈)
フローチャートを作ろう(その2) 〜定義付け解釈
フローチャートを作ろう(その3) 〜縮小解釈(縮小系)
フローチャートを作ろう(その4) 〜拡大解釈(拡大系)
フローチャートを作ろう(その5) 〜慣習法
フローチャートを作ろう(その6) 〜判例法
法源の機能的考察

【民法】
潮見佳男「新債権総論1・2(法律学の森)」(信山社 2017)
潮見佳男「基本講義 債権各論 第4版」(新世社2021,2022)
ユーのネームは。 〜「新注釈民法」と私
前田達明「続・民法学の展開 (民法研究 第三巻)」(成文堂2017)
潮見佳男「詳解 相続法 第2版」(弘文堂2022)
平井宜雄「債権各論I上 契約総論」(弘文堂2008)
内田勝一「借地借家法案内」(勁草書房2017)
米倉明「プレップ民法(第5版)」(弘文堂2018)
池田真朗「スタートライン債権法(第7版)」(日本評論社2020)
窪田充見「家族法 第4版」(有斐閣2019)
時効の中断・停止から時効の完成猶予・更新へ
ドキッ!?ドグマだらけの民法改正
どんな子にも親に内緒のコトがある。 〜民法98条の2の謎に迫る(迫れていない)
後藤巻則「契約法講義」(弘文堂2017)
加賀山茂「求められる改正民法の教え方」(信山社2019)
内田貴「民法3(第4版)債権総論・担保物権」(東京大学出版会2020)
金井高志「民法でみる法律学習法 第2版」(日本評論社2021)
自分のドグマは自分で見えない。 〜「原始的不能のドグマ」再訪

【労働法】
あえて言おう!カスであると!(被用者・応募者側からみたみなし残業代)
下井隆史「労働基準法 第5版」(有斐閣2019)
零れ落ちるもの(その1) 〜NO 雇用契約 NO 労働契約
零れ落ちるもの(その2) 〜有期雇用契約と改正民法の経過措置
零れ落ちるもの(その3) 〜有期雇用解約ルール
零れ落ちるもの(その4) 〜無期雇用解約ルール
零れ落ちるもの(その5) 〜内定解約ルール
土田道夫「労働契約法 第2版」(有斐閣2016)
リーガルマインド年次有給休暇 〜原則付与と比例付与
水町勇一郎「集団の再生」(有斐閣2005)
リーガルマインド事業場外労働のみなし労働時間制
松尾剛行「AI・HRテック対応 人事労務情報管理の法律実務」(弘文堂2019)
年休権は《更新》されない?(その1)
年休権は《更新》されない?(その2)
適用除外☆Gradation 〜育児介護休業法編
萩原京二、岡崎教行「個人契約型社員制度と就業規則・契約書作成の実務」(日本法令2023)
三六協定と特別条項のあいだ 〜rosso e blu
森戸英幸「プレップ労働法 第7版」(弘文堂2023)
倉重公太朗,白石紘一「実務詳解 職業安定法」(弘文堂2023)

【社会保障法】
社会保険適用拡大について(2022年10月〜) 〜規範論的アプローチと類型論的アプローチの相克
いろんな産休と育休 〜法間インターフェイス論
「出産手当金支給申請書」違法論
養育期間標準報酬月額の特例はどっち?
【事例演習】育休期間中の社保免除
黒田有志弥ほか「社会保障法(有斐閣ストゥディア)」(有斐閣2019)
小西國友「社会保障法」(有斐閣2001)

【会社法・商法】
前田庸「手形法・小切手法入門」(有斐閣 1983)
川口恭弘「金融商品取引法への誘い」(有斐閣2018)
近藤光男「商法総則・商行為法 第8版」(有斐閣2019)
関俊彦「商法総論総則」(有斐閣2006)
小塚荘一郎,森田果「支払決済法 第3版」(商事法務2018)
高橋美加ほか「会社法(第3版)」 (弘文堂2020) 〜付・税理士と会社法の教科書
大垣尚司「金融から学ぶ会社法入門」(勁草書房2017)
大塚英明ほか「商法総則・商行為法 第3版」(有斐閣2019)
安部 慶彦「詳解 合同会社の法務と税務」(中央経済社2023)

