2022年01月01日

記事一覧

247記事

【日常系税務リーガルマインド】
税理士だって日常系税務でリーガルマインドを実践したい!
親族概念の、いてもいなくてもどっちでもいい奴感
森田宏樹「契約責任の帰責構造」(有斐閣2002) 〜印紙税法における「結果債務・手段債務論」の活用 
内面重視 〜ブログタイトル変更しましたのお知らせ
「リーガルマインドとは何か?」
税法・民法における行為規範と裁判規範(その1)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その2)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その3)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その4)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その5)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その6)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その7)
からくりサーカス租税法 〜文言解釈VS趣旨解釈、そして借用概念論へ
アレオレ租税法 〜立案者意思は立法者意思か?

【判例イジり】
解釈の解釈を解釈する(free rider) 〜東京高裁平成30年7月19日判決
加算税をめぐる国送法と国税通則法の交錯(平成29年9月1日裁決)
解釈の解釈の終わり? 〜さらば東京高裁平成30年7月19日判決
横流しする趣旨解釈(TPR事件・東京高裁令和元年12月11日判決)
解釈の解釈は終わりました。〜最高裁令和2年3月24日判決【判例速報】
解釈の解釈の介錯 〜最高裁令和2年3月24日判決
税務訴訟におけるゴリ押しVS誉めごろし 〜税務トロイの木馬(Tax Trojan Horse)

【法律書マニアクス】
供え本(法学体系書編)
石田穣「民法総則」(悠々社1992・信山社2014)
人類は、差異を産み育むことでマニアとなる。 〜法律書マニアクス全開
潮見佳男「民法(全) 第2版」(有斐閣 2019)
法学研究書考 〜部門別損益分析論
積読ループ
「法律学大系」(有斐閣) 〜或るstalk。
白石忠志「技術と競争の法的構造」(有斐閣1994)
最近の気になる本

【法学入門書探訪】
横田明美「カフェパウゼで法学を―対話で見つける〈学び方〉」(弘文堂2018)
大屋雄裕「裁判の原点:社会を動かす法学入門」(河出書房新社2018)
道垣内正人「自分で考えるちょっと違った法学入門 第4版」(有斐閣2019)
団藤重光「法学の基礎」(有斐閣2007)
伊藤正己「近代法の常識」(有信堂1992)
南野森「ブリッジブック法学入門(第2版)」(信山社2013)
太田勝造「AI時代の法学入門 学際的アプローチ」(弘文堂2020)
南野森「法学の世界」(日本評論社2019)
森田果「法学を学ぶのはなぜ?」(有斐閣2020)
宍戸常寿・石川博康編「法学入門」(有斐閣2021)

【租税法の教科書】
税法思考が身につく、理想の教科書を求めて 〜終わりなき旅
金子宏・中里実「租税法と民法」(有斐閣2018)
中里実ほか「租税法概説 第3版」(有斐閣2018)
金子宏「租税法 第23版」(弘文堂2019)
岡村忠生ほか「租税法 (有斐閣アルマ) 」(有斐閣2017)
三木義一「よくわかる税法入門 第15版」(有斐閣2021)
渡辺徹也「スタンダード法人税法 第2版」(弘文堂2019)
田中二郎「租税法(第3版)」(有斐閣1990)
浅妻章如「ホームラン・ボールを拾って売ったら二回課税されるのか」(中央経済社2020)
酒井克彦「プログレッシブ税務会計論」(中央経済社2018)
「新 実務家のための税務相談(民法編) 第2版」(有斐閣2020)
伊藤滋夫編「租税訴訟における要件事実論の展開」(青林書院2016)
佐藤英明「スタンダード所得税法 第2版補正2版」(弘文堂2020)
浅妻章如,酒井貴子「租税法」(日本評論社2020)

【アクティブ・ラーニング】
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民1)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民2)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民3)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民4)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民5)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民6)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民まとめ)

【税務】
あるべき税理士
肩たたき券取引と税務
税金(国税)の納付の仕方(いろいろ)
税金(地方税)の納付の仕方(いまいち)
税金(地方税)の納付の仕方(前進)

【法人税法】
税務における事前判断と事後判断 〜所得拡大促進税制の適否判定(また改正するので)
ふたりはプリキュア(後日テコ入れで増員) 〜グループ法人税制のおさらい〜
武器としての所得拡大促進税制 〜労働者にとっての。
ここがヘンだよ所得拡大促進税制 〜委任命令におけるゆらぎとひずみ
さらば所得拡大促進税制(Arrivederci) 〜評判良ければ続くやつ
みんな大好き!倒産防。 〜措置法解釈手習い
「定期同額給与」のパンドラ(やめときゃよかった)
西村美智子 中島礼子「組織再編税制で誤りやすいケース35」(中央経済社2020)
未払決算賞与の損金算入時期と、なんちゃって私法準拠の弊害
珍奇な新規 〜人材確保等促進税制における「国内新規雇用者」について(令和3年度税制改正)
珍奇な新規(続) 〜『人材確保等促進税制御利用ガイドブック(令和3年5月31日公表版)』
留保金課税における資本金基準と株主構成基準の交錯
非適格は「非適格である」であって「適格でない」ではない 〜組織再編税制

