2022年01月01日

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234記事

【日常系税務リーガルマインド】
税理士だって日常系税務でリーガルマインドを実践したい!
親族概念の、いてもいなくてもどっちでもいい奴感
森田宏樹「契約責任の帰責構造」(有斐閣2002) 〜印紙税法における「結果債務・手段債務論」の活用 
内面重視 〜ブログタイトル変更しましたのお知らせ
「リーガルマインドとは何か?」
税法・民法における行為規範と裁判規範(その1)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その2)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その3)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その4)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その5)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その6)
税法・民法における行為規範と裁判規範(その7)
からくりサーカス租税法 〜文言解釈VS趣旨解釈、そして借用概念論へ
アレオレ租税法 〜立案者意思は立法者意思か?

【判例イジり】
解釈の解釈を解釈する(free rider) 〜東京高裁平成30年7月19日判決
加算税をめぐる国送法と国税通則法の交錯(平成29年9月1日裁決)
解釈の解釈の終わり? 〜さらば東京高裁平成30年7月19日判決
横流しする趣旨解釈(TPR事件・東京高裁令和元年12月11日判決)
解釈の解釈は終わりました。〜最高裁令和2年3月24日判決【判例速報】
解釈の解釈の介錯 〜最高裁令和2年3月24日判決
税務訴訟におけるゴリ押しVS誉めごろし 〜税務トロイの木馬(Tax Trojan Horse)

【法律書マニアクス】
供え本(法学体系書編)
石田穣「民法総則」(悠々社1992・信山社2014)
人類は、差異を産み育むことでマニアとなる。 〜法律書マニアクス全開
潮見佳男「民法(全) 第2版」(有斐閣 2019)
法学研究書考 〜部門別損益分析論
積読ループ
「法律学大系」(有斐閣) 〜或るstalk。
白石忠志「技術と競争の法的構造」(有斐閣1994)
最近の気になる本

【法学入門書探訪】
横田明美「カフェパウゼで法学を―対話で見つける〈学び方〉」(弘文堂2018)
大屋雄裕「裁判の原点:社会を動かす法学入門」(河出書房新社2018)
道垣内正人「自分で考えるちょっと違った法学入門 第4版」(有斐閣2019)
団藤重光「法学の基礎」(有斐閣2007)
伊藤正己「近代法の常識」(有信堂1992)
南野森「ブリッジブック法学入門(第2版)」(信山社2013)
太田勝造「AI時代の法学入門 学際的アプローチ」(弘文堂2020)
南野森「法学の世界」(日本評論社2019)
森田果「法学を学ぶのはなぜ?」(有斐閣2020)

【租税法の教科書】
税法思考が身につく、理想の教科書を求めて 〜終わりなき旅
金子宏・中里実「租税法と民法」(有斐閣2018)
中里実ほか「租税法概説 第3版」(有斐閣2018)
金子宏「租税法 第23版」(弘文堂2019)
岡村忠生ほか「租税法 (有斐閣アルマ) 」(有斐閣2017)
三木義一「よくわかる税法入門 第15版」(有斐閣2021)
渡辺徹也「スタンダード法人税法 第2版」(弘文堂2019)
田中二郎「租税法(第3版)」(有斐閣1990)
浅妻章如「ホームラン・ボールを拾って売ったら二回課税されるのか」(中央経済社2020)
酒井克彦「プログレッシブ税務会計論」(中央経済社2018)
「新 実務家のための税務相談(民法編) 第2版」(有斐閣2020)
伊藤滋夫編「租税訴訟における要件事実論の展開」(青林書院2016)
佐藤英明「スタンダード所得税法 第2版補正2版」(弘文堂2020)

【アクティブ・ラーニング】
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民1)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民2)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民3)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民4)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民5)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民6)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民まとめ)

【税務】
あるべき税理士
肩たたき券取引と税務
税金(国税)の納付の仕方(いろいろ)
税金(地方税)の納付の仕方(いまいち)
あえて言おう!カスであると!(被用者・応募者側からみたみなし残業代)
税金(地方税)の納付の仕方(前進)

【法人税法】
税務における事前判断と事後判断 〜所得拡大促進税制の適否判定(また改正するので)
ふたりはプリキュア(後日テコ入れで増員) 〜グループ法人税制のおさらい〜
武器としての所得拡大促進税制 〜労働者にとっての。
ここがヘンだよ所得拡大促進税制 〜委任命令におけるゆらぎとひずみ
さらば所得拡大促進税制(Arrivederci) 〜評判良ければ続くやつ
みんな大好き!倒産防。 〜措置法解釈手習い
「定期同額給与」のパンドラ(やめときゃよかった)
西村美智子 中島礼子「組織再編税制で誤りやすいケース35」(中央経済社2020)
未払決算賞与の損金算入時期と、なんちゃって私法準拠の弊害
珍奇な新規 〜人材確保等促進税制における「国内新規雇用者」について(令和3年度税制改正)
珍奇な新規(続) 〜『人材確保等促進税制御利用ガイドブック(令和3年5月31日公表版)』