【民事訴訟法】
新堂幸司「民事訴訟制度の役割」(有斐閣1993)
新堂幸司「新民事訴訟法 第6版」(弘文堂2019) 〜付・民事訴訟法と税理士
大島 眞一「完全講義 民事裁判実務の基礎 上巻(第3版) 」(民事法研究会2019)

【知的財産法】
システム開発における先行者利益について
田村善之「知財の理論」(有斐閣2019)

【競争法】
白石忠志「技術と競争の法的構造」(有斐閣1994)
デビッド・ガーバー「競争法ガイド」(東京大学出版会2021)

【倒産法】
小林秀之「破産から新民法がみえる」(日本評論社 2018)
美人若女将連続バラバラ租税債権 〜犯人は破産法
徳田 和幸「プレップ破産法 第7版」(弘文堂2019)

【憲法】
大島 義則「憲法ガール Remake Edition」(法律文化社 2018) 〜あわよくばSuccubus。
戸松秀典「憲法」(弘文堂 2015)
ミシェル・トロペール(南野森訳)「リアリズムの法解釈理論」(勁草書房2013)

【行政法】
大橋 洋一「社会とつながる行政法入門 第2版」(有斐閣2021)
高木光「行政法」(有斐閣2015)
原田尚彦「行政法要論(全訂第七版補訂二版)」(学陽書房2012)
遠藤博也「行政法スケッチ」(有斐閣1987)

【刑法】
井田良「入門刑法学・総論」(有斐閣2018)ほか
井田良「講義刑法学・総論 第2版」(有斐閣2018)
井田良「講義刑法学・各論 第2版」(有斐閣2020)
辰井聡子「因果関係論」(有斐閣2006)
裁判所職員総合研修所「刑法総論講義案 (四訂版)」(司法協会2016)
松澤伸「機能主義刑法学の理論―デンマーク刑法学の思想」(信山社2001)
安田拓人ほか「ひとりで学ぶ刑法」(有斐閣2015)
小林憲太郎「ライブ講義 刑法入門」(新世社2016)
藤木英雄「公害犯罪」(東京大学出版会1975)
井田良「犯罪論の現在と目的的行為論」(成文堂1996)
橋爪隆「刑法総論の悩みどころ」(有斐閣2020)
所一彦「刑事政策の基礎理論」(大成出版社1994)

【国際私法】
視野を広げるための、国際私法
多層的請求権競合論と、メロンの美味しいところだけいただく感じの。
野村美明「新・ケースで学ぶ国際私法」(法律文化社2020)
多田望ほか「国際私法 (有斐閣ストゥディア)」 (有斐閣2021)
法適用通則法5条と35条における連動と非連動 〜法律学習フローチャート各論
双方的要件は準拠実質法を駆逐する。 〜婚姻成立の準拠法

【弁護士と税理士】
弁護士事務所と税理士事務所(似ていない)

【酒撮り】
東洋美人(一番纏 純米大吟醸)【山口】
雄町(天吹・純米吟醸)+ 愛山(天吹・大吟醸)【佐賀】
夢+叶(東薫大吟醸)【千葉】
寿 満寿泉(大吟醸)【富山】
夢穂波(大吟醸)【岩手】
獺祭(純米大吟醸 磨き二割三分)【山口】
浜千鳥(純米大吟醸)【岩手】

【ガジェット】
Logicool G105(ゲーミングキーボード)
Logicool G300s(ゲーミングマウス)
刷り込み−会計ソフトの選び方
開放感−そして携帯端末の思ひ出
架空の思い出 −私とテレビゲームの。
ジオンはあと10年は戦える
モニ旅。 〜ぼくのPCモニター遍歴
Logicool G910R(ゲーミングキーボード)
Logicool G813(ゲーミングキーボード)
【急募】星のカービィ缶バッジ(文字)の活用法について

【メンタル】
メンタル・ロック(mental lock)
「俺がガンダムだ!」
あなたの動機はどこから?
あなたは仕事に何を求めているのか。

【音楽と私】
チェリビダッケ&ミュンヘン・フィル/ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調
シューリヒト&ウィーン・フィル/ブルックナー: 交響曲第9番
カイルベルト&ベルリン・フィル/ブルックナー:交響曲第9番
三上ちさこ「I AM Ready!」 〜付・音楽と私

