2025年12月31日

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265記事

【日常系税務リーガルマインド】
税理士だって日常系税務でリーガルマインドを実践したい!
親族概念の、いてもいなくてもどっちでもいい奴感
森田宏樹「契約責任の帰責構造」(有斐閣2002) 〜印紙税法における「結果債務・手段債務論」の活用 
内面重視 〜ブログタイトル変更しましたのお知らせ
「リーガルマインドとは何か?」
税法・民法における行為規範と裁判規範(その1)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その2)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その3)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その4)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その5)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その6)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その7)
からくりサーカス租税法 〜文言解釈VS趣旨解釈、そして借用概念論へ
アレオレ租税法 〜立案者意思は立法者意思か?

【判例イジり】
解釈の解釈を解釈する(free rider) 〜東京高裁平成30年7月19日判決
加算税をめぐる国送法と国税通則法の交錯(平成29年9月1日裁決)
解釈の解釈の終わり? 〜さらば東京高裁平成30年7月19日判決
横流しする趣旨解釈(TPR事件・東京高裁令和元年12月11日判決)
解釈の解釈は終わりました。〜最高裁令和2年3月24日判決【判例速報】
解釈の解釈の介錯 〜最高裁令和2年3月24日判決
税務訴訟におけるゴリ押しVS誉めごろし 〜税務トロイの木馬(Tax Trojan Horse)

【法律書マニアクス】
供え本(法学体系書編)
石田穣「民法総則」(悠々社1992・信山社2014)
人類は、差異を産み育むことでマニアとなる。 〜法律書マニアクス全開
潮見佳男「民法(全) 第2版」(有斐閣 2019)
法学研究書考 〜部門別損益分析論
積読ループ
「法律学大系」(有斐閣) 〜或るstalk。
白石忠志「技術と競争の法的構造」(有斐閣1994)
最近の気になる本

【法学入門書探訪】
横田明美「カフェパウゼで法学を―対話で見つける〈学び方〉」(弘文堂2018)
大屋雄裕「裁判の原点:社会を動かす法学入門」(河出書房新社2018)
道垣内正人「自分で考えるちょっと違った法学入門 第4版」(有斐閣2019)
団藤重光「法学の基礎」(有斐閣2007)
伊藤正己「近代法の常識」(有信堂1992)
南野森「ブリッジブック法学入門(第2版)」(信山社2013)
太田勝造「AI時代の法学入門 学際的アプローチ」(弘文堂2020)
南野森「法学の世界」(日本評論社2019)
森田果「法学を学ぶのはなぜ?」(有斐閣2020)
宍戸常寿・石川博康編「法学入門」(有斐閣2021)

【租税法の教科書】
税法思考が身につく、理想の教科書を求めて 〜終わりなき旅
金子宏・中里実「租税法と民法」(有斐閣2018)
中里実ほか「租税法概説 第4版」(有斐閣2021)
金子宏「租税法 第24版」(弘文堂2021)
岡村忠生ほか「租税法
第3版(有斐閣アルマ)」(有斐閣2021)

三木義一「よくわかる税法入門 第15版」(有斐閣2021)
渡辺徹也「スタンダード法人税法 第2版」(弘文堂2019)
田中二郎「租税法(第3版)」(有斐閣1990)
浅妻章如「ホームラン・ボールを拾って売ったら二回課税されるのか」(中央経済社2020)
酒井克彦「プログレッシブ税務会計論」(中央経済社2018)
「新 実務家のための税務相談(民法編) 第2版」(有斐閣2020)
伊藤滋夫編「租税訴訟における要件事実論の展開」(青林書院2016)
佐藤英明「スタンダード所得税法 第2版補正2版」(弘文堂2020)
浅妻章如,酒井貴子「租税法」(日本評論社2020)
租税法教科書における記述割合の変遷 〜金子宏「租税法」(弘文堂)を素材に。

【アクティブ・ラーニング】
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民1)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民2)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民3)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民4)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民5)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民6)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民まとめ)

【税務】
あるべき税理士
肩たたき券取引と税務
税金(国税)の納付の仕方(いろいろ)
税金(地方税)の納付の仕方(いまいち)
税金(地方税)の納付の仕方(前進)

【法人税法】
税務における事前判断と事後判断 〜所得拡大促進税制の適否判定(また改正するので)
ふたりはプリキュア(後日テコ入れで増員) 〜グループ法人税制のおさらい〜
武器としての所得拡大促進税制 〜労働者にとっての。
ここがヘンだよ所得拡大促進税制 〜委任命令におけるゆらぎとひずみ
さらば所得拡大促進税制(Arrivederci) 〜評判良ければ続くやつ
みんな大好き!倒産防。 〜措置法解釈手習い
「定期同額給与」のパンドラ(やめときゃよかった)
西村美智子 中島礼子「組織再編税制で誤りやすいケース35」(中央経済社2020)
未払決算賞与の損金算入時期と、なんちゃって私法準拠の弊害
珍奇な新規 〜人材確保等促進税制における「国内新規雇用者」について(令和3年度税制改正)
珍奇な新規(続) 〜『人材確保等促進税制御利用ガイドブック(令和3年5月31日公表版)』
留保金課税における資本金基準と株主構成基準の交錯
非適格は「非適格である」であって「適格でない」ではない 〜組織再編税制

