2022年01月01日

記事一覧

238記事

【日常系税務リーガルマインド】
税理士だって日常系税務でリーガルマインドを実践したい!
親族概念の、いてもいなくてもどっちでもいい奴感
森田宏樹「契約責任の帰責構造」(有斐閣2002) 〜印紙税法における「結果債務・手段債務論」の活用 
内面重視 〜ブログタイトル変更しましたのお知らせ
「リーガルマインドとは何か?」
税法・民法における行為規範と裁判規範(その1)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その2)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その3)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その4)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その5)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その6)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その7)
からくりサーカス租税法 〜文言解釈VS趣旨解釈、そして借用概念論へ
アレオレ租税法 〜立案者意思は立法者意思か?

【判例イジり】
解釈の解釈を解釈する(free rider) 〜東京高裁平成30年7月19日判決
加算税をめぐる国送法と国税通則法の交錯(平成29年9月1日裁決)
解釈の解釈の終わり? 〜さらば東京高裁平成30年7月19日判決
横流しする趣旨解釈(TPR事件・東京高裁令和元年12月11日判決)
解釈の解釈は終わりました。〜最高裁令和2年3月24日判決【判例速報】
解釈の解釈の介錯 〜最高裁令和2年3月24日判決
税務訴訟におけるゴリ押しVS誉めごろし 〜税務トロイの木馬(Tax Trojan Horse)

【法律書マニアクス】
供え本(法学体系書編)
石田穣「民法総則」(悠々社1992・信山社2014)
人類は、差異を産み育むことでマニアとなる。 〜法律書マニアクス全開
潮見佳男「民法(全) 第2版」(有斐閣 2019)
法学研究書考 〜部門別損益分析論
積読ループ
「法律学大系」(有斐閣) 〜或るstalk。
白石忠志「技術と競争の法的構造」(有斐閣1994)
最近の気になる本

【法学入門書探訪】
横田明美「カフェパウゼで法学を―対話で見つける〈学び方〉」(弘文堂2018)
大屋雄裕「裁判の原点:社会を動かす法学入門」(河出書房新社2018)
道垣内正人「自分で考えるちょっと違った法学入門 第4版」(有斐閣2019)
団藤重光「法学の基礎」(有斐閣2007)
伊藤正己「近代法の常識」(有信堂1992)
南野森「ブリッジブック法学入門(第2版)」(信山社2013)
太田勝造「AI時代の法学入門 学際的アプローチ」(弘文堂2020)
南野森「法学の世界」(日本評論社2019)
森田果「法学を学ぶのはなぜ?」(有斐閣2020)

【租税法の教科書】
税法思考が身につく、理想の教科書を求めて 〜終わりなき旅
金子宏・中里実「租税法と民法」(有斐閣2018)
中里実ほか「租税法概説 第3版」(有斐閣2018)
金子宏「租税法 第23版」(弘文堂2019)
岡村忠生ほか「租税法 (有斐閣アルマ) 」(有斐閣2017)
三木義一「よくわかる税法入門 第15版」(有斐閣2021)
渡辺徹也「スタンダード法人税法 第2版」(弘文堂2019)
田中二郎「租税法(第3版)」(有斐閣1990)
浅妻章如「ホームラン・ボールを拾って売ったら二回課税されるのか」(中央経済社2020)
酒井克彦「プログレッシブ税務会計論」(中央経済社2018)
「新 実務家のための税務相談(民法編) 第2版」(有斐閣2020)
伊藤滋夫編「租税訴訟における要件事実論の展開」(青林書院2016)
佐藤英明「スタンダード所得税法 第2版補正2版」(弘文堂2020)

【アクティブ・ラーニング】
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民1)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民2)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民3)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民4)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民5)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民6)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民まとめ)

【税務】
あるべき税理士
肩たたき券取引と税務
税金(国税)の納付の仕方(いろいろ)
税金(地方税)の納付の仕方(いまいち)
あえて言おう!カスであると!(被用者・応募者側からみたみなし残業代)
税金(地方税)の納付の仕方(前進)

【法人税法】
税務における事前判断と事後判断 〜所得拡大促進税制の適否判定(また改正するので)
ふたりはプリキュア(後日テコ入れで増員) 〜グループ法人税制のおさらい〜
武器としての所得拡大促進税制 〜労働者にとっての。
ここがヘンだよ所得拡大促進税制 〜委任命令におけるゆらぎとひずみ
さらば所得拡大促進税制(Arrivederci) 〜評判良ければ続くやつ
みんな大好き!倒産防。 〜措置法解釈手習い
「定期同額給与」のパンドラ(やめときゃよかった)
西村美智子 中島礼子「組織再編税制で誤りやすいケース35」(中央経済社2020)
未払決算賞与の損金算入時期と、なんちゃって私法準拠の弊害
珍奇な新規 〜人材確保等促進税制における「国内新規雇用者」について(令和3年度税制改正)
珍奇な新規(続) 〜『人材確保等促進税制御利用ガイドブック(令和3年5月31日公表版)』

【所得税法】
色々な壁の話し(配偶者控除・配偶者特別控除)2018ver.
年末調整H29
社員割引
出張手当は節税になるのか?
支払調書における「支払金額」(支払の確定した金額)について
利子・配当・譲渡所得の課税方式の選択について(2020.2.24現在)
支払調書における「支払金額」(支払の確定した金額)について【追補】
さよなら「権利確定主義」(その1) 〜事業所得と給与所得
さよなら「権利確定主義」(その2) 〜不動産所得
さよなら「権利確定主義」(その3) 〜譲渡所得
さよなら「権利確定主義」(その4) 〜違法所得