【所得税法】
色々な壁の話し(配偶者控除・配偶者特別控除)2018ver.
年末調整H29
社員割引
出張手当は節税になるのか?
支払調書における「支払金額」(支払の確定した金額)について
利子・配当・譲渡所得の課税方式の選択について(2020.2.24現在)
支払調書における「支払金額」(支払の確定した金額)について【追補】
さよなら「権利確定主義」(その1) 〜事業所得と給与所得
さよなら「権利確定主義」(その2) 〜不動産所得
さよなら「権利確定主義」(その3) 〜譲渡所得
さよなら「権利確定主義」(その4) 〜違法所得
「生活に通常必要な動産」で「生活に通常必要でない動産」
サラリーマンマイカー訴訟 〜生活に通常必要でも必要でなくもない資産
伊藤滋夫ほか「要件事実で構成する所得税法」(中央経済社2019)
どこまでも追いかけてくる、夜の月のように 〜租税回避チャレンジ

【消費税法】
消費税、免税とるって大変よ、という話(2018.1.11現在のルール)。
特定新規設立法人のインフィニティ感
引けない消費税 〜リバースチャージと控除対象外消費税

【相続税法】
パラドキシカル同居 〜或いは税務シュレディンガーの○○
イタチ、巻き込み。 〜家なき子特例の平成30年改正
ヤバイ同居 〜続・家なき子特例の平成30年改正
関場修 山口暁弘「小規模宅地等の評価減の実務 第4版」(中央経済社2018)
タックスアンサーの中の譲歩と抵抗 〜小規模宅地等の特例を素材に
「要件書き込み」は趣旨解釈を駆逐する。〜小規模宅地等の特例を素材に
オーバーホール租税法・序論 〜小規模宅地等の特例を素材に
白井一馬「小規模宅地等の特例」(中央経済社2020)
僕たちは!出戻り保護要件です!! 〜家なき子特例の趣旨探訪1
ぼくたちは出戻り保護ができない。 〜家なき子特例の趣旨探訪2
あの日見た特例の趣旨を僕達はまだ知らない。 〜家なき子特例の趣旨探訪3(完)
タックスアンサー学習帳 〜やっててよかったTA式

【印紙税法】
私法の一般法とかいってふんぞり返っているわりに、隙だらけ。〜契約の成立と印紙税法
Janusの委任 〜成果報酬型委任と印紙税法
続・契約の成立と印紙税法(法適用通則法がこちらをみている)
続々・契約の成立と印紙税法(代理法がこちらをみている)
さよなら契約の成立と印紙税法 (結局いつもひとり)
魔界の王子と契約の成立と印紙税法
二段の推定と契約の成立と印紙税法 〜印紙税法における実体法と手続法の交錯
おかわり契約の成立と印紙税法(法人法がこちらをみている)

【地方税法】
無償減資で均等割下げ(節税系の記事ではなく)

【国際租税法】
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その1)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その2)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その3)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その4)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その5)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その6)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その7)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その8)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その9)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その10)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その11)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その12)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(まとめ)
井上康一・仲谷栄一郎「租税条約と国内税法の交錯 第2版」(商事法務2011)

【会計】
財務分析総論 〜稼ぐ、彼女の如く。
金子智朗「経営分析の超入門講座」(秀和システム2012)

【基礎法学】
「ポケット六法」は総合事項索引を倒さないと本体に攻撃が通らない 〜事項索引 de 勉強法
「法律学小辞典」の「小」は「小スキピオ」の「小」
ホッブズ「リヴァイアサン」 〜彼の設定厨。
田中成明ほか「法思想史」(有斐閣1997)
判例の機能的考察(タイトル倒れ)
ロジカルシンキングによる試験問題おイジり学習法
法律解釈のフローチャート(助走編)
フローチャートで遊ぼう。 〜フローチャート総論
フローチャートを作ろう(その1) 〜文理解釈(付・反対解釈)
フローチャートを作ろう(その2) 〜定義付け解釈
フローチャートを作ろう(その3) 〜縮小解釈(縮小系)
フローチャートを作ろう(その4) 〜拡大解釈(拡大系)
フローチャートを作ろう(その5) 〜慣習法
フローチャートを作ろう(その6) 〜判例法