【所得税法】
社員割引
出張手当は節税になるのか?
支払調書における「支払金額」(支払の確定した金額)について
利子・配当・譲渡所得の課税方式の選択について(2020.2.24現在)
支払調書における「支払金額」(支払の確定した金額)について【追補】
さよなら「権利確定主義」(その1) 〜事業所得と給与所得
さよなら「権利確定主義」(その2) 〜不動産所得
さよなら「権利確定主義」(その3) 〜譲渡所得
さよなら「権利確定主義」(その4) 〜違法所得
「生活に通常必要な動産」で「生活に通常必要でない動産」
サラリーマンマイカー訴訟 〜生活に通常必要でも必要でなくもない資産
伊藤滋夫ほか「要件事実で構成する所得税法」(中央経済社2019)
どこまでも追いかけてくる、夜の月のように 〜租税回避チャレンジ

【年末調整】
色々な壁の話し(配偶者控除・配偶者特別控除)2018ver.
年末調整H29
リーガルマインド年末調整(その1) 〜規範論的アプローチと類型論的アプローチの相克
リーガルマインド年末調整(その2) 〜規範論的アプローチと類型論的アプローチの相克
リーガルマインド年末調整(その3) 〜規範論的アプローチと類型論的アプローチの相克
リーガルマインド年末調整(その4) 〜規範論的アプローチと類型論的アプローチの相克
機能的年末調整論(その1) 〜年末調整と離婚(配偶者)
機能的年末調整論(その2) 〜年末調整と死別(配偶者)
機能的年末調整論(その3) 〜年末調整と結婚(子)
機能的年末調整論(その4) 〜年末調整と死別(子)
リーガルマインド法定調書合計表 〜規範論的アプローチと類型論的アプローチの相克

【消費税法】
消費税、免税とるって大変よ、という話(2018.1.11現在のルール)。
特定新規設立法人のインフィニティ感
引けない消費税 〜リバースチャージと控除対象外消費税

【相続税法】
パラドキシカル同居 〜或いは税務シュレディンガーの○○
イタチ、巻き込み。 〜家なき子特例の平成30年改正
ヤバイ同居 〜続・家なき子特例の平成30年改正
関場修 山口暁弘「小規模宅地等の評価減の実務 第4版」(中央経済社2018)
タックスアンサーの中の譲歩と抵抗 〜小規模宅地等の特例を素材に
「要件書き込み」は趣旨解釈を駆逐する。〜小規模宅地等の特例を素材に
オーバーホール租税法・序論 〜小規模宅地等の特例を素材に
白井一馬「小規模宅地等の特例」(中央経済社2020)
僕たちは!出戻り保護要件です!! 〜家なき子特例の趣旨探訪1
ぼくたちは出戻り保護ができない。 〜家なき子特例の趣旨探訪2
あの日見た特例の趣旨を僕達はまだ知らない。 〜家なき子特例の趣旨探訪3(完)
タックスアンサー学習帳 〜やっててよかったTA式

【印紙税法】
私法の一般法とかいってふんぞり返っているわりに、隙だらけ。〜契約の成立と印紙税法
Janusの委任 〜成果報酬型委任と印紙税法
続・契約の成立と印紙税法(法適用通則法がこちらをみている)
続々・契約の成立と印紙税法(代理法がこちらをみている)
さよなら契約の成立と印紙税法 (結局いつもひとり)
魔界の王子と契約の成立と印紙税法
二段の推定と契約の成立と印紙税法 〜印紙税法における実体法と手続法の交錯
おかわり契約の成立と印紙税法(法人法がこちらをみている)

【地方税法】
無償減資で均等割下げ(節税系の記事ではなく)
「合計所得金額」に退職所得は含まれるし含まれない。〜令和4年度税制改正大綱を素材に

【国際租税法】
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その1)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その2)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その3)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その4)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その5)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その6)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その7)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その8)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その9)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その10)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その11)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その12)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(まとめ)
井上康一・仲谷栄一郎「租税条約と国内税法の交錯 第2版」(商事法務2011)

【会計】
財務分析総論 〜稼ぐ、彼女の如く。
金子智朗「経営分析の超入門講座」(秀和システム2012)

【基礎法学】
「ポケット六法」は総合事項索引を倒さないと本体に攻撃が通らない 〜事項索引 de 勉強法
「法律学小辞典」の「小」は「小スキピオ」の「小」
ホッブズ「リヴァイアサン」 〜彼の設定厨。
田中成明ほか「法思想史」(有斐閣1997)
判例の機能的考察(タイトル倒れ)
ロジカルシンキングによる試験問題おイジり学習法
法律解釈のフローチャート(助走編)
フローチャートで遊ぼう。 〜フローチャート総論
フローチャートを作ろう(その1) 〜文理解釈(付・反対解釈)
フローチャートを作ろう(その2) 〜定義付け解釈
フローチャートを作ろう(その3) 〜縮小解釈(縮小系)
フローチャートを作ろう(その4) 〜拡大解釈(拡大系)
フローチャートを作ろう(その5) 〜慣習法
フローチャートを作ろう(その6) 〜判例法
法源の機能的考察