【所得税法】
色々な壁の話し(配偶者控除・配偶者特別控除)2018ver.
年末調整H29
社員割引
出張手当は節税になるのか?
支払調書における「支払金額」(支払の確定した金額)について
利子・配当・譲渡所得の課税方式の選択について(2020.2.24現在)
支払調書における「支払金額」(支払の確定した金額)について【追補】
さよなら「権利確定主義」(その1) 〜事業所得と給与所得
さよなら「権利確定主義」(その2) 〜不動産所得
さよなら「権利確定主義」(その3) 〜譲渡所得
さよなら「権利確定主義」(その4) 〜違法所得

【消費税法】
消費税、免税とるって大変よ、という話(2018.1.11現在のルール)。
特定新規設立法人のインフィニティ感

【相続税法】
パラドキシカル同居 〜或いは税務シュレディンガーの○○
イタチ、巻き込み。 〜家なき子特例の平成30年改正
ヤバイ同居 〜続・家なき子特例の平成30年改正
関場修 山口暁弘「小規模宅地等の評価減の実務 第4版」(中央経済社2018)
タックスアンサーの中の譲歩と抵抗 〜小規模宅地等の特例を素材に
「要件書き込み」は趣旨解釈を駆逐する。〜小規模宅地等の特例を素材に
オーバーホール租税法・序論 〜小規模宅地等の特例を素材に
白井一馬「小規模宅地等の特例」(中央経済社2020)
僕たちは!出戻り保護要件です!! 〜家なき子特例の趣旨探訪1
ぼくたちは出戻り保護ができない。 〜家なき子特例の趣旨探訪2
あの日見た特例の趣旨を僕達はまだ知らない。 〜家なき子特例の趣旨探訪3(完)
タックスアンサー学習帳 〜やっててよかったTA式

【印紙税法】
私法の一般法とかいってふんぞり返っているわりに、隙だらけ。〜契約の成立と印紙税法
Janusの委任 〜成果報酬型委任と印紙税法
続・契約の成立と印紙税法(法適用通則法がこちらをみている)
続々・契約の成立と印紙税法(代理法がこちらをみている)
さよなら契約の成立と印紙税法 (結局いつもひとり)
魔界の王子と契約の成立と印紙税法
二段の推定と契約の成立と印紙税法 〜印紙税法における実体法と手続法の交錯
おかわり契約の成立と印紙税法(法人法がこちらをみている)

【地方税法】
無償減資で均等割下げ(節税系の記事ではなく)

【国際租税法】
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その1)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その2)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その3)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その4)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その5)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その6)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その7)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その8)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その9)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その10)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その11)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その12)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(まとめ)
井上康一・仲谷栄一郎「租税条約と国内税法の交錯 第2版」(商事法務2011)

【会計】
財務分析総論 〜稼ぐ、彼女の如く。
金子智朗「経営分析の超入門講座」(秀和システム2012)

【基礎法学】
「ポケット六法」は総合事項索引を倒さないと本体に攻撃が通らない 〜事項索引 de 勉強法
「法律学小辞典」の「小」は「小スキピオ」の「小」
ホッブズ「リヴァイアサン」 〜彼の設定厨。
田中成明ほか「法思想史」(有斐閣1997)
判例の機能的考察(タイトル倒れ)
ロジカルシンキングによる試験問題おイジり学習法
法律解釈のフローチャート(助走編)
フローチャートで遊ぼう。 〜フローチャート総論
フローチャートを作ろう(その1) 〜文理解釈(付・反対解釈)
フローチャートを作ろう(その2) 〜定義付け解釈
フローチャートを作ろう(その3) 〜縮小解釈(縮小系)
フローチャートを作ろう(その4) 〜拡大解釈(拡大系)
フローチャートを作ろう(その5) 〜慣習法

【民法】
潮見佳男「新債権総論1・2(法律学の森)」(信山社 2017)
潮見佳男「基本講義 債権各論1 契約法・事務管理・不当利得」(新世社2017)
ユーのネームは。 〜「新注釈民法」と私
前田達明「続・民法学の展開 (民法研究 第三巻)」(成文堂2017)
潮見佳男「詳解 相続法」(弘文堂2018)
平井宜雄「債権各論I上 契約総論」(弘文堂2008)
内田勝一「借地借家法案内」(勁草書房2017)
米倉明「プレップ民法(第5版)」(弘文堂2018)
池田真朗「スタートライン債権法(第7版)」(日本評論社2020)
窪田充見「家族法 第4版」(有斐閣2019)
時効の中断・停止から時効の完成猶予・更新へ
ドキッ!?ドグマだらけの民法改正
どんな子にも親に内緒のコトがある。 〜民法98条の2の謎に迫る(迫れていない)
後藤巻則「契約法講義」(弘文堂2017)
加賀山茂「求められる改正民法の教え方」(信山社2019)
内田貴「民法3(第4版)債権総論・担保物権」(東京大学出版会2020)
金井高志「民法でみる法律学習法 第2版」(日本評論社2021)