【消費税法】
消費税、免税とるって大変よ、という話(2018.1.11現在のルール)。
特定新規設立法人のインフィニティ感

【相続税法】
パラドキシカル同居 〜或いは税務シュレディンガーの○○
イタチ、巻き込み。 〜家なき子特例の平成30年改正
ヤバイ同居 〜続・家なき子特例の平成30年改正
関場修 山口暁弘「小規模宅地等の評価減の実務 第4版」(中央経済社2018)
タックスアンサーの中の譲歩と抵抗 〜小規模宅地等の特例を素材に
「要件書き込み」は趣旨解釈を駆逐する。〜小規模宅地等の特例を素材に
オーバーホール租税法・序論 〜小規模宅地等の特例を素材に
白井一馬「小規模宅地等の特例」(中央経済社2020)
僕たちは!出戻り保護要件です!! 〜家なき子特例の趣旨探訪1
ぼくたちは出戻り保護ができない。 〜家なき子特例の趣旨探訪2
あの日見た特例の趣旨を僕達はまだ知らない。 〜家なき子特例の趣旨探訪3(完)
タックスアンサー学習帳 〜やっててよかったTA式

【印紙税法】
私法の一般法とかいってふんぞり返っているわりに、隙だらけ。〜契約の成立と印紙税法
Janusの委任 〜成果報酬型委任と印紙税法
続・契約の成立と印紙税法(法適用通則法がこちらをみている)
続々・契約の成立と印紙税法(代理法がこちらをみている)
さよなら契約の成立と印紙税法 (結局いつもひとり)
魔界の王子と契約の成立と印紙税法
二段の推定と契約の成立と印紙税法 〜印紙税法における実体法と手続法の交錯
おかわり契約の成立と印紙税法(法人法がこちらをみている)

【地方税法】
無償減資で均等割下げ(節税系の記事ではなく)

【国際租税法】
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その1)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その2)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その3)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その4)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その5)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その6)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その7)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その8)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その9)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その10)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その11)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その12)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(まとめ)
井上康一・仲谷栄一郎「租税条約と国内税法の交錯 第2版」(商事法務2011)

【会計】
財務分析総論 〜稼ぐ、彼女の如く。
金子智朗「経営分析の超入門講座」(秀和システム2012)

【基礎法学】
「ポケット六法」は総合事項索引を倒さないと本体に攻撃が通らない 〜事項索引 de 勉強法
「法律学小辞典」の「小」は「小スキピオ」の「小」
ホッブズ「リヴァイアサン」 〜彼の設定厨。
田中成明ほか「法思想史」(有斐閣1997)
判例の機能的考察(タイトル倒れ)
ロジカルシンキングによる試験問題おイジり学習法
法律解釈のフローチャート(助走編)
フローチャートで遊ぼう。 〜フローチャート総論
フローチャートを作ろう(その1) 〜文理解釈(付・反対解釈)
フローチャートを作ろう(その2) 〜定義付け解釈
フローチャートを作ろう(その3) 〜縮小解釈(縮小系)
フローチャートを作ろう(その4) 〜拡大解釈(拡大系)
フローチャートを作ろう(その5) 〜慣習法
フローチャートを作ろう(その6) 〜判例法

【民法】
潮見佳男「新債権総論1・2(法律学の森)」(信山社 2017)
潮見佳男「基本講義 債権各論1 契約法・事務管理・不当利得」(新世社2017)
ユーのネームは。 〜「新注釈民法」と私
前田達明「続・民法学の展開 (民法研究 第三巻)」(成文堂2017)
潮見佳男「詳解 相続法」(弘文堂2018)
平井宜雄「債権各論I上 契約総論」(弘文堂2008)
内田勝一「借地借家法案内」(勁草書房2017)
米倉明「プレップ民法(第5版)」(弘文堂2018)
池田真朗「スタートライン債権法(第7版)」(日本評論社2020)
窪田充見「家族法 第4版」(有斐閣2019)
時効の中断・停止から時効の完成猶予・更新へ
ドキッ!?ドグマだらけの民法改正
どんな子にも親に内緒のコトがある。 〜民法98条の2の謎に迫る(迫れていない)
後藤巻則「契約法講義」(弘文堂2017)
加賀山茂「求められる改正民法の教え方」(信山社2019)
内田貴「民法3(第4版)債権総論・担保物権」(東京大学出版会2020)
金井高志「民法でみる法律学習法 第2版」(日本評論社2021)

【会社法・商法】
前田庸「手形法・小切手法入門」(有斐閣 1983)
川口恭弘「金融商品取引法への誘い」(有斐閣2018)
近藤光男「商法総則・商行為法 第8版」(有斐閣2019)
関俊彦「商法総論総則」(有斐閣2006)
小塚荘一郎,森田果「支払決済法 第3版」(商事法務2018)
高橋美加ほか「会社法(第2版)」 (弘文堂2018) 〜付・税理士と会社法の教科書
大垣尚司「金融から学ぶ会社法入門」(勁草書房2017)
大塚英明ほか「商法総則・商行為法 第3版」(有斐閣2019)

【労働法】
下井隆史「労働基準法 第5版」(有斐閣2019)

【民事訴訟法】
新堂幸司「民事訴訟制度の役割」(有斐閣1993)
新堂幸司「新民事訴訟法 第6版」(弘文堂2019) 〜付・民事訴訟法と税理士

【知的財産法】
システム開発における先行者利益について
田村善之「知財の理論」(有斐閣2019)

【破産法】
小林秀之「破産から新民法がみえる」(日本評論社 2018)
美人若女将連続バラバラ租税債権 〜犯人は破産法

【憲法】
大島 義則「憲法ガール Remake Edition」(法律文化社 2018) 〜あわよくばSuccubus。
戸松秀典「憲法」(弘文堂 2015)
ミシェル・トロペール(南野森訳)「リアリズムの法解釈理論」(勁草書房2013)

【行政法】
大橋 洋一「社会とつながる行政法入門」(有斐閣2017)
高木光「行政法」(有斐閣2015)
原田尚彦「行政法要論(全訂第七版補訂二版)」(学陽書房2012)
遠藤博也「行政法スケッチ」(有斐閣1987)