【民法】
潮見佳男「新債権総論1・2(法律学の森)」(信山社 2017)
潮見佳男「基本講義 債権各論1 契約法・事務管理・不当利得」(新世社2017)
ユーのネームは。 〜「新注釈民法」と私
前田達明「続・民法学の展開 (民法研究 第三巻)」(成文堂2017)
潮見佳男「詳解 相続法」(弘文堂2018)
平井宜雄「債権各論I上 契約総論」(弘文堂2008)
内田勝一「借地借家法案内」(勁草書房2017)
米倉明「プレップ民法(第5版)」(弘文堂2018)
池田真朗「スタートライン債権法(第7版)」(日本評論社2020)
窪田充見「家族法 第4版」(有斐閣2019)
時効の中断・停止から時効の完成猶予・更新へ
ドキッ!?ドグマだらけの民法改正
どんな子にも親に内緒のコトがある。 〜民法98条の2の謎に迫る(迫れていない)
後藤巻則「契約法講義」(弘文堂2017)
加賀山茂「求められる改正民法の教え方」(信山社2019)
内田貴「民法3(第4版)債権総論・担保物権」(東京大学出版会2020)
金井高志「民法でみる法律学習法 第2版」(日本評論社2021)

【会社法・商法】
前田庸「手形法・小切手法入門」(有斐閣 1983)
川口恭弘「金融商品取引法への誘い」(有斐閣2018)
近藤光男「商法総則・商行為法 第8版」(有斐閣2019)
関俊彦「商法総論総則」(有斐閣2006)
小塚荘一郎,森田果「支払決済法 第3版」(商事法務2018)
高橋美加ほか「会社法(第3版)」 (弘文堂2020) 〜付・税理士と会社法の教科書
大垣尚司「金融から学ぶ会社法入門」(勁草書房2017)
大塚英明ほか「商法総則・商行為法 第3版」(有斐閣2019)

【労働法】
あえて言おう!カスであると!(被用者・応募者側からみたみなし残業代)
下井隆史「労働基準法 第5版」(有斐閣2019)

【民事訴訟法】
新堂幸司「民事訴訟制度の役割」(有斐閣1993)
新堂幸司「新民事訴訟法 第6版」(弘文堂2019) 〜付・民事訴訟法と税理士

【知的財産法】
システム開発における先行者利益について
田村善之「知財の理論」(有斐閣2019)

【破産法】
小林秀之「破産から新民法がみえる」(日本評論社 2018)
美人若女将連続バラバラ租税債権 〜犯人は破産法

【憲法】
大島 義則「憲法ガール Remake Edition」(法律文化社 2018) 〜あわよくばSuccubus。
戸松秀典「憲法」(弘文堂 2015)
ミシェル・トロペール(南野森訳)「リアリズムの法解釈理論」(勁草書房2013)

【行政法】
大橋 洋一「社会とつながる行政法入門」(有斐閣2017)
高木光「行政法」(有斐閣2015)
原田尚彦「行政法要論(全訂第七版補訂二版)」(学陽書房2012)
遠藤博也「行政法スケッチ」(有斐閣1987)

【刑法】
井田良「入門刑法学・総論」(有斐閣2018)ほか
井田良「講義刑法学・総論 第2版」(有斐閣2018)
井田良「講義刑法学・各論 第2版」(有斐閣2020)
辰井聡子「因果関係論」(有斐閣2006)
裁判所職員総合研修所「刑法総論講義案 (四訂版)」(司法協会2016)
松澤伸「機能主義刑法学の理論―デンマーク刑法学の思想」(信山社2001)
安田拓人ほか「ひとりで学ぶ刑法」(有斐閣2015)
小林憲太郎「ライブ講義 刑法入門」(新世社2016)
藤木英雄「公害犯罪」(東京大学出版会1975)
井田良「犯罪論の現在と目的的行為論」(成文堂1996)
橋爪隆「刑法総論の悩みどころ」(有斐閣2020)

【国際私法】
視野を広げるための、国際私法
多層的請求権競合論と、メロンの美味しいところだけいただく感じの。
野村美明「新・ケースで学ぶ国際私法」(法律文化社2020)
多田望ほか「国際私法 (有斐閣ストゥディア)」 (有斐閣2021)
法適用通則法5条と35条における連動と非連動 〜法律学習フローチャート各論
双方的要件は準拠実質法を駆逐する。 〜婚姻成立の準拠法

【弁護士と税理士】
弁護士事務所と税理士事務所(似ていない)

【酒撮り】
東洋美人(一番纏 純米大吟醸)【山口】
雄町(天吹・純米吟醸)+ 愛山(天吹・大吟醸)【佐賀】
夢+叶(東薫大吟醸)【千葉】
寿 満寿泉(大吟醸)【富山】
夢穂波(大吟醸)【岩手】
獺祭(純米大吟醸 磨き二割三分)【山口】
浜千鳥(純米大吟醸)【岩手】

【ガジェット】
Logicool G105(ゲーミングキーボード)
Logicool G300s(ゲーミングマウス)
刷り込み−会計ソフトの選び方
開放感−そして携帯端末の思ひ出
架空の思い出 −私とテレビゲームの。
ジオンはあと10年は戦える
モニ旅。 〜ぼくのPCモニター遍歴
Logicool G910R(ゲーミングキーボード)