【会社法・商法】
前田庸「手形法・小切手法入門」(有斐閣 1983)
川口恭弘「金融商品取引法への誘い」(有斐閣2018)
近藤光男「商法総則・商行為法 第8版」(有斐閣2019)
関俊彦「商法総論総則」(有斐閣2006)
小塚荘一郎,森田果「支払決済法 第3版」(商事法務2018)
高橋美加ほか「会社法(第2版)」 (弘文堂2018) 〜付・税理士と会社法の教科書
大垣尚司「金融から学ぶ会社法入門」(勁草書房2017)
大塚英明ほか「商法総則・商行為法 第3版」(有斐閣2019)

【労働法】
下井隆史「労働基準法 第5版」(有斐閣2019)

【民事訴訟法】
新堂幸司「民事訴訟制度の役割」(有斐閣1993)
新堂幸司「新民事訴訟法 第6版」(弘文堂2019) 〜付・民事訴訟法と税理士

【知的財産法】
システム開発における先行者利益について
田村善之「知財の理論」(有斐閣2019)

【破産法】
小林秀之「破産から新民法がみえる」(日本評論社 2018)
美人若女将連続バラバラ租税債権 〜犯人は破産法

【憲法】
大島 義則「憲法ガール Remake Edition」(法律文化社 2018) 〜あわよくばSuccubus。
戸松秀典「憲法」(弘文堂 2015)
ミシェル・トロペール(南野森訳)「リアリズムの法解釈理論」(勁草書房2013)

【行政法】
大橋 洋一「社会とつながる行政法入門」(有斐閣2017)
高木光「行政法」(有斐閣2015)
原田尚彦「行政法要論(全訂第七版補訂二版)」(学陽書房2012)
遠藤博也「行政法スケッチ」(有斐閣1987)

【刑法】
井田良「入門刑法学・総論」(有斐閣2018)ほか
井田良「講義刑法学・総論 第2版」(有斐閣2018)
井田良「講義刑法学・各論 第2版」(有斐閣2020)
辰井聡子「因果関係論」(有斐閣2006)
裁判所職員総合研修所「刑法総論講義案 (四訂版)」(司法協会2016)
松澤伸「機能主義刑法学の理論―デンマーク刑法学の思想」(信山社2001)
安田拓人ほか「ひとりで学ぶ刑法」(有斐閣2015)
小林憲太郎「ライブ講義 刑法入門」(新世社2016)
藤木英雄「公害犯罪」(東京大学出版会1975)
井田良「犯罪論の現在と目的的行為論」(成文堂1996)
橋爪隆「刑法総論の悩みどころ」(有斐閣2020)

【国際私法】
視野を広げるための、国際私法
多層的請求権競合論と、メロンの美味しいところだけいただく感じの。
野村美明「新・ケースで学ぶ国際私法」(法律文化社2020)

【弁護士と税理士】
弁護士事務所と税理士事務所(似ていない)

【酒撮り】
東洋美人(一番纏 純米大吟醸)【山口】
雄町(天吹・純米吟醸)+ 愛山(天吹・大吟醸)【佐賀】
夢+叶(東薫大吟醸)【千葉】
寿 満寿泉(大吟醸)【富山】
夢穂波(大吟醸)【岩手】
獺祭(純米大吟醸 磨き二割三分)【山口】
浜千鳥(純米大吟醸)【岩手】

【ガジェット】
Logicool G105(ゲーミングキーボード)
Logicool G300s(ゲーミングマウス)
刷り込み−会計ソフトの選び方
開放感−そして携帯端末の思ひ出
架空の思い出 −私とテレビゲームの。
ジオンはあと10年は戦える
モニ旅。 〜ぼくのPCモニター遍歴
Logicool G910R(ゲーミングキーボード)

【メンタル】
メンタル・ロック(mental lock)
「俺がガンダムだ!」
あなたの動機はどこから?
あなたは仕事に何を求めているのか。

【音楽と私】
チェリビダッケ&ミュンヘン・フィル/ブルックナー:交響曲第8番 ハ短調
シューリヒト&ウィーン・フィル/ブルックナー: 交響曲第9番
カイルベルト&ベルリン・フィル/ブルックナー:交響曲第9番
三上ちさこ「I AM Ready!」 〜付・音楽と私

【日記】
神宮詣
定規か電卓か、いや定規と電卓だ。
俺のいちごミルクフォルダが火を噴くぜ 2017
なぜ吸血鬼は自分の血を吸わないのか。 〜AI時代の吸血士のための生存戦略セミナー
ブログURL変更しましたのお知らせ
俺のいちごミルクフォルダが火を噴くぜ 2018
ネット古書店 購入お作法(含、小トラブルご報告)
俺のいちごミルクフォルダが火を噴くぜ 2019