【日記】
神宮詣
定規か電卓か、いや定規と電卓だ。
俺のいちごミルクフォルダが火を噴くぜ 2017
なぜ吸血鬼は自分の血を吸わないのか。 〜AI時代の吸血士のための生存戦略セミナー
ブログURL変更しましたのお知らせ
俺のいちごミルクフォルダが火を噴くぜ 2018
ネット古書店 購入お作法(含、小トラブルご報告)
俺のいちごミルクフォルダが火を噴くぜ 2019

【事務所案内】
はじめに
事務所名について
税理士事務所(個人)と株式会社の関係について
はじめます!!!
会社名の由来
なんでブログを書いているの?
サービスと対価(税理士報酬の場合)
圧倒的インプット
押収品
私たちのファームに新しいクルーがジョインしてくれました!!!!!!
posted by ウロ at 00:00| Comment(0) | 記事一覧

2025年12月30日

供え本(法学体系書編)

 「供え本」(そなえぼん)とは、読まなくてもよいからさしあたり書棚にお供え(備え)しておきなさい、という本です。

 一度も開かないまま、改訂版が出ても逐一悲しまない(繰り返し経験済み)。
 むしろ改訂版を出してくれたことを喜びましょう。
 持っててよかった、と思うときがくるかもしれないし。 

 ラインナップ、万人向けと個人的嗜好との葛藤が垣間見えるかもしれません。

【憲法】
戸松秀典「憲法 」(弘文堂2015)

【行政法】
宇賀克也「行政法概説1 第8版」(有斐閣2023)
宇賀克也「行政法概説2 第7版」(有斐閣2021)
宇賀克也「行政法概説3 第5版」(有斐閣2019)
宇賀克也「地方自治法概説 第10版」(有斐閣2023)
藤田宙靖「新版 行政法総論 上巻 」(青林書院2020)
藤田宙靖「新版 行政法総論 下巻 」(青林書院2020)
藤田宙靖「行政組織法 第2版」(有斐閣2022)
岡村久道「個人情報保護法 第4版」(商事法務2022)

【民法】
中田裕康「債権総論 第4版」(岩波書店2020)
中田裕康「契約法 新版」(有斐閣2021)
奥田昌道,佐々木茂美「新版 債権総論 上巻 」(判例タイムズ社2020)
奥田昌道,佐々木茂美「新版 債権総論 中巻 」(判例タイムズ社2021)
奥田昌道,佐々木茂美「新版 債権総論 下巻 」(判例タイムズ社2022)

【会社法・商法】
江頭憲治郎「株式会社法 第8版」(有斐閣2021)
田中亘「会社法 第4版」(東京大学出版会2023)
江頭憲治郎「商取引法 第9版」(弘文堂2022)
黒沼悦郎「金融商品取引法 第2版」(有斐閣2020)

【民事手続法】
伊藤眞「民事訴訟法 第7版」(有斐閣2020)
新堂幸司「新民事訴訟法 第6版」(弘文堂2019)
中野 貞一郎,下村 正明 「民事執行法 改訂版」(青林書院2021)
瀬木比呂志「民事保全法 新訂第2版」(日本評論社2020)

【倒産法】
伊藤眞「破産法・民事再生法 第5版」(有斐閣2022)
伊藤眞「会社更生法・特別清算法 」(有斐閣2020)

【刑法】
裁判所職員総合研修所「刑法総論講義案 四訂版」(司法協会2018)
西田典之,橋爪隆「刑法各論 第7版」(弘文堂2018)

【刑事手続法】
酒巻匡「刑事訴訟法 第2版」(有斐閣2020)
三井誠,酒巻匡「入門刑事手続法 第9版」(有斐閣2023)

【租税法】
金子宏「租税法 第24版」(弘文堂2021)

【労働法】
菅野和夫「労働法 第12版」(弘文堂2019)
水町勇一郎「詳解 労働法 第3版」(東京大学出版会2023)
荒木尚志「労働法 第5版」(有斐閣2022)

【社会保障法】
菊池馨実「社会保障法 第3版」(有斐閣2022)
堀勝洋「年金保険法 第5版」(法律文化社2022)