【民法】
潮見佳男「新債権総論1・2(法律学の森)」(信山社 2017)
潮見佳男「基本講義 債権各論1 契約法・事務管理・不当利得」(新世社2017)
ユーのネームは。 〜「新注釈民法」と私
前田達明「続・民法学の展開 (民法研究 第三巻)」(成文堂2017)
潮見佳男「詳解 相続法」(弘文堂2018)
平井宜雄「債権各論I上 契約総論」(弘文堂2008)
内田勝一「借地借家法案内」(勁草書房2017)
米倉明「プレップ民法(第5版)」(弘文堂2018)
池田真朗「スタートライン債権法(第7版)」(日本評論社2020)
窪田充見「家族法 第4版」(有斐閣2019)
時効の中断・停止から時効の完成猶予・更新へ
ドキッ!?ドグマだらけの民法改正
どんな子にも親に内緒のコトがある。 〜民法98条の2の謎に迫る(迫れていない)
後藤巻則「契約法講義」(弘文堂2017)
加賀山茂「求められる改正民法の教え方」(信山社2019)
内田貴「民法3(第4版)債権総論・担保物権」(東京大学出版会2020)
金井高志「民法でみる法律学習法 第2版」(日本評論社2021)

【会社法・商法】
前田庸「手形法・小切手法入門」(有斐閣 1983)
川口恭弘「金融商品取引法への誘い」(有斐閣2018)
近藤光男「商法総則・商行為法 第8版」(有斐閣2019)
関俊彦「商法総論総則」(有斐閣2006)
小塚荘一郎,森田果「支払決済法 第3版」(商事法務2018)
高橋美加ほか「会社法(第3版)」 (弘文堂2020) 〜付・税理士と会社法の教科書
大垣尚司「金融から学ぶ会社法入門」(勁草書房2017)
大塚英明ほか「商法総則・商行為法 第3版」(有斐閣2019)

【労働法】
あえて言おう!カスであると!(被用者・応募者側からみたみなし残業代)
下井隆史「労働基準法 第5版」(有斐閣2019)
零れ落ちるもの(その1) 〜NO 雇用契約 NO 労働契約
零れ落ちるもの(その2) 〜有期雇用契約と改正民法の経過措置
零れ落ちるもの(その3) 〜有期雇用解約ルール
零れ落ちるもの(その4) 〜無期雇用解約ルール
零れ落ちるもの(その5) 〜内定解約ルール
土田道夫「労働契約法 第2版」(有斐閣2016)

【民事訴訟法】
新堂幸司「民事訴訟制度の役割」(有斐閣1993)
新堂幸司「新民事訴訟法 第6版」(弘文堂2019) 〜付・民事訴訟法と税理士

【知的財産法】
システム開発における先行者利益について
田村善之「知財の理論」(有斐閣2019)

【破産法】
小林秀之「破産から新民法がみえる」(日本評論社 2018)
美人若女将連続バラバラ租税債権 〜犯人は破産法

【憲法】
大島 義則「憲法ガール Remake Edition」(法律文化社 2018) 〜あわよくばSuccubus。
戸松秀典「憲法」(弘文堂 2015)
ミシェル・トロペール(南野森訳)「リアリズムの法解釈理論」(勁草書房2013)

【行政法】
大橋 洋一「社会とつながる行政法入門 第2版」(有斐閣2021)
高木光「行政法」(有斐閣2015)
原田尚彦「行政法要論(全訂第七版補訂二版)」(学陽書房2012)
遠藤博也「行政法スケッチ」(有斐閣1987)

【刑法】
井田良「入門刑法学・総論」(有斐閣2018)ほか
井田良「講義刑法学・総論 第2版」(有斐閣2018)
井田良「講義刑法学・各論 第2版」(有斐閣2020)
辰井聡子「因果関係論」(有斐閣2006)
裁判所職員総合研修所「刑法総論講義案 (四訂版)」(司法協会2016)
松澤伸「機能主義刑法学の理論―デンマーク刑法学の思想」(信山社2001)
安田拓人ほか「ひとりで学ぶ刑法」(有斐閣2015)
小林憲太郎「ライブ講義 刑法入門」(新世社2016)
藤木英雄「公害犯罪」(東京大学出版会1975)
井田良「犯罪論の現在と目的的行為論」(成文堂1996)
橋爪隆「刑法総論の悩みどころ」(有斐閣2020)

【国際私法】
視野を広げるための、国際私法
多層的請求権競合論と、メロンの美味しいところだけいただく感じの。
野村美明「新・ケースで学ぶ国際私法」(法律文化社2020)
多田望ほか「国際私法 (有斐閣ストゥディア)」 (有斐閣2021)
法適用通則法5条と35条における連動と非連動 〜法律学習フローチャート各論
双方的要件は準拠実質法を駆逐する。 〜婚姻成立の準拠法

【弁護士と税理士】
弁護士事務所と税理士事務所(似ていない)

【酒撮り】
東洋美人(一番纏 純米大吟醸)【山口】
雄町(天吹・純米吟醸)+ 愛山(天吹・大吟醸)【佐賀】
夢+叶(東薫大吟醸)【千葉】
寿 満寿泉(大吟醸)【富山】
夢穂波(大吟醸)【岩手】
獺祭(純米大吟醸 磨き二割三分)【山口】
浜千鳥(純米大吟醸)【岩手】

【ガジェット】
Logicool G105(ゲーミングキーボード)
Logicool G300s(ゲーミングマウス)
刷り込み−会計ソフトの選び方
開放感−そして携帯端末の思ひ出
架空の思い出 −私とテレビゲームの。
ジオンはあと10年は戦える
モニ旅。 〜ぼくのPCモニター遍歴
Logicool G910R(ゲーミングキーボード)