【事務所案内】
はじめに
事務所名について
税理士事務所(個人)と株式会社の関係について
はじめます!!!
会社名の由来
なんでブログを書いているの?
サービスと対価(税理士報酬の場合)
圧倒的インプット
押収品
私たちのファームに新しいクルーがジョインしてくれました!!!!!!
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2021年12月31日

供え本(法学体系書編)

 「供え本」(そなえぼん)とは、読まなくてもよいからさしあたり書棚にお供え(備え)しておきなさい、という本です。

 一度も開かないまま、改訂版が出ても逐一悲しまない(繰り返し経験済み)。
 むしろ改訂版を出してくれたことを喜びましょう。
 持っててよかった、と思うときがくるかもしれないし。 

 ラインナップ、万人向けと個人的嗜好との葛藤が垣間見えるかもしれません。

【憲法】
戸松秀典「憲法 」(弘文堂2015)

【行政法】
宇賀克也「行政法概説1 第7版」(有斐閣2020)
宇賀克也「行政法概説2 第7版」(有斐閣2021)
宇賀克也「行政法概説3 第5版」(有斐閣2019)
宇賀克也「地方自治法概説 第9版」(有斐閣2021)
藤田宙靖「新版 行政法総論 上巻 」(青林書院2020)
藤田宙靖「新版 行政法総論 下巻 」(青林書院2020)

【民法】
中田裕康「債権総論 第4版」(岩波書店2020)
中田裕康「契約法 」(有斐閣2017)
奥田昌道,佐々木茂美「新版 債権総論 上巻 」(判例タイムズ社2020)
奥田昌道,佐々木茂美「新版 債権総論 中巻 」(判例タイムズ社2021)

【会社法・商法】
江頭憲治郎「株式会社法 第8版」(有斐閣2021)
田中亘「会社法 第3版」(東京大学出版会2021)
江頭憲治郎「商取引法 第8版」(弘文堂2018)
黒沼悦郎「金融商品取引法 第2版」(有斐閣2020)

【民事手続法】
伊藤眞「民事訴訟法 第7版」(有斐閣2020)
新堂幸司「新民事訴訟法 第6版」(弘文堂2019)
中野 貞一郎,下村 正明 「民事執行法 」(青林書院2016)

【倒産法】
伊藤眞「破産法・民事再生法 第4版」(有斐閣2018)
伊藤眞「会社更生法・特別清算法 」(有斐閣2020)

【刑法】
裁判所職員総合研修所「刑法総論講義案 四訂版」(司法協会2018)
西田典之,橋爪隆「刑法各論 第7版」(弘文堂2018)

【刑事手続法】
酒巻匡「刑事訴訟法 第2版」(有斐閣2020)
三井誠,酒巻匡「入門刑事手続法 第8版」(有斐閣2020)

【租税法】
金子宏「租税法 第23版」(弘文堂2019)

【労働法】
菅野和夫「労働法 第12版」(弘文堂2019)

【知的財産法】
中山信弘「著作権法 第3版」(有斐閣2020)
中山信弘「特許法 第4版」(弘文堂2019)

【独占禁止法】
白石忠志「独占禁止法 第3版」(有斐閣2016)

【信託法】
新井誠「信託法 第4版」(有斐閣2014)
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2021年06月21日

フローチャートを作ろう(その5) 〜慣習法

 ここまでは「制定法」の解釈を前提としてきました。

フローチャートを作ろう(その1) 〜文理解釈(付・反対解釈)
フローチャートを作ろう(その2) 〜定義付け解釈
フローチャートを作ろう(その3) 〜縮小解釈(縮小系)
フローチャートを作ろう(その4) 〜拡大解釈(拡大系)

 では「慣習」はどのように位置づけられるでしょうか。

 解釈の際の「素材」として使われることは確かです。

慣習法 素材.png


 ではそれ以外の役割を果たしているでしょうか。

 『慣習(法)は法源か?』という問いがこの点に関わってきます。
 が、『法源』という用語自体が各論者の想いがこもったコトバとなってしまっているため、このような問いに正面から答えるのは一旦保留します。

 ここでは、慣習をどのようにチャート化できるか、という観点からのみ論じます。

 法適用通則法3条と民法92条からすると、次のようなチャート化が可能ではないかと思います(個別の条文に「慣習」が組み込まれているものも、同様の型になると思います)。

慣習法プロセス.png


法の適用に関する通則法 第三条(法律と同一の効力を有する慣習)
 公の秩序又は善良の風俗に反しない慣習は、法令の規定により認められたもの又は法令に規定されていない事項に関するものに限り、法律と同一の効力を有する。

民法 第九十二条(任意規定と異なる慣習)
 法令中の公の秩序に関しない規定と異なる慣習がある場合において、法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるときは、その慣習に従う。


 前者が「法律と同一の効力」、後者が「法律行為」の解釈の問題なので、扱っているレベルは違います。ですが、『契約に関する慣習の解釈』の限りでは同レベルのものとして扱っても支障はないと思うので、ひとつのパーツの中に納めておきます。