【刑法】
井田良「入門刑法学・総論」(有斐閣2018)ほか
井田良「講義刑法学・総論 第2版」(有斐閣2018)
井田良「講義刑法学・各論 第2版」(有斐閣2020)
辰井聡子「因果関係論」(有斐閣2006)
裁判所職員総合研修所「刑法総論講義案 (四訂版)」(司法協会2016)
松澤伸「機能主義刑法学の理論―デンマーク刑法学の思想」(信山社2001)
安田拓人ほか「ひとりで学ぶ刑法」(有斐閣2015)
小林憲太郎「ライブ講義 刑法入門」(新世社2016)
藤木英雄「公害犯罪」(東京大学出版会1975)
井田良「犯罪論の現在と目的的行為論」(成文堂1996)
橋爪隆「刑法総論の悩みどころ」(有斐閣2020)

【国際私法】
視野を広げるための、国際私法
多層的請求権競合論と、メロンの美味しいところだけいただく感じの。
野村美明「新・ケースで学ぶ国際私法」(法律文化社2020)
多田望ほか「国際私法 (有斐閣ストゥディア)」 (有斐閣2021)
法適用通則法5条と35条における連動と非連動 〜法律学習フローチャート各論
双方的要件は準拠実質法を駆逐する。 〜婚姻成立の準拠法

【弁護士と税理士】
弁護士事務所と税理士事務所(似ていない)

【酒撮り】
東洋美人(一番纏 純米大吟醸)【山口】
雄町(天吹・純米吟醸)+ 愛山(天吹・大吟醸)【佐賀】
夢+叶(東薫大吟醸)【千葉】
寿 満寿泉(大吟醸)【富山】
夢穂波(大吟醸)【岩手】
獺祭(純米大吟醸 磨き二割三分)【山口】
浜千鳥(純米大吟醸)【岩手】

【ガジェット】
Logicool G105(ゲーミングキーボード)
Logicool G300s(ゲーミングマウス)
刷り込み−会計ソフトの選び方
開放感−そして携帯端末の思ひ出
架空の思い出 −私とテレビゲームの。
ジオンはあと10年は戦える
モニ旅。 〜ぼくのPCモニター遍歴
Logicool G910R(ゲーミングキーボード)

【メンタル】
メンタル・ロック(mental lock)
「俺がガンダムだ!」
あなたの動機はどこから?
あなたは仕事に何を求めているのか。

【音楽と私】
チェリビダッケ&ミュンヘン・フィル/ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調
シューリヒト&ウィーン・フィル/ブルックナー: 交響曲第9番
カイルベルト&ベルリン・フィル/ブルックナー:交響曲第9番
三上ちさこ「I AM Ready!」 〜付・音楽と私

【日記】
神宮詣
定規か電卓か、いや定規と電卓だ。
俺のいちごミルクフォルダが火を噴くぜ 2017
なぜ吸血鬼は自分の血を吸わないのか。 〜AI時代の吸血士のための生存戦略セミナー
ブログURL変更しましたのお知らせ
俺のいちごミルクフォルダが火を噴くぜ 2018
ネット古書店 購入お作法(含、小トラブルご報告)
俺のいちごミルクフォルダが火を噴くぜ 2019

【事務所案内】
はじめに
事務所名について
税理士事務所(個人)と株式会社の関係について
はじめます!!!
会社名の由来
なんでブログを書いているの?
サービスと対価(税理士報酬の場合)
圧倒的インプット
押収品
私たちのファームに新しいクルーがジョインしてくれました!!!!!!
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2021年12月31日

供え本(法学体系書編)

 「供え本」(そなえぼん)とは、読まなくてもよいからさしあたり書棚にお供え(備え)しておきなさい、という本です。

 一度も開かないまま、改訂版が出ても逐一悲しまない(繰り返し経験済み)。
 むしろ改訂版を出してくれたことを喜びましょう。
 持っててよかった、と思うときがくるかもしれないし。 

 ラインナップ、万人向けと個人的嗜好との葛藤が垣間見えるかもしれません。

【憲法】
戸松秀典「憲法 」(弘文堂2015)

【行政法】
宇賀克也「行政法概説1 第7版」(有斐閣2020)
宇賀克也「行政法概説2 第7版」(有斐閣2021)
宇賀克也「行政法概説3 第5版」(有斐閣2019)
宇賀克也「地方自治法概説 第9版」(有斐閣2021)
藤田宙靖「新版 行政法総論 上巻 」(青林書院2020)
藤田宙靖「新版 行政法総論 下巻 」(青林書院2020)

【民法】
中田裕康「債権総論 第4版」(岩波書店2020)
中田裕康「契約法 」(有斐閣2017)
奥田昌道,佐々木茂美「新版 債権総論 上巻 」(判例タイムズ社2020)
奥田昌道,佐々木茂美「新版 債権総論 中巻 」(判例タイムズ社2021)

【会社法・商法】
江頭憲治郎「株式会社法 第8版」(有斐閣2021)
田中亘「会社法 第3版」(東京大学出版会2021)
江頭憲治郎「商取引法 第8版」(弘文堂2018)
黒沼悦郎「金融商品取引法 第2版」(有斐閣2020)

【民事手続法】
伊藤眞「民事訴訟法 第7版」(有斐閣2020)
新堂幸司「新民事訴訟法 第6版」(弘文堂2019)
中野 貞一郎,下村 正明 「民事執行法 」(青林書院2016)

【倒産法】
伊藤眞「破産法・民事再生法 第4版」(有斐閣2018)
伊藤眞「会社更生法・特別清算法 」(有斐閣2020)

【刑法】
裁判所職員総合研修所「刑法総論講義案 四訂版」(司法協会2018)
西田典之,橋爪隆「刑法各論 第7版」(弘文堂2018)

【刑事手続法】
酒巻匡「刑事訴訟法 第2版」(有斐閣2020)
三井誠,酒巻匡「入門刑事手続法 第8版」(有斐閣2020)

【租税法】
金子宏「租税法 第23版」(弘文堂2019)

【労働法】
菅野和夫「労働法 第12版」(弘文堂2019)

【知的財産法】
中山信弘「著作権法 第3版」(有斐閣2020)
中山信弘「特許法 第4版」(弘文堂2019)