【メンタル】
メンタル・ロック(mental lock)
「俺がガンダムだ!」
あなたの動機はどこから?
あなたは仕事に何を求めているのか。

【音楽と私】
チェリビダッケ&ミュンヘン・フィル/ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調
シューリヒト&ウィーン・フィル/ブルックナー: 交響曲第9番
カイルベルト&ベルリン・フィル/ブルックナー:交響曲第9番
三上ちさこ「I AM Ready!」 〜付・音楽と私

【日記】
神宮詣
定規か電卓か、いや定規と電卓だ。
俺のいちごミルクフォルダが火を噴くぜ 2017
なぜ吸血鬼は自分の血を吸わないのか。 〜AI時代の吸血士のための生存戦略セミナー
ブログURL変更しましたのお知らせ
俺のいちごミルクフォルダが火を噴くぜ 2018
ネット古書店 購入お作法(含、小トラブルご報告)
俺のいちごミルクフォルダが火を噴くぜ 2019

【事務所案内】
はじめに
事務所名について
税理士事務所(個人)と株式会社の関係について
はじめます!!!
会社名の由来
なんでブログを書いているの?
サービスと対価(税理士報酬の場合)
圧倒的インプット
押収品
私たちのファームに新しいクルーがジョインしてくれました!!!!!!
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2023年12月30日

供え本(法学体系書編)

 「供え本」(そなえぼん)とは、読まなくてもよいからさしあたり書棚にお供え(備え)しておきなさい、という本です。

 一度も開かないまま、改訂版が出ても逐一悲しまない(繰り返し経験済み)。
 むしろ改訂版を出してくれたことを喜びましょう。
 持っててよかった、と思うときがくるかもしれないし。 

 ラインナップ、万人向けと個人的嗜好との葛藤が垣間見えるかもしれません。

【憲法】
戸松秀典「憲法 」(弘文堂2015)

【行政法】
宇賀克也「行政法概説1 第7版」(有斐閣2020)
宇賀克也「行政法概説2 第7版」(有斐閣2021)
宇賀克也「行政法概説3 第5版」(有斐閣2019)
宇賀克也「地方自治法概説 第9版」(有斐閣2021)
藤田宙靖「新版 行政法総論 上巻 」(青林書院2020)
藤田宙靖「新版 行政法総論 下巻 」(青林書院2020)

【民法】
中田裕康「債権総論 第4版」(岩波書店2020)
中田裕康「契約法 新版」(有斐閣2021)
奥田昌道,佐々木茂美「新版 債権総論 上巻 」(判例タイムズ社2020)
奥田昌道,佐々木茂美「新版 債権総論 中巻 」(判例タイムズ社2021)

【会社法・商法】
江頭憲治郎「株式会社法 第8版」(有斐閣2021)
田中亘「会社法 第3版」(東京大学出版会2021)
江頭憲治郎「商取引法 第8版」(弘文堂2018)
黒沼悦郎「金融商品取引法 第2版」(有斐閣2020)

【民事手続法】
伊藤眞「民事訴訟法 第7版」(有斐閣2020)
新堂幸司「新民事訴訟法 第6版」(弘文堂2019)
中野 貞一郎,下村 正明 「民事執行法 改訂版」(青林書院2021)

【倒産法】
伊藤眞「破産法・民事再生法 第5版」(有斐閣2021)
伊藤眞「会社更生法・特別清算法 」(有斐閣2020)

【刑法】
裁判所職員総合研修所「刑法総論講義案 四訂版」(司法協会2018)
西田典之,橋爪隆「刑法各論 第7版」(弘文堂2018)

【刑事手続法】
酒巻匡「刑事訴訟法 第2版」(有斐閣2020)
三井誠,酒巻匡「入門刑事手続法 第8版」(有斐閣2020)

【租税法】
金子宏「租税法 第24版」(弘文堂2021)

【労働法】
菅野和夫「労働法 第12版」(弘文堂2019)
水町勇一郎「詳解 労働法 第2版」(東京大学出版会2021)

【知的財産法】
中山信弘「著作権法 第3版」(有斐閣2020)
中山信弘「特許法 第4版」(弘文堂2019)
加戸守行「著作権法逐条講義 七訂新版」(著作権情報センター2021)

【独占禁止法】
白石忠志「独占禁止法 第3版」(有斐閣2016)

【信託法】
新井誠「信託法 第4版」(有斐閣2014)
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2022年01月24日

土田道夫「労働契約法 第2版」(有斐閣2016)

 改訂チキンレースに打ち克つことができました。



 土田道夫「労働契約法 第2版」(有斐閣2016)

 「改訂チキンレース」とは、積読本に対し、通読が先か改訂版の出版が先かを競うものです。

 私がなぜ本書を購入していたのか記憶はないのですが、おそらく厚めの体系書フェチとしての嗅覚が作動したのでしょう。で、購入したものの、差し迫った必要があったわけではなかったため、まあ積みますよね。
 が、結構お高いですし、未開のまま改訂版がでるのは悲しいということで、どうにか通読しました(理解できているかどうかは別問題)。


 タイトルが「労働契約法」となっていますが、実定法としての『労働契約法』の解説だけに限定しているのではなく。

 『労働契約法』の解説だけで986頁も書くのは、さすがに難しいでしょう。下記書籍はまさしく『労働契約法』だけの解説本ですが、「詳説」を名乗ってはいても本文298頁どまりです(残りは資料編)。