 なお、両者の関係については種々争われています。
 が、さしあたり、一般法としての通則法3条があり、プラスして、法律行為については、慣習による意思がある(と認められる)ときは、その慣習で任意規定を上書きできる、と理解しておけばよいと思います。


 チャートは、通則法3条・民法92条を使って、慣習から命題1を導くことを表しています。

 また、制定法と同様に「定義付け解釈」から命題2を導いているのは次のような考慮からです。

 すなわち、「命題1」はあくまでも事実として存在する慣習をそのまま認定したものを想定しています。
 これをそのまま事案に適用できる場合には包摂作業へ行くが、そのままでは適用できない場合には定義付け解釈を行い、包摂作業が可能な法命題に仕立て上げると。

 もちろん、一段階で一気に法命題にまで仕上げてしまってもよいのでしょう。
 が、事実として存在する慣習の発見と、それを法的に精緻化する作業とは区別しておいたほうがよいのでは、という考慮から二段階に分けてみました(これが上告受理事由などで問題となる「事実問題/法律問題」に対応するものであるかどうか、までは詰めて考えていません)。


 一応具体例をあげておきます。

 たとえば、『当地では、土地の買主は事前に近隣に挨拶をしなければならない。』という慣習があったとします。
 この慣習があるということ自体を認定するのが「命題1」までの解釈。そして、当該事案において近隣をどの範囲までと理解するか、これを守らなかった場合にはどのような効果が生ずるか、などの解釈をするのが「命題2」までの解釈。

 こういうふうに切り分けておいたほうが、思考過程が明確になるんじゃないですかね。


 それ以降の作業は制定法の場合と同じです。

 その慣習が適用されるが妥当でない場合は【縮小系】へ、適用されないが妥当ではない場合は【拡大系】へ、それぞれ向かうことになります。


 私としては、事実として存在する慣習が、通則法3条・民法92条(と定義付け解釈)を経由することで「慣習法」となる、これをさして『慣習が法源になる』といってよいと思っています。
 これに対しては、「慣習は、通則法3条・民法92条があってはじめて法源扱いされるにすぎないから、法源とはいえない」という言い方も可能かもしれません。
 が、これを言い出したら「制定法は、憲法76条3項があってはじめて法源扱いされるにすぎないから、法源とはいえない。」ということも言えてしまいます。

憲法 第七十六条
3 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。


 そしてさらに「憲法は〜」などと続いてしまうため、これ以上この議論には深入りしません。


 整理しておくと、慣習には、
  1 事実としての慣習
  2 素材としての慣習
  3 命題としての慣習(慣習法)
があるということになります。

 まずは事実としての慣習があるかどうかを認定し(1)、それがある場合には制定法解釈の素材として使われたり(2)、通則法3条などを通して命題化したりする(3)、ということかと。

 次回は「判例(法)」を検討してみます。
posted by ウロ at 09:24| Comment(0) | 基礎法学

2021年06月14日

フローチャートを作ろう(その4) 〜拡大解釈(拡大系)

 前回、前々回と余計なものがはさまりましたが、話を戻して次は【拡大系】の法解釈です。

フローチャートを作ろう(その1) 〜文理解釈(付・反対解釈)
フローチャートを作ろう(その2) 〜定義付け解釈
フローチャートを作ろう(その3) 〜縮小解釈(縮小系)


 文理解釈・定義付け解釈では適用範囲に含まれないが、適用されないことが妥当でない場合に拡大系の解釈が試みられます。

拡大解釈プロセス.png


 すでに述べたとおり、拡大系は、縮小系と比べてなぜか手法が充実しています。

 ・拡大解釈
 ・類推解釈
 ・一般命題化
 ・勿論解釈

 「一般命題化」というのは一般的な用語ではありません。
 これはたとえば、民法94条2項から「権利外観法理」という一般命題を抽出し、それを別の事案に適用するというものを想定しています。

民法 第九十四条(虚偽表示)
1 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
2 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。


 「類推解釈」は、民法94条2項の典型例である事例aと似ていることを理由に、事例bにも適用する、というものです。
 これに対して「一般命題化」は、事例aとは似ていない事例cに「権利外観法理」という一般命題を経由して適用するというものです。類推解釈とは思考の「型」が違うので区別することにしました。

 なお、個別類推・総合類推という区別もありますが、これは条文が単数か複数かという違いなだけで思考の型としては違いはありません。ので、チャート上は区別してありません。


 「勿論解釈」は、『本権は占有(権)より強い』などといった抽象命題(と呼んでおきます)を使って、占有訴権があるなら本権にも物権的請求権がある、などと解釈するものです。