【独占禁止法】
白石忠志「独占禁止法 第3版」(有斐閣2016)

【信託法】
新井誠「信託法 第4版」(有斐閣2014)
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2021年07月19日

双方的要件は準拠実質法を駆逐する。 〜婚姻成立の準拠法

 前々回の書評記事からのスピンオフ第二弾。

多田望ほか「国際私法 (有斐閣ストゥディア)」 (有斐閣2021)
法適用通則法5条と35条における連動と非連動 〜法律学習フローチャート各論


 同書評記事において、配分的適用における双方的要件の例として「近親婚の禁止」をあげるのは相応しくないのでは、という疑問を提起しました。

法適用通則法 第二十四条(婚姻の成立及び方式)
1 婚姻の成立は、各当事者につき、その本国法による。

 
 たとえば、AB間が3親等だとして、
  Aの本国法 2親等以内禁止
  Bの本国法 3親等以内禁止
の場合にどうなるかというと。

 仮に近親婚の禁止が「一方的要件」だったとしても、BがBの本国法を満たさないから婚姻できない、と判断できます。
 わざわざ「Aが」Bの本国法を満たしていないことをいう必要はありません。
 親等数というものは通常、AからみようがBからみようが変わるわけではないからです。

  A→B:3親等 = B→A:3親等

 もし違いがでるとしたら、親等の数え方が向きによって違うとか、性別によって要求される親等が違うなどといった場合でしょう。すくなくとも本書記載の事例でみるかぎり、一方的要件と双方的要件との違いは出ません。

 甲国法の近親婚の禁止規定
  男→女 2親等以内禁止
  女→男 3親等以内禁止


 また、一方的要件と双方的要件の一覧をわざわざ図にしているのですが、ただ結論が書いてあるだけです。なぜそのような帰結になるのか、「国際私法独自に」というだけでその根拠が書かれていません。

 たとえば、同じ「婚姻待機期間」でも、日本民法では父子関係の重複予防とされていますが、他の国の民法も同じ趣旨とはかぎりません。女性に対する倫理的な理由かもしれない(もちろん、長期すぎれば公序則の発動はありうるでしょうが)。
 と、同じ制度でも実質法上の趣旨が異なる可能性があるのに、勝手に国際私法独自の立場から一方/双方を決め打ちすることなんてできるのでしょうか。通則法には、その判断基準となりうるようなものは皆無です。
 暗黙のうちに「日本民法」を前提として判断してしまっているように思えます。

 「婚姻」「離婚」といった単位法律関係レベルの問題であれば、特定の実質法の内容を考慮にいれずに国際私法独自に判断するのは可能でしょう。各国実質法がどういうつもりでそれら制度を設けているかということを詰めないでも、現象面だけを捉えて単位法律関係の範囲確定をすることは可能です(というよりも、立法政策上、各国実質法の中身如何に関わらず範囲確定できるような単位法律関係を設定する必要があるということです)。

 が、これと同じ所作を一方的要件/双方的要件の振り分けでできるとは思えません。

 一方/双方の判断をするのだとしたら、準拠実質法の中身を見なければ無理なのではないでしょうか。当該準拠実質法における制度趣旨が、本国外の配偶者にまで向けられているかどうかで判断するしかないのではないかと。
 もしそうだとすると、婚姻待機期間などが双方的要件に該当するかをあらかじめ決めることはできず、準拠実質法が決まってからはじめて判断できることになります。これは、通則法レベルの問題ではなく、準拠法選択が終わった後の「実質法の解釈」レベルの問題です。
 本書の一覧表も、準拠実質法が日本民法になった場合(と日本民法と同趣旨のもの)に限った一覧だとするならば、理解は可能です。

 抵触法学の役割というのは、各国実質法の趣旨を勝手に決め打ちすることではなく。
 実質法学の側に、各国抵触法から準拠法選択された場合に備えて、国際的視点を踏まえた解釈論を展開しておく必要があることを気づかせてあげることではないのでしょうか。


 そもそもの問題として、配分的適用といいながら双方的要件を要求するのは、「累積的適用」とどこが違うのでしょうか。本書をいくら読んでも疑問が残るだけです。

 この点、準拠実質法の趣旨により判断する見解によれば、次のような説明が可能です。

 たとえば「重婚禁止」の場合。
  Aの本国法 禁止あり
  Bの本国法 禁止なし

 Aの本国法の趣旨が、
  ア 自国民自身が重婚することを禁止する
だけでなく、
  イ 自国民が他国の重婚者と婚姻することも禁止する
という趣旨も含むと解釈できるかどうかによると。

 イが含まれるとしても、これは「Bが」Aの本国法の適用を受けているのでは決してありません。あくまでも、「Aが」重婚者と婚姻するのかを問うているということです(なお、Bが重婚しているかどうかの判定も通則法のお世話になるという、入れ子構造になります)。

 この点で、BにもAの本国法を適用する「累積的適用」とは違うことが説明できます。
 これと対比するならば、国際私法独自説というのは、Aの本国法の中身を見る前に、日本の通則法レベルで勝手にBに域外適用する見解だと言うことが分かります。

  累積的適用:
   Aの本国法(A・Bに適用)、Bの本国法(A・Bに適用)
  配分的適用(国際私法独自説):
   Aの本国法(A・Bに適用)、Bの本国法(A・Bに適用)
  配分的適用(準拠実質法説):
   Aの本国法(Aに適用)、Bの本国法(Bに適用)


 結論が同じになるんだったら国際私法独自説でも構わないじゃん、と言う人がいるかもしれません。
 上述した独自説による一方/双方の区別の仕方も、あくまでも本書の記述に従った説明にすぎず、ア・イのような説明を独自説から導くことも考えられます。

 が、独自説というのは、通則法が累積的適用/配分的適用を書き分けていることを無視し、かつ、各国の実質法の制度趣旨を日本の通則法の側で一律の内容に上書きするという点で、抵触法の解釈論としては禁じ手の見解ではないでしょうか。
 両説の結論が一致する場合があるにしても、通則法による一方的な決め付けが、当該準拠実質法の解釈と結果的に一致した場合に限られます。