 荒木尚志ほか「詳説 労働契約法 第2版」(弘文堂2014)


 類書と比べた本書の特徴は、労働法全体を『契約法』の観点から詳細に記述している点にあります。

 労働法規は、民事法/行政法/刑事法と複数の顔があります。のに、類書だとそのことについての一般的な説明はあるものの、個別の記述においてはこの違いが意識されていることはあまりないです。

 対して、本書は契約法(民事法)の観点に視点を絞った記述をしています。記述の仕方として《労使間の合意により労働契約が成立し、それが労働条件に反映される》という枠組みが徹底されているので、読み進めていくうちに、自然とそのような思考スタイルで考えられるようになってきます。

 通常この手の鈍器系体系書は必要箇所だけ辞書的につまみ食いしがち。ですが、本書は頭から通読することで、より効用が得られるように思います。


 このような思考スタイルが身につくと、労働基準法などの労働法規の位置づけもよく理解できます。

 普通に労働法の勉強をしていると、法律から直接、あらゆる労働条件が発生するかのように錯覚しがち。
 ですが、たとえば1日何時間働けばよいかについては、前提として労働契約において労働時間の定めが存在している必要があります。労働基準法は、あくまでも約定の労働時間が法定労働時間を超過している場合にかぎり発動されるものです。労使間の約定がないのに、勝手に労働時間を創出するものではありません。
 もしかしたら将来的に、「一定時間以上働ける権利」みたいなものが創設されることがあるかもしれませんが(ある種のパラダイムシフトが必要でしょう)。

 以前、労働契約の「解約ルール」について検討した際も、ベースは労働契約における当事者の合意にあって、それを民法・労基法・労契法がどのように制約しているか、という観点から論じました。

零れ落ちるもの(その1) 〜NO 雇用契約 NO 労働契約

 やはり労働法の勉強をスタートするにあたっては、いきなり労働基準法などの労働法規から手を付けるのではなく、民法の契約法まわりから始めて、契約法の基礎理論を身につけるべきではないかと思います(近時の「同一労働同一賃金」などの衡平志向な風潮からすると、より遡って憲法から、とすべきかもしれませんが)。


 そもそもの話として、実定法としての『労働契約法』をわざわざ労働基準法とは別建てで制定したのも、労働法の領域において「合意原則」を名実ともに原則として復権させつつ、労使間の真意に基づく合意形成を促進するためではなかったかと思います。

 が、その成果はご存知の通り。労働基準法/労働契約法のバランスが、実態としての「強行法/合意」のバランスに比例しているといっても過言ではない。
 本来は、契約(法)が本体で、強行法規が外付けパーツという位置づけのはずです(主として、労働者にとっての利益保護パーツ)。だというのに、ガンダム試作3号機(デンドロビウム)におけるステイメン(労働契約)とオーキス(強行法規)のようなバランス感になってしまっているのが現状でしょうか。ステイメンがなければオーキスは機能しないのに、あたかもオーキスが本体のように見えてしまう。

デンドロビウム(RX-78GP03)
(どれがステイメンでしょうか?)

 また、あとから入れられた「有期雇用法制」のようなごちゃついた規定、合意重視の建前からすれば似つかわしくないもののはずです。合意促進が本来の『労働契約法』の役割であるならば、法があれこれ細かい小言をいうのは望ましくない。良くも悪くも、労働契約法16条(解雇)くらいの緩やかさが絶妙なさじ加減かと。
 労働契約法の位置づけが、もともとの理念とは異なり、行政法/刑事法としてまで規制する必要のない規定を突っ込んでおくための、いわば労働基準法の別働隊ポジションになってしまっているのではないでしょうか。


 本書に話を戻して。

 契約法に視点を絞るといっても、行政法規をガン無視しているわけではなく。
 たとえば「労働安全衛生法」は本拠は行政法・刑事法に属しているわけですが、その規律内容が「安全配慮義務」などの民事法上の道具立てによって、どのように労働契約の内容に取り込まれることになるか、という観点から記述されることになります。
 また、「労働協約」に関する規律も、本拠は集団法(労働組合法)ですが、労働契約の内容に影響するということでこちらも詳しく論じられています。

 といったように、視点が絞られているにもかかわらず、カバーしている範囲は相当広い。

 また、判例・裁判例の紹介が豊富なので、本書を読むだけでも、裁判所の判断がどういう傾向にあるかが一定程度把握できます。
 ちなみに、本書で明記されているわけではないので意図的かどうかが分かりませんが、最高裁→判例、下級審→裁判例と、きちんと言葉の使い分けをしているように思います。

フローチャートを作ろう(その6) 〜判例法


 類書と比べて、「国際的側面」についての記述も豊富(第13章 国際的労働契約法)。この手の領域は実務先行で理論が手薄になりがちなので、より発展していってほしいところ。

 また、一番最後に「要件事実」についても一通り触れられています(888頁〜)。
 この箇所を読むことで、本書で得た実体法の理解を、要件事実論の観点から立体的に理解できるようになります。そういう意味で、長大な本書の復習として利用することもできます。


 以上、本書を「読む」ことは強くおすすめできるものの、「買う」ことまでおすすめできるかといえば微妙。本書出版の2016年以降も、法改正・新判例のラッシュが続いているわけで、もはや最新の情報とは言い難い。