民法 第百九十七条(占有の訴え)
 占有者は、次条から第二百二条までの規定に従い、占有の訴えを提起することができる。他人のために占有をする者も、同様とする。


 ここでは形式論理は成立していません。

【不成立】
 ・占有には物権的請求権がある
 ・本権は占有より強い
 ・ゆえに本権にも当然物権的請求権がある

 この論証の説得力は、形式論理にではなく「本権は占有(権)より強い」という抽象命題が有無を言わせないほど強烈なものであることに依存しています(他の例でいうと「生命は財産より価値が高い」とか)。
 「占有にあるからといって本権にあるとは限らないじゃないか」といった、形式論理に基づく正当な異論を許さないなどの強烈な。


 これら手法の順序としては、ぎりぎり言葉の範囲に含められる場合は「拡大解釈」、含められないが似ている場合は「類推解釈」、似ていないが一般命題が当てはめられる場合は「一般命題化」、強烈な抽象命題がある場合は「勿論解釈」、という感じになるかと。

 こう並べてみてわかるとおり、「勿論解釈」だけノリがだいぶ違います。
 ので、チャート上は拡大解釈とは分岐させて独立に判断する形にしてあります。

 イメージ化するとこんな具合。

拡大系イメージ.png



 これら解釈ができない場合は、縮小系と同じく、反制定法解釈、例外則、立法論と続きます。

 ただし、拡大系の「反制定法解釈」というものの具体例が、さしあたり思いつきません。
 拡大系の手法は豊富だし、実体法レベルでも一般条項が活用されているし、ということで、いずれかの解釈手法で解決できる場面が多いということかもしれません。
 で、いずれの解釈手法も及ばないのだとしたら、それはもはや解釈論の範疇ではどうにもならないと。というか、勿論解釈なんてもはや立法論みたいなものでしょうし。

 拡大系の反制定法解釈があるのだとしたら、法の趣旨に反するにもかかわらず、何のつながりもない全く別の事例に横流しする、というようなものになるのだと思います。


 刑法では「拡大解釈は許されるが類推解釈は許されない」というお題目が唱えられています。

 が、処罰されるかされないかの瀬戸際だというのに、この拡大解釈/類推解釈の区別がはっきりしていない。
 抽象的にいえば「言葉の範囲内にぎりぎり含まれるか」ということになるのでしょう。が、それ以上詳細な判断基準は示されていない。

 ここでも「国民の予測可能性」を基準にすることが考えられます。国民が予測できる⇒拡大解釈、できない⇒類推解釈、といったように。
 が、これを基準としてしまうと、たとえば「勝手に電気とったら窃盗罪で処罰されるって普通の人なら思うでしょ」という理由で『所有物』(当時)に電気を含めても問題ないということになりかねない。「物は有体物に限られる」なんていうのは法律専門家の特殊な考えであって、国民一般の考えとは違うんだと。

 他方で、『悪意』とは悪い気持ちを持つことであって、単に知っているだけで悪意ありとされてしまうのは「国民の予測可能性」を害するため許されない、などという帰結も出せてしまいます。が、こちらも妥当ではないでしょう。
 ということで、「国民の予測可能性」はここでも基準としては機能し難い。

 抽象概念としては、「言葉に含まれる」と「言葉に含まれないが似ている」とは、明らかに違うはずです。が、電気窃盗を処罰すべきなどの現実的な要請のせいで、明確な区別基準をいまだに示せていないというのが現状でしょうか。


 次回は、制定法を対象とする解釈手法を離れて、「慣習(法)」を対象にしてみようと思います。
posted by ウロ at 11:12| Comment(0) | 基礎法学

2021年06月07日

珍奇な新規(続) 〜『人材確保等促進税制御利用ガイドブック(令和3年5月31日公表版)』

 前回記事をアップした5/31と同じ日に、経済産業省の「ガイドブック」「Q&A集」がでてました。

珍奇な新規 〜人材確保等促進税制における「国内新規雇用者」について(令和3年度税制改正)

賃上げ・生産性向上のための税制(経済産業省)

 今まで「ご利用」だったのが「御利用」になったのは、何か理由があるのでしょうか。
 P.1の「ご覧下さい。」はひらがなのくせに。

 それはさておき、前回いくつかあげた疑問のうち、回答となっているのは「支給日判定」という点だけでした。
 それ以外は条文をなぞっただけ。

 ということで、「ガイドブック」をベースに、前回記事に関わる部分の検証をしていきます。

 以下、頁数は「ガイドブック」のもの、「A○○」は「Q&A集」のものを指します。
 また、前回同様、条数を省略して、法・令・規のそれぞれ項・号で特定します。
  法 第四十二条の十二の五 3項
  令 第二十七条の十二の五 
  規 第二十条の十 2項


P.3
国内雇用者とは
 法人の使用人のうちその法人の有する国内の事業所に勤務する雇用者で国内に所在する事業所につき作成された賃金台帳に記載された者をいいます。


 前回述べたとおり「国内勤務」は要件ではありません。令の「賃金台帳」で上書きされてしまっているので。

法九 国内雇用者
 法人の使用人(略)のうち当該法人の有する国内の事業所に勤務する雇用者として政令で定めるものに該当するものをいう。

令18
 法第四十二条の十二の五第三項第九号に規定する政令で定めるものは、当該法人の国内に所在する事業所につき作成された労働基準法第百八条に規定する賃金台帳に記載された者とする。