 もちろん、あらゆる局面において、抵触法/実質法の役割分担を理念通りに分けられるとは限りません。時にはそこから外れる必要もありうるでしょう。

 ですが、少なくとも入門段階においては、この役割分担を徹底的に区別することからはじめるべきではないでしょうか。

 なお、国際私法独自説が、双方的要件と解釈することで実質法の適用領域を広げていることから、あたかも実質法を重視しているかのように思えるかもしれません。が、勝手に広げるのも狭めるのと同じく、実質法をあるがまま受け入れていないということに変わりはありません。

 特定の実質法を重視することはそれ以外の実質法を軽視することにつながるわけで、短絡的にどれか一つの準拠法を重視すればよいというものではありません。
 抵触法解釈における基本ラインは、実質法重視にも軽視にも偏ることなく、あるがまま受け入れるというものであるべきではないでしょうか。
posted by ウロ at 11:08| Comment(0) | 国際私法

2021年07月12日

法適用通則法5条と35条における連動と非連動 〜法律学習フローチャート各論

前回の書評記事からのスピンオフ。

多田望ほか「国際私法 (有斐閣ストゥディア)」 (有斐閣2021)


 「フローチャート」が本書の売りのひとつになっていて、たしかに個々の制度の判断過程はわかりやすくなっています。
 が、5条と35条を連結させたフローチャート(173頁)がどうもおかしい。

第五条(後見開始の審判等)
 裁判所は、成年被後見人、被保佐人又は被補助人となるべき者が日本に住所若しくは居所を有するとき又は日本の国籍を有するときは、日本法により、後見開始、保佐開始又は補助開始の審判(以下「後見開始の審判等」と総称する。)をすることができる。

第三十五条(後見等)
1 後見、保佐又は補助(以下「後見等」と総称する。)は、被後見人、被保佐人又は被補助人(次項において「被後見人等」と総称する。)の本国法による。
2 前項の規定にかかわらず、外国人が被後見人等である場合であって、次に掲げるときは、後見人、保佐人又は補助人の選任の審判その他の後見等に関する審判については、日本法による。
 一 当該外国人の本国法によればその者について後見等が開始する原因がある場合であって、日本における後見等の事務を行う者がないとき。
 二 日本において当該外国人について後見開始の審判等があったとき。


 両条が「連動している」ということで、5条のチャートの下に35条のチャートが矢印で繋がれています。
 その繋ぎ方なんですが、5条で日本で後見開始の審判を受けた場合にのみ、35条にいけるように表現されています。

 が、35条2項1号を見ればわかるとおり、日本で後見開始の審判を受けていない場合も35条2項は発動されます(以下、35条2項1号・2号を単に1号・2号といいます)。
 また、35条1項は、後見開始の審判とは直接関係なく後見等の準拠法を決めるものです。

 ので、日本で開始審判を受けた場合にしか35条に行けないように表現されているのは、端的にいって不正確。

 なぜこんな作りになっているのか邪推するに、先に5条のチャートと35条のチャートを別々に作った後に、そういえば両条連動しているんだっけ、と思い出して、繋げられそうなところに矢印をつけてみた、というものに見えます。
 実際に、どことどこが連動しているかを考えてからチャート化していない。

 が、「法律学習」の観点からフローチャートについて検討を重ねてきた我々には、このような作図姿勢に問題があることはわかるはずです。

【法律学習フローチャート】
法律解釈のフローチャート(助走編)
フローチャートで遊ぼう。 〜フローチャート総論

 「連動している」というのは、たとえば日本国籍なしで日本に住所があるならば、
   35条1項 後見の準拠法は外国法
   5条、35条2項2号 開始審判と後見に関する審判は日本法
と自動的に両条の結論が導かれるということです。
 そしてこのことが、チャート上で表現されていなければ両条のチャートをわざわざ連結させる意味がない。


 ということで自ら実践してみましょう(法律学習フローチャート各論)。

 まずは第1案

5条35条1.png


・大きく分けて3つのルートがあります。
 左が国内ルート、右が国外ルート、真ん中が国外ものをどうにか国内に取り込もうという通則法の下心が現れたルート。

・35条1項は通則法の他の条項と同じく準拠法選択のみを定めているのに対して、5条と35条2項は準拠法選択と裁判管轄をセットで定めている特殊な規定です(そのことを左端の見出しに記載しています)。
 そのため、35条は1項と2項とで分離させる必要があります。

・両条を通じて、選択肢は、
  国籍
  住所・居所
  国外法での開始原因あり・日本での後見人なし
の3つです。日本国籍があるかということと、日本で開始審判受けたかということは、両条通じてまとめられます。

・1号は右の国外ルート専用のもの、2号は真ん中のルート専用のものであって、他のルートとは混線しません。

 第1案は条文どおりの順番で並べましたが、次の第2案では、35条の1項と2項を入れ替えて審判ものを並べてみました。
 前回記載のとおり、事例解決という観点からすれば《条項順列思考》に縛られる必要はありません。

5条35条2.png


 さらに第3案では、通常の準拠法選択ルールである35条1項を一番前にもってきました。真ん中ルートのうろちょろ感がなくなって、すっきりしましたね。

5条35条3.png


 次の第4案では、思い切って35条1項をチャートから追い出してみました。

5条35条4.png

 5条と35条2項は審判に関する特殊ルール、35条1項は審判にかぎらない後見等の通常ルール、という観点からの区別です。

 審判チャートがシンプルになったことで、連動感がより分かりやすくなりました。

 他方で、35条1項は単純な準拠法選択ルールなので、もはやチャート化する必要はありません。審判チャートに組み込むために無理やりチャートの形にしていただけです。
 おかげさまで、日本法・外国法ではなく、条文通りの「本国法」という表現に戻すことができました。
 そして、審判ルールとの「連動しない感」も表現できています。