【知的財産法】
中山信弘「著作権法 第4版」(有斐閣2023)
中山信弘「特許法 第4版」(弘文堂2019)
加戸守行「著作権法逐条講義 七訂新版」(著作権情報センター2021)

【独占禁止法】
白石忠志「独占禁止法 第3版」(有斐閣2016)
泉水文雄「独占禁止法」(有斐閣2022)

【信託法】
新井誠「信託法 第4版」(有斐閣2014)
道垣内弘人「信託法 第2版」(有斐閣2022)

【保険法】
山下友信「保険法(上)」(有斐閣 2018)
山下友信「保険法(下)」(有斐閣 2022)
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2023年09月25日

《特定業種優遇税制》としてのインボイス特例(その3) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編35)

 そもそもの話として、インボイス制度施行前における古物商等の取引がどのように扱われているのか、調べようと思ったのですが。

《特定業種優遇税制》としてのインボイス特例(その1) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編33)
《特定業種優遇税制》としてのインボイス特例(その2) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編34)

 運営謹製「Q&A」服従型のインボイス解説本はもちろんのこと、消費税全体を論じた下記のような本ですら、インボイス制度施行前における古物商等の取引の取り扱いについて、何の記述もされていませんでした。

熊王征秀「消費税法講義録 第4版」(中央経済社2023)

 ただ単に、Q&Aの該当箇所をトレースしているだけで。改正前と比べてどこがどう変わったのかなんてことは、解説してくれません。


 では、過去に出版された本の中で、取り扱いが記述されているものがあるかというと。

 私の手元にあるものだと、いにしえの消費税解説本の中で、平成9年に日税連が(国税庁お墨付きで)示した『見解』の中に出てきているものを引用したのが見つかりました。

 この『見解』が現在に至るまで生きていたと仮定して、私なりに敷衍してみると次のように整理できそうです。

【消費者から買い取った場合の仕入税額控除の扱いについて】

1 インボイス前

《通常の取引》
 ア 課税仕入:消費者からの買取も該当(法2条1項12号)
 イ 税額控除:請求書がなくても控除可
 ウ 請求書: 3万円未満→少額だから不要(法30条7項、令49条1項1号)
        3万円以上→やむを得ない理由があるから不要(法30条7項、令49条1項2号)
 エ 帳簿:  氏名・住所を省略できる(令49条2項)

《古物商取引》
 ア 課税仕入:消費者からの買取も該当(法2条1項12号)
 イ 税額控除:請求書がなくても控除可
 ウ 請求書: 3万円未満→少額だから不要(法30条7項、令49条1項1号)
        3万円以上→やむを得ない理由があるから不要(法30条7項、令49条1項2号)
 エ 帳簿:  氏名・住所を省略できる(令49条2項)
        「買取台帳」を帳簿とすることができる(『見解』)

 アイウまではどちらも同じで、帳簿のところだけ、ほんのり便宜をはかってもらっているくらいの違いしかありません。
 これがインボイス後には、次のように変容します。

2 インボイス後

《通常の取引》
 ア 課税仕入:消費者からの買取も該当(法2条1項12号)
 イ 税額控除:インボイスがないので控除不可(法30条1項)
 ウ 請求書: 困難ではない(法30条7項)
 エ 帳簿:  ×××

《古物商取引》
 ア 課税仕入:消費者からの買取も該当(法2条1項12号)
 イ 税額控除:インボイスがなくても控除可
 ウ 請求書: 困難だから保存不要(法30条7項、令49条1項1号ハ)
 エ 帳簿:  1万円未満→氏名・住所を省略できる(令49条2項、告示)
        1万円以上→省略不可(告示)
        「古物台帳」を帳簿とすることができる(Q&A)

 通常の取引のウ 請求書に「困難ではない」とあるの、何となく違和感があるかもしれません。消費者からインボイスをもらうの、いかなる場合でも「困難である」(というか不可能)といえるのではないのかと。

 が、法30条7項+令49条1項の書きぶりからすると、
  古物商取引はインボイスをもらうのが「困難である場合」だから、控除可とする
  通常の取引はインボイスをもらうのが「困難である場合」でないから、控除不可とする
という建付けになっていると理解せざるをえないと思われます。