 A24には、その旨書いてあります。
 ので、国内勤務が要件であるかのようなガイドブックの書きぶりは誤解を招く。
 法の「雇用者として」を勝手に「雇用者で」に変換してしまっているのが問題。

P.3
国内新規雇用者とは
 法人の国内雇用者のうち、当該法人の有する国内の事業所に勤務することになった日(労働基準法第107条に規定する「労働者名簿」に氏名が記載された日)から1年を経過していない者をいいます。


 令どまりで、なぜか規の「雇入の年月日」が反映されていません。

法二 国内新規雇用者
 法人の国内雇用者のうち当該法人の有する国内の事業所に勤務することとなつた日から一年を経過していないものとして政令で定めるものをいう。


3 法第四十二条の十二の五第三項第二号に規定する政令で定めるものは、当該法人の国内雇用者のうち国内に所在する事業所につき作成された労働者名簿(労働基準法第百七条第一項に規定する労働者名簿をいう。)に当該国内雇用者の氏名が記載された日として財務省令で定める日(次項において「雇用開始日」という。)から一年を経過していないもの(次に掲げる者を除く。)とする。(略)

規 
2 施行令第二十七条の十二の五第三項に規定する財務省令で定める日は、当該法人の国内に所在する事業所につき作成された同項に規定する労働者名簿にその氏名が記載された同項各号列記以外の部分に規定する国内雇用者の労働基準法施行規則第五十三条第一項第四号に掲げる日とする。


労働基準法施行規則 第五十三条
1 法第百七条第一項の労働者名簿(様式第十九号)に記入しなければならない事項は、同条同項に規定するもののほか、次に掲げるものとする。
四 雇入の年月日



 また、法・令の繋げ方が、上記『国内雇用者』の定義の書きぶりとは違って、こちらでは令を(カッコ)に入れています。
 この不揃い感、どういうつもりなんでしょうか。

 ということで、前回検討した「実際の雇入日」なのか「記載雇入日」なのか問題は、未解決のまま。

P.4
新規雇用者給与等支給額とは
 国内新規雇用者のうち雇用保険の一般被保険者に対してその雇用した日から1年以内に支給する給与等の支給額をいいます。


 ここだけが唯一、条文に解釈を加えた部分となります。1年以内は「支給日判定」なんだと。
 法5号に同2号を代入するとそう読めるということなんでしょう。

法五 新規雇用者給与等支給額
 法人の適用年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内新規雇用者に対する給与等の支給額をいう。


P.6
 「支給日判定」に従った具体例が図示されています。

 A〜Gまで例があがっているものの、いずれも「月単位」での例になってしまっています。
 が、条文上は「雇入年月日」から1年と、「日単位」で判定することになっているはずです。

 雇入日と支給日がきれいにそろわない場合の悩みが、ここでは一切表現されていません。


 また、「締日判定」が認められるのかどうかがはっきりしません。

 この点、A31、A32には、損金算入した未払給与も含めると書いてあります。これ自体は条文記載のとおりです(法5号)。
 が、これと1年以内判定との関係が不明です。未払計上日で判定してよいということでしょうか。

 もしそうだとすると、3/30で1年が経過してしまう場合は、3/31未払計上分は含めないということになりますか。どうしても含めたければ、3/30で未払計上すればいいのかどうか(30日締めとする合理的な理由があるとして)。


 上述した、A24について気になる点。

 同箇所には、国内事業所で作成された賃金台帳に記載されていれば「海外に長期出張等していた場合でも」「一時的に海外で勤務をしていても」国内新規雇用者に該当する、と書いてあります。

 「一時的」な「長期出張」とは何ぞや、という疑問はありますが、それはさておき。
 「一時的」ではなく1年以上の予定で出国した非居住者の場合はどうなるのか。いやに「一時的」を強調していることからすると、非該当と考えているようにも読めますが、はっきりしません。
 『賃金台帳に記載されていればいい』のであれば、非居住者だろうがなんだろうが、給与等を支給しているかぎり該当するでしょうし。

 ここで問題となるのが、令の文言。

 「労働基準法第百七条第一項に規定する労働者名簿」
 「労働基準法第百八条に規定する賃金台帳」


 (日本の)労働基準法を引用しているわけです。
 これの読み方として、

 A 日本の労働基準法が適用される労働者の名簿・台帳に限られる。
 B 日本の労働基準法が定める名簿・台帳の様式に従ってさえいればいい。

のいずれなのか。

 もしAだとした場合でも、非居住者だから当然に非該当になるわけではありません。
 日本の労働基準法が適用されるかどうかについては、僕たち私たちの『法の適用に関する通則法』が存在するからです。