【メンタル】
メンタル・ロック(mental lock)
「俺がガンダムだ!」
あなたの動機はどこから?
あなたは仕事に何を求めているのか。

【音楽と私】
チェリビダッケ&ミュンヘン・フィル/ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調
シューリヒト&ウィーン・フィル/ブルックナー: 交響曲第9番
カイルベルト&ベルリン・フィル/ブルックナー:交響曲第9番
三上ちさこ「I AM Ready!」 〜付・音楽と私

【日記】
神宮詣
定規か電卓か、いや定規と電卓だ。
俺のいちごミルクフォルダが火を噴くぜ 2017
なぜ吸血鬼は自分の血を吸わないのか。 〜AI時代の吸血士のための生存戦略セミナー
ブログURL変更しましたのお知らせ
俺のいちごミルクフォルダが火を噴くぜ 2018
ネット古書店 購入お作法(含、小トラブルご報告)
俺のいちごミルクフォルダが火を噴くぜ 2019

【事務所案内】
はじめに
事務所名について
税理士事務所(個人)と株式会社の関係について
はじめます!!!
会社名の由来
なんでブログを書いているの?
サービスと対価(税理士報酬の場合)
圧倒的インプット
押収品
私たちのファームに新しいクルーがジョインしてくれました!!!!!!
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2021年12月31日

供え本(法学体系書編)

 「供え本」(そなえぼん)とは、読まなくてもよいからさしあたり書棚にお供え(備え)しておきなさい、という本です。

 一度も開かないまま、改訂版が出ても逐一悲しまない(繰り返し経験済み)。
 むしろ改訂版を出してくれたことを喜びましょう。
 持っててよかった、と思うときがくるかもしれないし。 

 ラインナップ、万人向けと個人的嗜好との葛藤が垣間見えるかもしれません。

【憲法】
戸松秀典「憲法 」(弘文堂2015)

【行政法】
宇賀克也「行政法概説1 第7版」(有斐閣2020)
宇賀克也「行政法概説2 第7版」(有斐閣2021)
宇賀克也「行政法概説3 第5版」(有斐閣2019)
宇賀克也「地方自治法概説 第9版」(有斐閣2021)
藤田宙靖「新版 行政法総論 上巻 」(青林書院2020)
藤田宙靖「新版 行政法総論 下巻 」(青林書院2020)

【民法】
中田裕康「債権総論 第4版」(岩波書店2020)
中田裕康「契約法 新版」(有斐閣2021)
奥田昌道,佐々木茂美「新版 債権総論 上巻 」(判例タイムズ社2020)
奥田昌道,佐々木茂美「新版 債権総論 中巻 」(判例タイムズ社2021)

【会社法・商法】
江頭憲治郎「株式会社法 第8版」(有斐閣2021)
田中亘「会社法 第3版」(東京大学出版会2021)
江頭憲治郎「商取引法 第8版」(弘文堂2018)
黒沼悦郎「金融商品取引法 第2版」(有斐閣2020)

【民事手続法】
伊藤眞「民事訴訟法 第7版」(有斐閣2020)
新堂幸司「新民事訴訟法 第6版」(弘文堂2019)
中野 貞一郎,下村 正明 「民事執行法 改訂版」(青林書院2021)


【倒産法】
伊藤眞「破産法・民事再生法 第4版」(有斐閣2018)
伊藤眞「会社更生法・特別清算法 」(有斐閣2020)

【刑法】
裁判所職員総合研修所「刑法総論講義案 四訂版」(司法協会2018)
西田典之,橋爪隆「刑法各論 第7版」(弘文堂2018)

【刑事手続法】
酒巻匡「刑事訴訟法 第2版」(有斐閣2020)
三井誠,酒巻匡「入門刑事手続法 第8版」(有斐閣2020)

【租税法】
金子宏「租税法 第23版」(弘文堂2019)

【労働法】
菅野和夫「労働法 第12版」(弘文堂2019)

【知的財産法】
中山信弘「著作権法 第3版」(有斐閣2020)
中山信弘「特許法 第4版」(弘文堂2019)

【独占禁止法】
白石忠志「独占禁止法 第3版」(有斐閣2016)

【信託法】
新井誠「信託法 第4版」(有斐閣2014)
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2021年09月20日

どこまでも追いかけてくる、夜の月のように 〜租税回避チャレンジ

 スピンオフ第4弾、今回は「租税回避」について。

浅妻章如,酒井貴子「租税法」(日本評論社2020)
留保金課税における資本金基準と株主構成基準の交錯
非適格は「非適格である」であって「適格でない」ではない 〜組織再編税制
引けない消費税 〜リバースチャージと控除対象外消費税