 また、エ 帳簿の「1万円以上未満/以上」という区分、消費税法本体に記述されているものではなく。
 国税庁告示が古物営業法の規律を引っ張ってきているせいで、こういう区分になっています。インボイス前の「3万円未満/以上」とは全く出自が異なるものです。

 「古物台帳」を消費税法上の「帳簿」とすることができるという点については、法令には定めはなく。おそらくですが、告示がいう「業務帳簿に記載しなくてよいなら氏名省略できる」というのを裏読みして導いたものだと思われます。
 例によって、Q&Aには結論しか書いておらず。そのような解釈プロセスが明示されることはありません。


 というように、インボイス前は、通常の取引も古物商取引も、ほとんど同じルールのもとで仕入税額控除ができていました。

 が、インボイス後になり、通常の取引の場合は全面的に控除不可となったにもかかわらず、古物商取引については、なぜかほとんど無傷で控除可のままとなっております。

 同じ「益税」を享受する者であるにもかかわらず、古物商等の特定業種だけが、なぜ益税を享受できるままとなったのでしょうか。
 何度も繰り返し述べているとおり、免税事業者排斥運動を繰り広げてきた人々の関心が、なぜこれら特定業種のほうへは向かわなかったのかも謎です。

 やはり、運営側のプロパガンダがお上手すぎた、ということなのかどうか。
posted by ウロ at 09:11| Comment(0) | 消費税法

2023年09月20日

【事例検討】インボイス経過措置(8割特例・5割特例) 暫定版余滴

 8割特例を検討していて思ったことですが。

【事例検討】インボイス経過措置(8割特例・5割特例) 暫定版
【事例検討】インボイス経過措置(8割特例・5割特例) 暫定版補遺

 下記8の者から仕入れた場合に8割特例を受けられるかについての話。

 8 課税事業者(適格者) インボイスなし

 「Q&A」及びそれを母体とする巷の解説の類では、8割特例の要件として「適格請求書発行事業者以外の者」から仕入れた場合に適用を受けられると、「ヒト」の観点から記述がされていました。
 これに対して、実際の条文では「モノ」の観点から規定されているということを指摘しました。


 この点についてもう少し深掘りすると。

 30条1項(以下、1項は省略します)は、新旧とも、「誰から仕入れたか」については何ら触れられていません。
 もちろん、新30条の場合はインボイスが必要となるため、結果として「適格者」から仕入れた場合に限られることになります。が、条文上は「インボイス」というモノの側からしか記述されていません。

 で、通常の場面であれば、「適格者から仕入れたら」と書こうが「インボイスがあれば」と書こうが控除不可という結論は同じになるので、問題はありません。「控除できません残念でした。」で終わる話です。
 が、8割特例の場面に限っては、新30条の適用を受けるが控除額は0円になるのか、そもそも新30条の適用を受けないのかによって、結論が変わってきてしまいます。

 たとえば、新30条の書きぶりが、
  ・適格者からの仕入なら適用あり(ヒト)
  ・その控除額はインボイス記載の金額に従う(モノ)
と、ヒトとモノの両面から規律していたならば、8の場合は、新30条の適用はあるが控除額は0円、となるので、8割特例の対象とはなりません。

 ところが、実際の新30条は、ストレートに「インボイス記載の消費税額を控除できる」と、モノの側からしか記述していないため、8の場合は、インボイスがないから新30条適用なし⇒旧30条なら適用できた⇒ゆえに8割特例の対象となる、という結論になってしまうように思えます。
 つまり、旧30条、新30条、H28法附則52条のすべてが「モノ」の観点からしか対象範囲を限定していないせいで、8がすり抜けてきてしまったということかと。

 さすがに運営側が、条文も読まずに条文見出しだけみて「Q&A」を作成するはずはないでしょう。なので、気づいちゃった上で、あえて触れていないように思えます。
 触れていないだけで「控除できない」とまでは明記していないので、決して嘘を書いているわけではありません(巧妙)。運営の公表する情報が「裏表両面を書かない」なんてことはいつもの手口であって。この場面かぎりの特殊なやり口ということでもないので、紛れてしまいますし。