 今から定価で購入したとして、改訂チキンレースに勝てる自信のある方はぜひどうぞ。

 あえて、お安くなった「初版」を買うことで、改訂チキンレースに乗っからないのもありかもしれません。余裕かまして第3版まで待機しておくと。
 初版は2008年に出版されているので、実定法としての『労働契約法』は反映されています。というか、制定直後に紛らわしいタイトルで出版されていたわけです。



 土田道夫「労働契約法」(有斐閣2008)

 ただ、初版ではその後の「有期雇用法制」の改正が反映されていません。


 また、「労働法の体系書でどれか一冊」と言われたときも、第一候補にはなりえません。

 カバー範囲が広いといってもフルカバーではないわけです。
 本書がカバーしていない範囲だけを対象とした「労働行政法」「労働刑事法」という体系書があればいいのでしょうが、まあないですよね。

 一応、下記シリーズのような「お役所系」労働法規解説書があるにはあります。同シリーズ内に『労働契約法』が含まれていないのは、まさしく「民事不介入」であることの証左といえるでしょうか。



厚生労働省労働基準局「令和3年版 労働基準法 上巻 (労働法コンメンタールNo.3)」(労務行政2022)
厚生労働省労働基準局「令和3年版 労働基準法 下巻 (労働法コンメンタールNo.3)」(労務行政2022)

 が、あくまでも実務用の逐条解説であって、理論的体系書ではない。近時の「行政法総論」や「刑法総論」の知見がふんだんに取り込まれている、などということは無く、個別の労働法規の解説がメイン。

 ということで、一冊だけ買うのであれば、普通にフルカバーした『労働法』の体系書にしておくのが無難。



 菅野和夫「労働法 第12版」(弘文堂2019)
 荒木尚志「労働法 第4版」(有斐閣2020)
 水町勇一郎「詳解 労働法 第2版」(東京大学出版会2021)


 なお、同著者には「概説」名の教科書もあります。




土田道夫「労働法概説 第4版」(弘文堂2019)

 こちらは労働法全体をカバーしているものの、512頁の薄い本です。決して分かりにくい本ではないのですが、記述の厚い本書を読んでからこちらの『概説』を読むと、どうにも窮屈な印象。

 一般論としてですが、薄い本で理解できない箇所があったら、同書の同じ箇所を何度も読むよりも、一度は記述が厚めな本に目を通すべきなのでしょう。
posted by ウロ at 08:17| Comment(0) | 労働法

2022年01月17日

リーガルマインド法定調書合計表 〜規範論的アプローチと類型論的アプローチの相克

 年末調整が終わると、その流れで法定調書合計表へとステージが移ります。

リーガルマインド年末調整(その1) 〜規範論的アプローチと類型論的アプローチの相克
リーガルマインド年末調整(その2) 〜規範論的アプローチと類型論的アプローチの相克
リーガルマインド年末調整(その3) 〜規範論的アプローチと類型論的アプローチの相克
リーガルマインド年末調整(その4) 〜規範論的アプローチと類型論的アプローチの相克

 当ブログは、巷のお役立ち記事とは違い、斜め上(下?)のお役立たない記事を掲載しているわけですが、法定調書合計表についてもご多分に漏れず。


 「給与所得の源泉徴収票」を税務署に提出する範囲について。
 運営の手引によると下記の通り。

給与所得の源泉徴収票.png


令和3年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引 P.9
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hotei/tebiki2021/index.htm

 疑問に思ったのが、「年調無・甲欄・給与2000万円以下」の人がどこにも当てはまらないということです(以下、扶養控除申告書を提出した場合を甲欄と表現します)。
 もちろん、本来は2000万円以下であれば年調義務があるわけですが、ルールに従わず年末調整をしなかった場合はどうするか、という話です。

 「提出する必要がある方」のどこにも該当しないのだから、提出不要でいいんじゃん、と結論づけるのは早計。
 すでに、『年末調整のしかた』につき《規範論的アプローチ》と《類型論的アプローチ》による分析を行った我々には、運営列挙の類型漏れがち、という事実が分かっているわけです。

 ので、面倒ながら自力で条文を読み込まざるをえない。

 なお、ブログタイトルに『日常系税務』を冠しているとおり、なんでもかんでも条文にさかのぼって、などという《条文原理主義者》のつもりは全くありません。特に、年末調整や合計表などの作業系の業務なんて、運営作成の手引でつつがなく処理できるならば、それに越したことはない。
 法定調書合計表にリーガルマインドを発揮するとか、ヤベえ奴よ。《羹に懲りて膾を吹く》感が強い。

 が、『年末調整のしかた』でみたとおり、残念ながら鵜呑みにできない。
 ので、仕方なく条文を検討します(法は所得税法、規は同法施行規則)。


法 第二百二十六条(源泉徴収票)
1 居住者に対し国内において第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等(第百八十四条(源泉徴収を要しない給与等の支払者)の規定によりその所得税を徴収して納付することを要しないものとされる給与等を除く。以下この章において「給与等」という。)の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、その年において支払の確定した給与等について、その給与等の支払を受ける者の各人別に源泉徴収票二通を作成し、その年の翌年一月三十一日まで(年の中途において退職した居住者については、その退職の日以後一月以内)に、一通を税務署長に提出し、他の一通を給与等の支払を受ける者に交付しなければならない。ただし、財務省令で定めるところにより当該税務署長の承認を受けた場合は、この限りでない。