 個人的には、最後の形が両条のチャートのベストな気がします。
 とはいえ、本書のように間違った連動のさせ方をしないかぎり、自分にとってどれが一番しっくりくるかという観点から選べばいいことです。


 そもそもなんですが、本文の35条の説明(170頁)、条文とは異なる表現をしていてどうにも理解しにくい。

 本書に条文が生のまま掲載されていないことともあいまって、この本文とチャートだけ読んでいると、おそらく条文通りの正確な理解が得られない。

 私としては条文記載の要件をそのままに、チャート上で再編成しただけのつもりですが、本文の表現をみるかぎり、どうもこれとは違う理解が展開されているように読めます。

 「フローチャート学習法」においては、条文の構造を正確に理解した上で、それをそのまま過不足なくフローチャート上に表現する、という手順をきちんと守ることがいかに大事かが、よく理解できます。

【スピンオフ第2弾】
双方的要件は準拠実質法を駆逐する。 〜婚姻成立の準拠法
posted by ウロ at 09:35| Comment(0) | 国際私法

2021年07月05日

多田望ほか「国際私法 (有斐閣ストゥディア)」 (有斐閣2021)

 私個人は国際私法の入門書を読むような学習段階にあるわけではないのですが。

 図表やらフローチャートが豊富だったので、法学入門書ソムリエとしては嗜んでおく必要があるかと思いまして。



多田望ほか「国際私法 (有斐閣ストゥディア)」 (有斐閣2021)


 確かに、個々の単位法律関係ごとの解説については、逐一具体例と図表・チャートで説明してくれているので非常に理解しやすい。
 文章も、一読して意味が取りにくいようなところはあまり見当たらない。
 初学者が誤解しがちな箇所を指摘してくれたりも親切。

 通則法の内容、実質法とはかなり異なるので、どうしても馴染めないという人がいるかと思います。
 そういう人にとっては、本書はとてもありがたい存在になるはずです。
 
 ちなみに、これと同じノリなのが『簿記』。
 資産と費用が同じ左側とか、どうにもしっくりこない人がいるんじゃないかと(私もかつてそのクチでした)。


 が、「国際私法の」「入門書」としてこれでいいのか、と思わないでもない箇所が。
 以下、順不同で列挙していってみます。

※なお、税法とは違って、あくまでも国際私法ド素人である法学入門書嗜み屋の感想にすぎません(予防線)。


 帯に『なおかつコンパクト!』とか書いてあるのですが、通則法の条文が巻末付録とかで載っていない。
 ので、結局のところ重たい「小型六法」(形容矛盾)を別途持ち歩かなければならないです。

 「いまどきはそれくらいスマホで見ろよ」ということならまだいいのですが、「重たい小型六法も買えよ」だとしたらコンパクトの意味がない。


 いわゆる「狭義の国際私法」しかのっていません。のに、税込2,530円は強気の値段設定。

  「国際私法」(広義)
   ○ 国際私法(狭義)
   × 国際民事手続法
   × 国際取引法

 国際私法の本でどれか一冊だけ買うなら、といわれたら、お値段同等でカバー領域が広い他書をおすすめしてしまいますよね。



 神前禎「プレップ国際私法」(弘文堂2015)
 沢木敬郎ほか「国際私法入門 第8版」(有斐閣2018)
 神前禎ほか「国際私法 第4版」(有斐閣2019)
 松岡博「国際関係私法入門 第4版補訂」(有斐閣2021)

 本書をオススメするとしたら、どうしても他書では通則法の内容が理解できなかった人くらいになってしまいます。


 「国際民事手続法」の記述がないのですが、せめて『裁判管轄』の説明くらいはしたほうがよいのではないでしょうか。

 本書は、事例が豊富なのはいいのですが、どこの裁判所に提起しているのかが明記されていないので、どうも地に足がつかない感じがしてしまいます。
 そもそもの大前提として、日本の通則法が適用されるのはあくまでも日本の裁判所でだけ、ということも明記されていませんし。

 5条・6条の解説に限っては、行きがかり上裁判管轄の説明がされています。が、唐突感が否めません。
 これら条項の特殊性を理解するにも、通常の裁判管轄の説明はしておいたほうがよいはずです。


 事例における日本以外の国名が「オレンジ国」「レモン国」などといった、架空でありながら特定の国名になっています。
 ではあるのですが、各事例で同一の「オレンジ国」等を想定しているわけではありません。そのため、同じ国名が出てきたら、先の事例で作ったその国のイメージを逐一無かったことにする必要があります。
 だったら、甲国、乙国のような抽象名のほうがまだましです。

 また、A、Bといった当事者の絵がなぜか「猫」なんですが、こちらも各事例共通の同一人物をさしているわけではありません。



銀河鉄道の夜 [Blu-ray]

 ↑このような擬人化ですらなく、通常の猫姿です。

 どこの裁判所でやっているのか不明ということともあいまって、次から次へと出てくる事例がなかなか入ってこない。その都度、前の事例のイメージをリセットしなければならないので。

 特定の国名でやるならば、各国の法文化やらの舞台設定を統一したほうがよいのではないでしょうか。同じく、登場人物のキャラ設定も固定するとか。
 大垣尚司先生が会社法の教科書で実践されているのが、よい例です。

大垣尚司「金融から学ぶ会社法入門」(勁草書房2017)

 なお、佐藤英明先生の所得税法の教科書は、「大量の事例」と「大量の変な名前の当事者」の組み合わせ。

佐藤英明「スタンダード所得税法 第2版補正2版」(弘文堂2020)


 「サビニャー先生」という猫の人が、各所でやや発展的な問題に触れています。
 が、口調がなぜか「オネエ言葉」と「ですます調」のハイブリッド。

 どちらかに統一したほうがよいのでは。


 第2章で重国籍者・無国籍者、反致、公序などのいわゆる「総論」領域の事項が扱われています。
 が、1冊目の入門書ならば、これはうしろにまわすか各論に溶け込ませたほうがよいのでは。

 反致とか、「行き」のルールを十分に学ぶ前から「帰り」のルールを学ばせるとか、どう考えても変ですよね。まあ、転致とか間接反致に一切触れていないのは、潔くてよいと思いますが。