 さて、ここまで書いてきて、ふと「仕入税額控除は単なる『計算要素』ではなく『請求権』だ!」みたいな議論を展開されている件の教科書の存在を思い出しました。

佐藤英明,西山由美「スタンダード消費税法」(弘文堂2022)

 こういった問題に対して何かしらヒントにでもなるかと一応少し考えてみたものの、何の役にもたたなそうです。具体的な規定に基づかない空中戦を繰り広げてみたところで、どうにもならない。

 いやほんと、虚無が過ぎる。
posted by ウロ at 14:03| Comment(0) | 消費税法

2023年09月18日

《特定業種優遇税制》としてのインボイス特例(その2) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編34)

 前回は「古物商特例」の要件と機能を、通常の取引の場合と比較して検討しました。

《特定業種優遇税制》としてのインボイス特例(その1) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編33)

 で、今回が本論です。

 前回の検討結果を貼り付けておきます。

【古物商特例】
  ・控除できる
   1 法人+適格者+インボイス(原則)
   2 個人+適格者+インボイス+事業用資産(原則)
   6 法人+非適格者(特例)
   7 個人+非適格者(特例)
  ・控除できない
   3 法人+適格者
   4 個人+適格者
   5 個人+適格者+インボイス+家事用資産

 以下、次の事例を想定しながら検討します。

【事例】
 A(消費者・非適格者)⇒ B(買取業者・課税事業者) 11000
 B(買取業者・課税事業者)⇒ C(消費者・非適格者) 16500

 Bが、Aから自家用車を11000で買取り、Cに16500で販売したと。

 原則ルールどおりであれば、BはCから預かった消費税「1500」をそのままお国にお返ししなければなりません。当然のことながら、BはAに消費税をお預けしていないので、控除額は0です(以下、わざと「預かり」等の表現をとります)。
 ところが、特例が適用されることにより、Aに預けてもいない1000を控除した「500」だけ納税すればよいことになります。

 これ、どう考えても「課税なき控除」ですよね。インボイスの導入により撲滅しようとしたはずの。1000の「益税」が生じてしまっていますよ。

 なお、Aが「非適格者である課税事業者」ならば課税ありとなります。本ブログにおいては「控除なき課税」が生じているとして散々批判の対象としたところです。が、本特例の場面では、結果的に課税と控除が一致することになります。

 【非適格者である課税事業者Aからの古物買取り】
  A +11000 1000納税 (問答無用の売上課税ルール)
  B -11000 1000控除 (原則控除不可。特例で控除可に)

 問答無用の売上課税ルールと、非適格者からの仕入でも控除できるというイカれたルールが悪魔合体することで《課税=控除》が実現されるという、悪夢のような展開。


 では、誰が益税1000を着服しているか。《免税事業者は消費税をネコババしている》思想からすれば、Aがネコババしていることになりそうです。

 が、今までご自分で何かしら業者に買い取ってもらった経験のある方は、そのときのことを思い出してもらいたいのですが。たとえば「査定価格10万円です」となったとして、そこに消費税を上乗せして支払ってくれたでしょうか。おそらく10万円ポッキリしかもらっていないのでは。
 にもかかわらず、消費税をネコババしているなんて言われるとしたら、とんでもない言いがかりだと感じるのではないでしょうか。

 もちろん、「消費者」として買い取ってもらったのなら、消費税をもらっていないというのはそのとおりです。買取業者の側からすれば、消費者には消費税を支払っていないということです。
 支払っていないのに控除できるのだとしたら、買取業者のほうがネコババしていることにならないでしょうか。

 では、「法人」「個人事業」として買い取ってもらった場合はどうかというと、やはり消費税込みの価格で買い取られたんじゃないでしょうか。「思ったほど売却益上がらないなあ。」と感じるとしたら、それは消費税込みでしかもらっていないからです(消費税分目減りしている)。

 というか、そもそも「事業/家事」いずれで売るか、課税事業者かどうかなんて、買取の際に確認していなかったんじゃないですか。誰が売手であろうと、一律で税込での買取をしていたかと。

 そうすると、古物商取引において益税を得ているのは、買手である古物商のほうなのではないでしょうか(もちろん場合によりますが、それは免税事業者が益税を得ているとは限らない、というのと同じ話です)。