 本書で「例2」として挙げられているものを要約します。

 ・甲土地 A所有 取得費3億円 時価9億円
 ・A⇒B 甲土地 賃貸(無期限) 地代年1億円
 ・B⇒A 金銭9億円 貸付(無期限) 利息年1億円
 ・AB 毎年1億円の支払債務は相殺。

 これは、所得税法33条1項のカッコ書きがなければ譲渡所得を回避できたはずの例として挙げられています。で、譲渡所得を回避しながら譲渡したのと同じ状態を実現できているだろうと。

 その限りではまあそうなんですけども、ちゃんと回避しきれているのか疑問があります。当たり前のことですが、所得税は「譲渡所得」だけで構成されているわけではないからです。

 以下、順番に考えてみます(課税庁による法律構成の引き直しはされない前提で)。


 まずAは、地代収入を「不動産所得」としなければなりません。支払利息とぶつけられるんじゃないの、と思うかもしれませんが、この例では「たまたま」金銭を借りているだけなので、不動産所得の必要経費にはなりません。
 事業所得あたりの必要経費にでもして損益通算を狙っているのでしょうか。が、当該事業で借りる必要性がなければ家事費扱いになってしまうでしょう。

 また、Bも受取利息を「雑所得」としなければなりません。支払地代を金銭貸付の必要経費とするのは、さすがに難しい。
 そうすると、その土地を活用した事業でも創設して、事業所得か不動産所得の必要経費として損益通算することになるのでしょうか。

 このように、目先の譲渡所得6億円を回避しようとすると、「無限に」年1億円の不動産所得+年1億円の雑所得が発生してしまうということです。これを消すためには、他の所得を発生させた上で支払利息・支払地代を当該所得の必要経費にして損益通算ルートでぶつける必要がでてきます。

 目先の所得を消しても他の所得がでてきてと、イタチごっこ的に次々と別の所得が出てきてしまうような気がします。


 ここがまさに、所得税法が所得を類型ごとに区分していることの妙味です。そして「包括的所得概念」的な発想では、いかに現行所得税法をあるがままに記述できないかの証左でもあります。
 学理的にはともかく、現行所得税法を色眼鏡なしに理解するためには、《包括的所得脳》は一旦脇に置いておくべきだと思います。

 よくよく考えると、「包括的」といえるのは「収入」面だけはないかと。

  ア あらゆるプラスが収入になる 《包括的収入概念》
  イ あらゆるマイナスが経費になる 《包括的経費概念》
  ウ あらゆるプラス・マイナスが通算できる 《包括的通算概念》

 雑所得のようなバスケットカテゴリーがあることによって、プラスはほとんど所得税に取り込まれることになっています。他方で、マイナスは、控除できるものが所得類型ごとにバラバラです。
 さらに通算ルールとなると、肝心の雑所得のマイナスが通算の対象にならないなど、包括的所得概念にとっては、かなり致命的なルール設定となっています。

 と、包括的といえるのはせいぜい収入までであって、それ以外の箇所を包括的だというのは、現行所得税法とは違う何かについて語っているにすぎません。
 それが標準的な説明の仕方だとしても、租税法の学習者にむけて包括的所得概念をもって現行所得税法の説明をしようとするの、良心が傷まないのだろうかと。

 この点、藤田宙靖先生の行政法の教科書のように、「法律による行政の原理」を偏差をはかるための『ものさし』とする、という使い方なら理解できます。



藤田宙靖 新版 行政法総論 上巻 青林書院2020
藤田宙靖 新版 行政法総論 下巻 青林書院2020 

 モデルとしての包括的所得概念を「ものさし」としながら、現行所得税法がこれとどのくらいの偏差があるかを見ていくと。

 逆説的ですが、所得は単なる《差額概念》にすぎないと位置づけた上で、なるべく所得という言葉を使わずに現行所得税法を勉強したほうが、正確な理解ができるかもしれない(所得における差額説)。


 この事例、単に譲渡所得回避の試み事例としてだけで使うのはもったいない。

 ではなくて、所得税法が複数の所得類型によって課税範囲をカバーしていてそう簡単には抜け出せないことや、他方で各所得類型ごとに課税のされ方がバラついていることといった、「所得税法の課税構造」を具体的に学ぶための事例として活かしたほうがよさそうです。


 現行法ではカッコ書き(以下「譲渡()」といいます)があるから、本事例の借地権の設定も当然に「譲渡」となるかと思いきや、そう単純な話ではありません。

 ここででてくるのが、いわゆる『借地権課税』。

 本事例においても、権利金の支払いがないから譲渡にならないのか、あるいは借入金9億円が権利金と評価されることにならないか、借入が「特別の経済的利益」とならないかなどなど、検討すべき事項が複数あります。ただ単に借地契約をしただけで、当然に「譲渡()」に該当するわけではありません。譲渡としての実態を備えた借地権の設定である必要があります。