 入門書段階で、総論と各論を分ける必然性は全くないはずです。「範囲は狭いが値段が高い」というハンディキャップにもかかわらず、「指定教科書として採用されたい」という下心ゆえんのものでしょうか。

法学研究書考 〜部門別損益分析論


 「フローチャート」が本書の売りのひとつになっていて、たしかに個々の制度の判断過程はわかりやすくなっています。
 が、5条と35条を連結させたフローチャート(173頁)がどうもおかしい。

 自分でもフローチャートを作成してみたりしたのですが、長くなりすぎたので次回に別記事として検討します。

法適用通則法5条と35条における連動と非連動 〜法律学習フローチャート各論

○147頁
 「旅行中にアクセサリーをなくしてしまって、それを見つけた人ともともと持っていた人の間でどちらが所有者なのかで争いとなったとしたら、実際にそのアクセサリーが所在している国の法でどちらに所有権があるのかを決めることになります。」

 『論点飛びつき思考』の典型例。

 なくした人A、見つけた人Bとすると、この事例で最初に検討しなければならないことは、Aがアクセサリーの所有権を過去取得したか、と、Bが見つけたことによって所有権を取得したか、です。
 そしてこれらはそれぞれ、Aが取得したときの所在地法、Bが見つけたときの所在地法により決まります。

 現在の所在地法の出番があるのは、AなりBに所有権があるとされたあと、その所有権者が相手方に対しどのような物権的請求権を行使できるかを決める段階です。「先に1項の説明をしたい」という思いが先走ることで、本来先に検討すべき2項のあてはめが抜け落ちてしまっています。
 本書は、多数の事例が挙げられていることから《事例思考》を展開しているかのようにみえます。が、実際のところは、このような《条項順列思考》です。事例にあわせて条文をあてはめるのではなく、条文にあわせて事例をあてはめている。

 通則法13条の1項・2項がこの順番になっているのは、まず物権の得喪以外について述べてから、得喪は別ルールを適用する、という構成になっているからです。
 事例において検討すべき順番とは、何らの連関もありません。
 逐条解説(逐項解説?)でもあるまいし、事例をベースに通則法の解説をするというならば、1項→2項の順番で説明する必要はまったくないはずです。

 なお、誤解してはいけないのは、物権の準拠法につき、1項が「原則」で2項が「例外」なわけではありません。2項が得喪のルール、1項がそれ以外のルール、と、いわばそれぞれが原則ルールであって「原則・例外」の関係にはありません。

 そもそも、全体の章立てを通則法の単位法律関係ごとに分断していること自体、入門書として相応しいとは思えません。
 やはり指定教科書としての採用を狙ってのことでしょうか。豊富な図表・フローチャートから受ける見かけの印象とは違って、どうも入門書としての役割に振り切れていない印象を受けます。


 もしも《抵触法的思考》というものがあるのだとしたら、それを身につけるために最初の学習段階でやるべきことは、当該事例からもれなく法律関係を取り出し、それらすべてに(被りなく)通則法上の単位法律関係を貼り付けていくことです。
 問題となっている論点だけ準拠法を決めればいいのではありません。

 当事者間で争いがない箇所なんて気にしないでいいでしょ、というのかもしれません。
 が、それが許されるかどうかそれ自体も準拠法を選択しなければ判断できないことです。
 実質法レベルの同意と抵触法レベルの同意は別物です。

 そもそも、本書第1章の一番最初の事例(5頁)からして、「未成年者であることを理由に契約取り消しができるか」ということしか問題としていません。「契約」の準拠法選択がすっ飛ばされています。
 第1章は「行為能力」の章ではなく、準拠法選択の全体構造を説明する章であるにも関わらずです。

 また、「離婚」(51頁)の準拠法を検討するには、その前提として「婚姻」が成立しているか、その準拠法をみる必要があります。当事者間では離婚しか争われていないから婚姻の準拠法は検討しなくていい、なんてことにはなりません。

 こういった複数の単位法律関係の重畳構造に関する説明が、抜け落ちてしまっているんですよね。
 この手の、全体構造の記述がごっそり抜け落ちる所作、どうも「分担執筆あるある」ではないかと邪推をしています。「総論の総論」を担当する人が、誰もいなくなる。合成の誤謬的な。

 本書では、単位法律関係ごとに事例があるので、個々の制度の理解はしやすくなっています。
 が、その事例はあくまでもひとつの単位法律関係かぎりでしか使われていません。
 上述した物権の例なんか、同じ条数でも1項だけに触れて2項には触れないとか。

 標語的にいえば「1事例1単位法律関係」どまり。
 ひとつの事例に複数の単位法律関係が潜んでいて、これらをそれぞれ切り出さなければならない、という視点が身につかない。ひとつ取り出したらそれでお終い。
 この調子でどれだけ大量の事例を検討していっても、複合問題を解けるようにはならない。

 確かに、一定程度学習が進んだ段階でならば、論点飛びつきで時間を省略するのも有りです。
 が、学習の最初の段階では、争いがない箇所も含めてもれなく法律関係を切り出す、という作業を徹底すべきです。
 「当たり前のことは触れない」は入門書では禁じ手、というのが入門書ソムリエとしての見解。

【通常事例思考】
米倉明「プレップ民法(第5版)」(弘文堂2018)

 そしてそのためには、民法の構造(物権、債権、能力など)を理解し、その構造にしたがってどのように法律関係を切り出すかを訓練すべきです。
 ただし厄介なのは、そこでいう「民法」は日本民法にとどまらず、全世界の民法の最大公約数的な理解を要求されるということです。ついつい日本民法に引きつけて理解したくなる贔屓の引き倒しを、意識的に排除する強い公平心が求められる。
 と同時に、その切り出し単位はあくまでも「日本の」通則法が基準になるという、綱渡りのような・アンビバレントな判断を要求されます。日本語で書かれた日本の通則法の解釈なのに、日本の実質法的考慮が流れ込むのをせき止めなければなりません。
 通則法が「法律行為」「意思表示」なんて用語を使っているの、いかにも《誘っている》わけですが、これら誘惑に徹底的に抵抗しなければならない。