規 第九十三条(給与等の源泉徴収票)
1 居住者に対し国内において法第二百二十六条第一項(給与等の源泉徴収票)に規定する給与等(以下この条において「給与等」という。)の支払をする者は、同項の規定により、その給与等の支払を受ける者の各人別に、次に掲げる事項を記載した源泉徴収票二通を作成し、一通をその給与等に係る所得税の法第十七条(源泉徴収に係る所得税の納税地)の規定による納税地の所轄税務署長(第一号イ及び第六号イ(1)において「所轄税務署長」という。)に提出し、他の一通をその給与等の支払を受ける者に交付しなければならない。(略)

2 前項の場合において、次の各号に掲げる場合に該当するときは、当該各号の規定に該当する給与等に係る同項の源泉徴収票は、税務署長に提出することを要しない。
一 同一人に対するその年中の法第百九十条の規定の適用を受けた給与等(法第二百四条第一項第二号(報酬、料金等に係る源泉徴収義務)に規定する者に支払う給与等及び次号に規定する給与等を除く。)の支払金額が五百万円以下である場合
二 同一人に対するその年中の法第百九十条の規定の適用を受けた給与等で法人がその役員(相談役、顧問その他これらに類する者を含む。)に対して支払うものの支払金額が百五十万円以下である場合
三 同一人に対するその年中の前二号に規定する給与等以外の給与等で給与所得者の扶養控除等申告書を提出した者(前号の役員を除く。)に対してその提出の際に経由した給与等の支払者が支払うものの支払金額が二百五十万円以下である場合
四 同一人に対するその年中の前三号に規定する給与等以外の給与等の支払金額が五十万円以下である場合


 手引では、提出が必要な人の類型が限定列挙されています。
 が、条文構造はそれとは逆に、原則は全員提出必要で(法184条は無視します)、規則2項各号の限定列挙された事由に該当すれば提出不要、という建て付けになっています。このような規律の仕方ならば、必ずいずれかに含まれることになり、原理上漏れが生じません。

 ところが、この枠組みを、手引のように必要な人を限定列挙する書き方に改変してしまうと、高確率で遺漏が生じます(実際そうなっている)。

 各号の不要な人を列挙すると次の通り。
  1号 500万円以下 年調あり、役員・士業以外
  2号 150万円以下 年調あり、役員
  3号 250万円以下 甲欄、1,2号,役員以外
  4号  50万円以下 1,2,3号以外

 ここで「士業」とあるのは、あくまでも「給与」としてもらう場合です。「報酬・料金」の規定から概念お借りしちゃってますが、『者』の部分をお借りしているだけ。
 ちなみに、今どきのソフトは提出範囲を自動判定してくれたりしますが、士業給与まで対応しているものってありますかね?社員情報に「士業」であることを入力する項目、無いですよね。

法 第二百四条(源泉徴収義務)
1 居住者に対し国内において次に掲げる報酬若しくは料金、契約金又は賞金の支払をする者は、その支払の際、その報酬若しくは料金、契約金又は賞金について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
二 弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、測量士、建築士、不動産鑑定士、技術士その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金


 このように、条文では手引にあるような「退職」云々や「2000万円」云々といった切り分け方はされていません。また、手引の「提出範囲」によると、150,250,500,250,50,全部,50、と合計7類型あることになっていますが、条文では4つの除外事由しかありません。

 通常、退職者は年調無となるわけですが、甲欄であれば3号により、乙欄・丙欄であれば4号により判定されるということです。退職者という類型が列挙されているわけではありません。

 要するに、おせっかいで、条文の規律をばらけさせているということです。
 たとえば、(2)年調有・士業給与と(4)イ甲欄・退職者(社員)の250万円は、別々のルールではなく同じ「3号」に対応します。

 また、(4)ロの2000万円というのは本来、手引で赤字になっている判定金額で使うもののはずです。のに「受給者の区分」のほうに組み込んでしまったせいで、提出範囲には「全部」などと書くしかなくなっています(ぶざま)。
 結果として全部提出することにはなるのですが、条文上どうやって導くかといえば、役員以外は3号で250万円超だから、役員は4号で50万円超だから、提出するということです。適用号数の異なるものが、2000万円超という圧倒的額面によってサイレント呉越同舟させられてしまっている。


 以上の《規範論的アプローチ》によれば、手引ではどこにも該当しない「年調無・甲欄・給与2000万円以下」の場合も、自ずと結論を導くことができます。

 この場合は、役員以外は3号で250万円超ならば、役員は4号で50万円超ならば、提出が必要になるということです。

 除外ルールを、条文構造にしたがって整理すると次の通り。

給与所得の源泉徴収票 提出範囲.png


 社員と士業で違いがあるのは、年調有の場合だけです。年調無で甲欄250、乙欄丙欄50というのは同じです。
 役員は年調の有無でのみ結論がかわります。年調無ならすべて50となります。

 退職とか2000万円といった事由はここにはでてきません。
 通常、退職の場合は年調無となるので、あとは甲欄/乙欄・丙欄、社員・士業/役員かで判定すると。
 また、2000万円超云々は、区分としてでてくるのではなく、金額のあてはめの段階ででてくるものです。どこに該当しようが上限500までしかないので、結果として全部提出することになる、ということです。

 せっかくなので、手引の出来損ない類型をどうにかむりやり条文構造に近づけようとしてみると、次のようになります。

提出範囲 手引.png

 2000万円超の「全部」が不自然なのと、「?」のところに隙間が空いてしまっていることが分かります。

 また、「退職者かつ年2000万円超」の人は、「退職者」「2000万円超」どちらに当てはめればよいでしょうか。
 どこに該当しようがどうせ提出、ということではありますが、当てはめに迷いがでるのは、類型の出来の悪さの一端かとは思います。