 譲渡のつもりで借地権を設定したのに、余計な取引を追加したせいで譲渡に該当しないこととなって余計な所得税が発生してしまう、という事態も考えられます。譲渡所得が常に忌むべき・回避すべき対象とは限りません。
 他の所得で課税されるくらいならば譲渡所得のほうがまし、という場面は少なからずあるでしょう。


 所得税法だとややこしいことになるなら、当事者が「法人」にしたらどうか、ということを考えるかもしれません。

 確かに法人なら、上記のような所得類型ごとにどうたら、みたいな話はありません(包括的所得思考の復権)。が、法人の場合は、借地権の認定課税をはじめ『借地権課税』の問題が個人以上にシビアになってきます。下手をすると、Aが寄付金課税、Bが権利金課税をされることもありえます。
 ので、こちらもそうすんなり回避できるようなものではありません。


 以上のことから、『租税回避』というのは、単に目先の課税を逃れて終わるものではなく、どの所得類型・税目にも当てはまらないように立ち回れた先にあるもの、ということがわかります。
 そこまで到達してはじめて、課税庁に租税回避チャレンジをかますことができるんだと。

 我々は、租税回避チャレンジ事案(の判決)をみて、後知恵的にあれこれ文句をつけがちです。が、やはりファーストペンギンに対する敬意というのは、忘れてはいけないのでしょう。

 ちなみに、この『借地権課税』の問題、租税法学習の素材として最適ではないかと思います。
 というのも、次のような特徴があるからです。

 ・租税法を勉強しようとする段階の人であれば「借地借家法」の知識はあるはず。会社法の教科書レベルの知識で「組織再編税制」に挑むよりは、ハードルは低めです。
 ・比較的単純な取引で社会人経験のない学生さんでも想像しやすい(組織再編以下略)。
 ・所得税法・法人税法・相続税法が絡んできて、それぞれの課税スタンスが理解しやすい。

 本書が「年金二重課税問題」(所得税法×相続税法)をやたら詳しく論じているのと同じノリで、借地権課税も詳しく論じたらいいんじゃないですかね。


 以上でスピンオフ記事、終了となります。

 が、より勉強が進めば他にも指摘すべき事項があるかもしれません。ある程度勉強が進んでからまた戻ってきたいと思います。
 
posted by ウロ at 09:49| Comment(0) | 所得税法

2021年09月13日

引けない消費税 〜リバースチャージと控除対象外消費税

 スピンオフ第3弾。

浅妻章如,酒井貴子「租税法」(日本評論社2020)
留保金課税における資本金基準と株主構成基準の交錯
非適格は「非適格である」であって「適格でない」ではない 〜組織再編税制

 今回は「リバースチャージ」について(156頁〜)。

国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税関係について(国税庁)


 越境役務提供につき、本書では消費者向けと事業者向けとで扱いが異なる理由がわかりやすく説明されています。

 なんですが、リバースチャージをとるべき例として挙げられているもの、初学者には一読して理解しにくいかもしれません。これも制度説明とあてはめが一対一対応していない(あてはめ側が多い)、という問題です。

 補足をしてみます(数字の前が本体、後が消費税です)。

1 国外仕入(リバースチャージ無し)
  900  0 非課税売上
  600  0 国外仕入

2 国内仕入
  900  0 非課税売上
  600 60 国内仕入

 1と比べて2が消費税分不利になっていると。
 そこで、輸入者に消費税を負担させることで、1と同じ状態に引きずり下ろすと。

3 国外仕入(リバースチャージ有り)
  900  0 非課税売上
  600 60 国外仕入(リバースチャージ)

 ガチの初学者であれば、さしあたりこれだけで納得できそうです。単純に足し算引き算すれば同じ数字になるので。
 が、複式簿記の知識がある人だと、リバースチャージ60をどうやって仕訳するのか悩むかもしれません。

【中級者の罠】
未払決算賞与の損金算入時期と、なんちゃって私法準拠の弊害

 ?/未払消費税 60 

 左側(借方)は何なんだと。
 もしこれが「仮払消費税」だとすると、申告時に精算されてしまってリバースチャージを負担させた意味がないように思ってしまいます。

 仮払消費税/未払消費税 60

4 国外仕入(リバースチャージ有り)
  900  0 非課税売上
  600 60 国外仕入(リバースチャージ)
    △60 精算?