 こういった、抵触法特有の視点の獲得を目指すのが国際私法の入門書の役割だと、私は思うのですが。


 上述した「離婚」の例を書いていて思ったのですが、「時的視点」が欠けているというのも本書にしばしば見られる傾向です。
 制度解説の行きがかり上、条文に書いてあるかぎりでは解説されているのですが、そうでない箇所は触れられていないように見受けられます。

 「離婚」のところでいうと、前提となる婚姻の準拠法は婚姻時の、離婚の準拠法は離婚時の、といったように時点がズレます(正確には裁判離婚なら事実審の口頭弁論終結時とかですが)。
 のに、本書にはそのような記述がない(この説によらないにしても基準時の説明は必要でしょう)。

 国際私法を学習することの醍醐味は、地理的・人的・物的・時的・事項的・文化的にバラバラな法をあるがまま公平に受け入れようとする建前(理想)と、それらをどうにかして国内法に引きつけて一本化・単純化しようとする本音(下心)との相克に、どう折り合いをつけるかを学べるところにあるのだと、個人的には感じています。
 
 そういった観点からすると、本書の内容は足りていない。

○37頁
 配分的適用における双方的要件の例として、「近親婚の禁止」をあげるのは相応しくないのでは。

 たとえば、AB間が4親等だとして、
  Aの本国法 2親等以内禁止
  Bの本国法 3親等以内禁止
の場合にどうなるかというと。

 仮に近親婚の禁止が「一方的要件」だったとしても、BがBの本国法を満たさないから婚姻できない、と判断できます。
 わざわざ「Aが」Bの本国法を満たしていないことをいう必要はありません。
 親等数というものは通常、AからみようがBからみようが変わるわけではないからです。

 もし違いがでるとしたら、親等の数え方が向きによって違うとか、性別によって要求される親等が違うなどといった場合でしょう。すくなくとも本書記載の事例でみるかぎり、一方的要件と双方的要件との違いは出ません。

 以下、一方的要件/双方的要件についてあれこれ書いていたのですが、こちらも長くなりそうなので、次々回にまわします。

双方的要件は準拠実質法を駆逐する。 〜婚姻成立の準拠法

○178頁
 入門書とはいえ、これから国際私法を勉強しようという段階の人に向けて、わざわざ法人を「ロボット」に喩える必要がありますかね。

 そのせいで、一旦ロボットで考えてからそれを法人に置き換えるという、余計な思考移動を強いられます。
 《卑近な喩えが余計に理解を遠ざける》という、「入門書あるある」のひとつのように思います。


 といった感じで、本書はあくまでも通則法上の個々の制度の解説がメイン。
 そのかぎりではとてもわかり易いものに仕上がっているのは確かです。
 
 が、はしがきにある「国際私法についてワクワクする思いをみんなと一緒に共有したい」というのはどうかと思う。
 学問としての面白さを感じる箇所があるようには思えません。英語学習における、単語と文法をひたすら覚える段階に近いです(卑近な喩え)。
 それらを使いこなして会話をしたり長文を読み書きしたり、という段階には届いていない。いくら工夫を凝らした優れた学習書であっても、単語と文法だけを覚えてワクワクはしないでしょうよ(ただし、単語マニア、文法マニアの存在を否定するものではありません)。

 また、架空国家の架空猫ちゃん間の事例では、現実のひりつくような国際民事紛争を疑似体験するには程遠い。
 まるまる一章つかって「子の連れ去り」に関する制度の説明をしているのはよいのですが、架空国家の架空猫ちゃん間の事例で説明したのでは、ふざけているように思えてしまいます。


 この点、石黒一憲先生の教科書が、いきなり読んでもほとんど理解できないながら、知的好奇心を刺激されるのとは対照的。
 まるで理解できないものの、面白いことが書かれていることだけは感じ取れるという。そして、これを理解したいがために、まずは基礎からちゃんと勉強しようという気になる。



 石黒一憲「国際私法 第2版」(新世社2007)

 こういう面白い本を読めるようになるための素地づくり、として本書を位置づけるならば、とても優れた本だと思います。

 が、本書を読むことで考える力が身につく、というのだとしたら言い過ぎ。考える力を身につけられるようになる前段階の基礎体力づくり、というのが正しい評価だと思います。


 以上、国際私法ド素人の私にここまでのツッコミを書かせるというのは、ある意味で『考える力を養おう』『自分から学びを深めよう』という帯の宣伝目的に適っているかもしれない。
 あくまでも、私がいうところの「アクティブ・ラーニング」としてではありますが。

【アクティブ・ラーニング系】
後藤巻則「契約法講義 第4版」(弘文堂2017)
三木義一「よくわかる税法入門 第15版」(有斐閣2020)
小林秀之「破産から新民法がみえる」(日本評論社 2018)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民まとめ)


 あれこれ論難しているものの、これら難癖の淵源は、やはり「入門書」という自己規定と「価格設定」にあるように思えます。

 対比するのにちょうどいい感じなのが、以下の本。

 

法制執務・法令用語研究会「条文の読み方 第2版」(有斐閣2021)

 1,000円未満の価格設定ながら、法令用語のお作法が網羅されています。
 これを読んだところで、法令用語について「ワクワクするような思いをみんなと一緒に共有」できたりはしません。とても通読に耐えられる内容ではない。

 ではありますが、法令用語のお作法は、法解釈論を展開するにあたっては必須の知識です。必ず一度は頭に叩き込んでおかなければなりません。
 それがこのお値段でコンパクトにまとめられているので、「供え本」とするに相応しい。

供え本(法学体系書編)

 本書も、これと同価格帯で、条文と事例をひたすら列挙するだけのインデックスものであったならば、私もここまであれこれ言うこともなかったんじゃないですかね。
posted by ウロ at 09:40| Comment(0) | 国際私法