 「家事用資産」の場合、適格者からの買取りだと控除されないが、非適格者からの買取りなら控除されることになります。これ、どうにもバランス感覚がおかしくなる。家事用資産は事業じゃないから控除できないとしておきながら、非適格者からなら家事用資産でも控除できると。

 ・原則:家事用資産→インボイス発行できない→控除できない
 ・特例:非適格者→インボイス発行しなくていい→控除できる

 以前検討した《媒介者交付特例》については、キモいという感想を抱いたものの、あくまでも売手が「適格者」であるというラインを超えることはありませんでした。

《媒介者交付特例》がキモいのだが(その1) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編30)
《媒介者交付特例》がキモいのだが(その2) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編31)
《媒介者交付特例》がキモいのだが(その3) 〜消費税法の理論構造(種蒔き編32)

 ところが、本特例は、売手が「非適格者」であれば控除できる、他方で「適格者」であってもイケてないパターン(345)は控除できない、という逆転現象を生じさせてしまっています。

 売手が個人で、課税「あり/なし」と控除「あり/なし」のパターンを並べてみます(法人は省略)。
 ここでも、通常の取引と古物商特例を対比させます。

 【通常の取引】
  ・課税あり×控除あり
    2 個人+適格者+インボイス+事業用資産
  ・課税なし×控除なし
    5 個人+適格者+インボイス+家事用資産
  ・課税なし×控除あり ←納税者有利
    無し
  ・課税あり×控除なし ←課税側有利
    4 個人+適格者
    7 個人+非適格者

 インボイス制度の導入によって、「課税なし×控除あり」のパターンを撲滅することができました。
 適格者がインボイスを発行すれば控除できる、それ以外は控除できない、というきれいなルールとなっています(5のインボイスは偽インボイスです)。

 【古物商特例】
  ・課税あり×控除あり
    2 個人+適格者+インボイス+事業用資産
    7a 個人+非適格者(課税事業者)(特例)
  ・課税なし×控除なし
    5 個人+適格者+インボイス+家事用資産
  ・課税なし×控除あり ←納税者有利
    7b 個人+非適格者(免税事業者)(特例)
    7c 個人+非適格者(消費者)(特例)
  ・課税あり×控除なし ←課税側有利
    4 個人+適格者

 特例の適用により、7が3つ(課税事業者・免税事業者・消費者)に分裂して、「控除あり」に編入されることに。このうち、課税事業者(7a)は課税=控除となることから、結果としては問題ないです(上述した悪魔合体)。

 問題なのが免税事業者(7b)と消費者(7c)。インボイス制度によって撲滅したはずの「課税なし×控除あり」を復活させてしまっています。
 

 免税事業者に対しては、あたかも親の仇のごとく徹底的に潰しにかかっていたというのに。なぜに特定業種に対しては「スンッ」て感じでスルーしているのか。
 弱小免税事業者との取引により生じる益税と、特例業種との取引により生じる益税とで、一方は撲滅、他方は温存とするほどの違いは何なんでしょうか。「平等」という観点からすれば、「規模」で線引きするよりも「業種」で線引きするほうが筋が悪いはずなんですが、なぜ、前者が駄目で後者は良いとなるのか。

  免税事業者(益税)⇒消費者  「許せない!!」
  消費者⇒買取業者(益税)   「・・・・・。」

 「滅せよ免税事業者!」を唱えるのはいいのですが、これら矛盾について、どのように折り合いをつけているのか、ぜひご教示いただきたいところ。私のような野良税理士には思いつかないような、鮮やかな理由付けがあるのでしょうか。

 もちろん、何かしらの政策的な理由があっての特例なのでしょう。が、それがどのような理由にせよ、何かしらの理由付けさえあれば「課税なき控除」を正面から認めてもいいというのであれば、あれほどまでに頑なな、免税事業者排斥運動はなんだったのでしょうか。

 さすがに、買取業者が「インボイスの施行にともない『販売価格』に消費税を乗せさせていただきます(が『買取価格』は税込のまま)。」とか言い出したら、免税事業者に向けていた憎悪をこちらに向けてくれますよね。
posted by ウロ at 10:49| Comment(0) | 消費税法