 ではなく、2の60も3の60も、いずれも「控除対象外消費税」として費用(損金)扱いとなるので(非課税売上対応仕入)、足並みが揃うということでしょう(科目名は便宜的に)。

 控除対象外消費税(費用)/未払消費税 60

 ここで、本書には出てこない「控除対象外消費税」「非課税売上対応仕入」という用語がでてきたとおり、これら概念を知らなければ、この事例のあてはめをちゃんと理解することができません。

 当該書籍に記載されていることが、当該書籍に記載されていることでは理解できないというのは、初学者にとってはかなりのストレス。自分の理解不足のせいなのか、それとも当該書籍が記述不足なだけなのか判断がつかないわけで。
 真面目な人なら、自分の理解不足だと思って当該(記述不足な)箇所を何度も何度も読んでしまうことになるでしょう。


 なお、現行法でリバースチャージしないといけないのは、「課税売上割合95%未満」の「課税事業者」に限られています。
 ので、取引先がほとんど教育機関であるような「免税事業者」であれば、リバースチャージ無しの国外仕入への誘引があることになります。

 また、「課税売上割合95%以上」の課税事業者で「個別対応方式」を採用している場合も、非課税売上対応仕入に関してはリバースチャージ無しの国外仕入が望ましいということになります。


 ただし、これらはあくまでも現行の日本法を前提とした話です。
 本書のつもりとしては、《理念》としてのリバースチャージを記述しているのであって、そんな細かい話をするつもりはない、ということかもしれません。

 が、消費税のことを「もらった消費税と払った消費税の差額を納付する」という限度で理解している人にとっては、ここの記述は意味不明なはずです。何でもかんでも盛り込むのは無理だとしても、少なくとも本書の記述を理解するのに必要な項目は記述しておいてほしい。

 勉強が進んでくると、記述不足な本であっても、オートモードが勝手に起動して記述を補って読んでしまいがちです。そうすると、論述が飛んでて初学者には理解できない、といった箇所に気づかなかったりします。
 私自身も、入門書評をするにあたってはそれなりに気をつけているものの、ガチの初学者と同じ目線で、というのはさすがに無理かもしれません。

 さて、次回は「租税回避」についての予定です。

どこまでも追いかけてくる、夜の月のように 〜租税回避チャレンジ
posted by ウロ at 10:29| Comment(0) | 消費税法

2021年09月06日

非適格は「非適格である」であって「適格でない」ではない 〜組織再編税制

 スピンオフ第2弾、今回は「組織再編税制」について(138頁〜)。

浅妻章如,酒井貴子「租税法」(日本評論社2020)
留保金課税における資本金基準と株主構成基準の交錯


 「組織再編税制の立法趣旨」という項目で政府税調の『基本的考え方』の記述が引用されています。
 類書も大体そうなんですが、なぜかこの項目のときだけ税調のご意見を引用するのがお決まりのパターンになっているようです。

 が、立法趣旨と立案者意思とを安易に同一視すべきでない、ということは以前も論じたとおりです。

アレオレ租税法 〜立案者意思は立法者意思か?

 とはいえ、同一視する高裁判決が実在しているわけで、もはや同一視しないほうが異端なんですかね。

横流しする趣旨解釈(TPR事件・東京高裁令和元年12月11日判決)

 まだ最高裁が残されているものの、この手の趣旨解釈は残念ながら最高裁でも安易に受け入れられがち、というのが私の見立て。
 どの教科書・解説書も横並びで税調のご意見=立法趣旨と見做してしまっている状況において、「ここがヘンだよ私以外!」と叫んだところで、徒労なのかもしれない。


 「次に示す適格要件等を満たせばある組織再編成が適格と判断され、課税繰延が認められる。」(138頁)

 本書でも「適格外し」のことが書かれているとおり、適格組織再編成は「課税繰延」(利益先送り)となるだけでなく「損失先送り」としても機能します。
 そして、適格要件に該当する以上は問答無用で簿価移転としなければならないので、「認められる」というのは表現として不正確。

 ・適格 :簿価強制
 ・非適格:時価強制

 どちらかが原則でどちらかが例外、ということでもありません。
 もちろん実態としては、「利益先送り」狙いで使われることが多いのかもしれません。が、まずは色眼鏡を外した状態からスタートすべきでしょう。

 前回記事のように結論反転させないかぎり、原則/例外で説明したって別にいいんじゃね、と思うかもしれません。ですが、原則/例外と表現することに私が危惧しているのは、次のような『要件事実論』を展開する輩が現れかねないからです。
 すなわち、

【適格/非適格要件の立証責任の分配(民事横流し系)】
 ・時価移転(非適格)が原則で簿価移転(適格)は例外。
 ・ゆえに、時価移転を主張する側は合併の事実を立証するのみで足りる。
 ・例外である簿価移転を主張する側が「適格要件を満たすこと」を立証しなければならない。
 ・適格要件が真偽不明となった場合は非適格と認定される。
 ・このように分配することは、消極的事実(適格でない)ではなく積極的事実(適格である)を負担させるべきという要件事実論の基本コンセプトにもかなう。

 いかにも要件事実論のお作法に従った綺麗な分配のように見えます。
 が、民事要件事実論の発想をそのまま税法へ横流してもよいのかは極めて疑問です。

 上記分配で「課税庁」「納税者」の特定をしていないことからも分かるとおり、適格/非適格のどちらが納税者有利/不利になるかは、局面によって入れ替わります。
 仮に、納税者が簿価移転を望む場合、上記分配によれば納税者が適格要件を立証しなければならず、立証に失敗した場合には時価移転の不利益を受けなければならないことになります。