 ちなみに、「退職所得の源泉徴収票」については、

  役員:   全部提出
  それ以外: 提出不要

と単純なルールなので、「役員だけ提出」と書けば漏れなくカバーできます。

法 第二百二十六条(源泉徴収票)
2 居住者に対し国内において第三十条第一項(退職所得)に規定する退職手当等(第二百条(源泉徴収を要しない退職手当等の支払者)の規定によりその所得税を徴収して納付することを要しないものとされる退職手当等を除く。以下この章において「退職手当等」という。)の支払をする者は、財務省令で定めるところにより、その年において支払の確定した退職手当等について、その退職手当等の支払を受ける者の各人別に源泉徴収票二通を作成し、その退職の日以後一月以内に、一通を税務署長に提出し、他の一通を退職手当等の支払を受ける者に交付しなければならない。この場合においては、前項ただし書の規定を準用する。

規 第九十四条(退職手当等の源泉徴収票)
1 居住者に対し国内において法第二百二十六条第二項(退職手当等の源泉徴収票)に規定する退職手当等(以下この条において「退職手当等」という。)の支払をする者は、同項の規定により、その退職手当等の支払を受ける者の各人別に、その者に係る次に掲げる事項を記載した源泉徴収票二通を作成し、一通をその退職手当等に係る所得税の法第十七条(源泉徴収に係る所得税の納税地)の規定による納税地の所轄税務署長(第一号イにおいて「所轄税務署長」という。)に提出し、他の一通をその退職手当等の支払を受ける者に交付しなければならない。(略)

2 前項の場合において、法人がその前条第二項第二号に規定する役員に対して支払う退職手当等以外の退職手当等については、前項の源泉徴収票は、税務署長に提出することを要しない。


 ということで、手引P.19のような記述で特に問題ありません。

退職所得の源泉徴収票.png
posted by ウロ at 11:04| Comment(0) | 年末調整

2022年01月10日

機能的年末調整論(その4) 〜年末調整と死別(子)

 ちょっとアレなので、機械的に検討していきましょう。


 基本的には、法85条により「死亡日の現況」で判断となるため、年の中途で死別したら当年は「扶養親族(子)あり」扱いとなります。が、控除の性質に応じて若干の違いがでてきます。

1 給与所得控除

 前年 適用あり
 当年 本人の給与収入のみで判定なので影響なし

2 所得金額調整控除

 前年 23歳未満の扶養親族有りとして適用していた
 当年 当年は適用できる

 死亡日の現況で判断となるため、当年までは適用できます。

3 基礎控除

 前年 適用していた
 当年 本人の所得のみで判定なので影響なし

4 社会保険料控除

 前年 子負担分につき適用を受けていた
 当年 死別まで支払分は適用あり(?)

 「?」とあるのは通達がないからです。

5 小規模企業共済等掛金控除

 前年 適用を受けていた
 当年 本人負担分のみなので影響なし

6 生命保険料控除

 前年 受取人子で適用を受けていた(一般・介護)
 当年 死別まで支払分は適用あり(通76-1)

 急いで受取人変更する必要があるかどうかは、死別(配偶者)のところで述べたところです。
 なお、「個人年金」については、受取人:扶養親族(子含む)は控除対象外です。

7 地震保険料控除

 前年 子所有住居につき適用を受けていた
 当年 死別まで支払分は適用あり(?)

 「?」とあるのは、上記同様。
 もし、住宅を相続すれば、引き続き適用を受けられることになります。

8 配偶者控除・配偶者特別控除

 前年 適用を受けていた
 当年 影響なし

9 扶養控除

 前年 子を控除対象として適用していた
 当年 当年は適用できる

 死亡日の現況で判断となるため、当年までは適用できます。
 なお、年齢要件も死亡日の現況で判断します。ので、「12/31の現況」で23歳になるはずだった場合でも、当年は特定扶養親族でいける可能性があるということです。

10 障害者控除

 前年 配偶者を障害者として適用を受けていた
 当年 当年は適用できる

 死亡日の現況で判断となるため、当年までは適用できます。

11 寡婦控除(女性・合計所得金額500万円以下)

 前年 適用なし
 当年 影響なし

12 ひとり親控除(合計所得金額500万円以下)

 前年 適用を受けていた
 当年 当年は適用受けられる

 死亡日の現況で判断となるため、当年までは適用できます。

13 勤労学生控除

 前年 適用を受けていた
 当年 本人が勤労学生の場合だけなので影響なし

14 住宅ローン控除

 前年 適用を受けていた
 当年 影響なし

 なお、「単身赴任」の場合の問題は前々回・前回と同様です。


 以上、《印紙税法学》樹立の夢が絶たれた今、《年末調整法学》樹立に夢を託すしかない。
 ということで、年末調整に対する「機能的考察」を試みてみました。

さよなら契約の成立と印紙税法 (結局いつもひとり)

 年末調整についても「電子化」の波に呑まれつつあるわけですが、これが年末調整「存続」の方向に働くのか、それとも個々人が電子で申告すべきだとして「解体」の方向にいくのか、今のところはまだ分かりません。
posted by ウロ at 10:30| Comment(0) | 年末調整