国際私法(カテゴリ)

法の適用に関する通則法
第七条(当事者による準拠法の選択)
 法律行為の成立及び効力は、当事者が当該法律行為の当時に選択した地の法による。

第八条(当事者による準拠法の選択がない場合)
1 前条の規定による選択がないときは、法律行為の成立及び効力は、当該法律行為の当時において当該法律行為に最も密接な関係がある地の法による。

第十二条(労働契約の特例)
1 労働契約の成立及び効力について第七条又は第九条の規定による選択又は変更により適用すべき法が当該労働契約に最も密接な関係がある地の法以外の法である場合であっても、労働者が当該労働契約に最も密接な関係がある地の法中の特定の強行規定を適用すべき旨の意思を使用者に対し表示したときは、当該労働契約の成立及び効力に関しその強行規定の定める事項については、その強行規定をも適用する。
2 前項の規定の適用に当たっては、当該労働契約において労務を提供すべき地の法(その労務を提供すべき地を特定することができない場合にあっては、当該労働者を雇い入れた事業所の所在地の法。次項において同じ。)を当該労働契約に最も密接な関係がある地の法と推定する。
3 労働契約の成立及び効力について第七条の規定による選択がないときは、当該労働契約の成立及び効力については、第八条第二項の規定にかかわらず、当該労働契約において労務を提供すべき地の法を当該労働契約に最も密接な関係がある地の法と推定する。


 「労働基準法第百八条に規定する賃金台帳」に該当するかどうかを判定するのに、法適用通則法を経由する必要があるのかどうか。
 それとも、税法の側で勝手に、非居住者・国外源泉所得は対象外などと決め打ちしてしまうのか。

 仮に、法適用通則法を経由させるとどうなるか。

 同法の規律では、原則として当事者の選択に委ねることになっています。最密接関連地の強行規定についてさえも、あくまでも労働者の意思表示に委ねられています。
 これをそのまま認めると、名簿・台帳について日本法・外国法の準拠法選択をコントロールすることで、本制度の適用の可否・控除税額を調整できることになりかねません。

 労働者名簿・賃金台帳の作成については罰則による規制があるといっても、それはあくまでも日本法が適用される場合に限られます。
 『強行法規の特別連結』的な発想で、無理やり日本法が適用されることにするのか。
 「的な」というのは、ここで保護しようとしているのは国家の課税権であって、労働基準法上の保護法益などではないからです。およそ当事者が望んでもいない規律を、国家の都合で適用しようとしている。

 A24は、「一時的」という言い方をすることで、非居住者には適用されないかのような《刷り込み》をしようとしています。が、条文上はそういう縛りはありません。
 あくまでも「労働基準法第百八条に規定する賃金台帳」の解釈でコントロールするしかない。


 他方で、Bなら問題がないかというとそういうことではなく。

 賃金台帳を作成するかしないかによって集計範囲をコントロールできてしまうのは同じです。
 不作成による罰則を適用しようとしても、外国法を選択されたらどうなるのか、という問題も同じ。

 賃金台帳につき、「あたる/あたらない」でコントロールするか、「作る/作らない」でコントロールするかの違いにすぎません。


 根本的な問題はやはり、令が法の「国内勤務」を上書きしてしまっているところにあるのでしょう。

 国内勤務かつ賃金台帳に記載、というルールならば、問題がゼロになるわけではないものの、納税者がコントロールできる幅はだいぶ狭まります。

 なぜ、法の実質要件を令では形式要件に置き換えてしまったのか。
 国内賃金台帳に記載があれば国内勤務と「推定」する、という事実認定レベルの問題であれば理解はできます。が、要件そのものを置き換える必要があったのかどうか。

 これもある意味で「台帳課税主義」みたいなものです(逆作用ですが)。

伊藤滋夫編「租税訴訟における要件事実論の展開」(青林書院2016)

 固定資産税の場合は、形式判断とすることに合理的な根拠があるわけです。そして形式不合理な場合は例外を認めると。
 他方で、本制度において形式判断とすることに合理的な根拠はあるでしょうか。私にはさっぱり思いつきません。


 なお、以前に、「所得税法×著作権法×法適用通則法」の絡みについて検討したことがあります。

非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(まとめ)

 所得税法にいう「著作権」とは、一体どこの国の著作権なのかと。

 今回は日本の労働基準法を明示的に引用していることから、意味が明確になるかと思いきやそうではなく。
 かえって、日本法に固定したせいで、そもそも適用されるかどうかの問題が生じることになっています。

 国境を跨ぐ以上、準拠法選択の問題は消去されえない。


 『借用概念は、法的安定性・納税者の予測可能性に資する』というのがいかにイリュージョンであるか、ということの一例がまたここに。

金子宏・中里実「租税法と民法」(有斐閣2018)

 お借りするのは勝手ですが、ちゃんとそのお借りの仕方まで明示しておいてくれないと困る。
posted by ウロ at 11:47| Comment(0) | 法人税法