 このような負担を納税者に負わせてもよいものなのかどうか、特に「真偽不明」でも非適格扱いとされるのがよいのか。原則非適格とする考えからすれば何の問題もない、となりそうですが、私には疑問です。
 「非適格=法人税法、適格=措置法」とでもなっていれば、まだありえたかもしれませんが、どちらも法人税法本法に収まっていますし。

 租税法の大原則からすれば、課税処分の適法性は課税庁が主張立証しなければならないはずです。この大原則からするならば、適格が適法性を基礎付けるならば適格を、非適格が適法性を基礎付けるならば非適格を、それぞれ課税庁が主張立証する、とすべきでしょう。
 が、「課税要件事実論に詳しい」みたいな人たちは、いかにも上記の民事横流し系の分配論を展開しそうです。これは穿った見方でしょうか。

 例の奇妙な課税要件事実論が、誰からも批判されることなく放置されている現状からして、租税法学における要件事実論の受容というのが、未だ満足に行われていないのではないか、というのが、極めて個人的な私の見立てです。

伊藤滋夫ほか「要件事実で構成する所得税法」(中央経済社2019)


 「完全支配関係とは、一の者の法人の発行済株式等の全てを直接または間接に保有する関係をいう」(139頁)

 条文上の定義を、親切心でわかりやすく簡略にしただけ、のつもりかもしれません。
 が、完全支配関係には、親子孫関係(縦)だけでなく兄弟姉妹(横)の関係もあることが、記述から抜け落ちてしまっています。

法人税法2条
 十二の七の六 完全支配関係 一の者が法人の発行済株式等の全部を直接若しくは間接に保有する関係として政令で定める関係(以下この号において「当事者間の完全支配の関係」という。)又は一の者との間に当事者間の完全支配の関係がある法人相互の関係をいう。


 条文でいうところの後段が削られてしまっているということです。
 そして、横の関係の場合には適格要件として「株式継続保有要件」が要求されるわけですが、このことが抜け落ちてしまっています。

 例の「見込み」(⇒法的安定性?)のやつです。

中里実ほか『租税法概説 第3版』(有斐閣2018)

 なんの考えもなしに条文引き写ししておけば間違えずに済んだのに、という前回と同じ類の間違い。


「ここで注意深い読者なら、株式継続保有要件を満たす必要のない場合、投資の継続と支配の継続の両方がなく、課税繰延を認める理由がないのではと冴るかもしれない。共同事業要件の存在は、合併前後における事業の継続性や関連性の存在から経済実体の不変更とみるか、または、「選択と集中」を支持する産業政策の要請によるとみるしかないであろう。」(140頁・共同事業要件)

 なぜ、「みるしかないであろう」などという、仕方ない感溢れる物言いをしているのでしょうか。これは、政府税調の『基本的考え方』を立法趣旨と同一視することからくるものでしょう。
 しかし、実際にできあがった制度の個別要件からスタートして解釈するのであれば、こういう評価にはならないはずです。現行法が実際に要求している要件が『基本的考え方』にそぐわないのであれば、それは『基本的考え方』のほうが現行法にそった内容になっていないと評価すべきでしょうよ。

  × 基本的考え方 → 現行法 (基本的考え方のとおり条文化されていないのは不当)

  ○ 基本的考え方 ← 現行法 (現行法で実現していない基本的考え方は通用しない)


 引用は省略しますが、欠損金引継ぎの具体例として、被合併法人T・合併法人Aとも支配関係成立前の欠損金は引き継げないが、成立後の欠損金は引き継げるという例があげられています(141頁)。

 が、支配関係成立前後で取り扱いが変わることが、その前の段落の制度説明の箇所に記述されていません。ので、なぜ支配関係成立前後で帰結が変わるのか、さっぱり理解できないでしょう。

 本書は、数値を含んだ事例での解説が豊富なので、理解しやすいところは非常に理解しやすいです。が、このように制度説明とあてはめの対応関係が欠落しているところがあったりします。

      類書  本書
 制度説明 多い  少ない
 具体例  少ない 多い

 なんですか、コモンロー的に事例(だけ)で理解しようぜ、ってことですか、租税法なのに。

 また、合併法人Aの欠損金も「引き継げる」と表現されていますが、AはAの欠損金を制限なしにそのまま使えるということであって、他社から引き継ぐものではありません。ここも、正確に言葉を使いわけましょう、という問題です。

 次回はスピンオフ第3弾、「リバースチャージ」についてです。

引けない消費税 〜リバースチャージと控除対象外消費税
どこまでも追いかけてくる、夜の月のように 〜租税回避チャレンジ
posted by ウロ at 09:42| Comment(0) | 法人税法