2020年11月30日

ぼくたちは出戻り保護ができない。 〜家なき子特例の趣旨探訪2

 前回の記事で、「家なき子特例、出戻り保護してなくね?」と疑問を呈しました。
 今回は、そこから先の掘り下げです。

【小規模宅地等の特例】
パラドキシカル同居 〜或いは税務シュレディンガーの○○
イタチ、巻き込み。 〜家なき子特例の平成30年改正
ヤバイ同居 〜続・家なき子特例の平成30年改正
関場修 山口暁弘「小規模宅地等の評価減の実務 第4版」(中央経済社2018)
タックスアンサーの中の譲歩と抵抗 〜小規模宅地等の特例を素材に
「要件書き込み」は趣旨解釈を駆逐する。〜小規模宅地等の特例を素材に
オーバーホール租税法・序論 〜小規模宅地等の特例を素材に
僕たちは!出戻り保護要件です!! 〜家なき子特例の趣旨探訪1

【条文】
租税特別措置法69条の4
租税特別措置法施行令40条の2

【タックスアンサー】
No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

【家なき子の取得者要件】
(原則要件)
 1   被相続人に配偶者・同居法定相続人がいない
 2−1 相続前の3年間に
    ア 自分と自分の配偶者
    イ 三親等内の親族
    ウ 特別の関係がある法人
    の持ち家に住んでいない
 2−2 相続開始時に住んでいる家を過去所有したことがない
 3   相続から申告期限まで継続保有

(除外要件)
 2−1 「相続開始直前に被相続人の居住の用に供されていた家屋」は除く


  以下、相続人A、配偶者なし、長男B(同居)、次男C(家なき子)とします。


 前回の記事で家なき子特例の各要件を検討してみたところ、いずれの要件とも本気で「出戻り」を保護する気がなさそうに思えました。

 そもそも、出戻りを保護するならば、要件の組み立てとしては直接、
  ・出戻ったらOK
または、
  ・出戻る見込みならOK
とするのが素直でしょう。

 出戻りと直接関係のない回りくどい要件をあれこれ要求したところで、《出戻り促進税制》にはなりません。
 要件3以外は「ない」「ない」「ない」と、何か見えない敵から家なき子特例を守ろうと一生懸命で、肝心の出戻りそのものを積極的に保護しようとする気がない。

 「よーしお父さん、はりきって出戻り保護しちゃうぞー」とか言ってこんな消極要件詰め合わせを持ってきたら、娘からガン無視されること必定。
 金持ちCさんがよくて貧乏Cさんがダメな理由は、一体なんなのおじさん。

 「特例クイズ!一体何を保護しているのでしょ〜う、か!?」

 とかいって、何の特例かをいわずに要件だけを順番に出していっても、最後まで誰も正解できないんじゃないですかね。
 一般正解率、たぶんこんな感じ。

 第1問 原則要件1   一般正解率0%
 第2問 原則要件2−1 一般正解率0%
 第3問 原則要件2−2 一般正解率0%
 第4問 原則要件3   一般正解率0%
 第5問 除外要件2−1 一般正解率0%

 むしろ、相続直前で持ち家に住んでいようが、過去所有していた家に住んでいようが、将来出戻るなら適用受けられる、と設計したほうが、出戻り促進に資するでしょうよ。

 なお、「見込み」なんてあやふやな要件、課税要件としては許容できない、と思った方。
 もしいらしたとしても大丈夫です。
 組織再編税制における適格要件などという大事な要件で、支配継続の「見込み」が要求されていることに対して、定評のある教科書では、

 「事後の事情を考慮しないという意味で、法的安定性を重視した結果として評価できる」

などという評価が出されていますから、安心してください!安定していますよ!

中里実ほか「租税法概説 第3版」(有斐閣2018)


 同居者がいないとか持ち家がないという制約条件は、一見すると、保護すべき出戻りとそうでないものを選別しているようにみえるかもしれません。
 が、前回事例をあげて検討したとおり、規制範囲が雑すぎて、実際の出戻りを保護できなかったり、逆に出戻りするつもりのないものを保護したり、結論がめちゃくちゃでした。
 単純に、狭すぎるとか広すぎるというのではなく、いびつ(流行り言葉でいうと、偽陰性と偽陽性の両パターンあるということ)。

 が、めちゃくちゃ・いびつという評価は、あくまでも同特例を「出戻り保護」だという色眼鏡で見るから出てくるものにすぎません。
 なにか別の理由付けが見つかれば、救われる可能性はある(といいながら、私はもはや無理だと思う)。

 一応、要件を標語チックに書いておきましょう。

 1   同居者がいたら譲ってあげましょうね。
      でも二世帯住宅の場合はワンチャンあるから諦めないで。
 2−1 自分や親しい者の持ち家に住むのはやめましょう。
      直前に引っ越しても間に合わないので引っ越すならお早めにどうぞ。
      どれだけ不動産持っていてもいいから、とにかく自分で住むのだけはやめてね。
 2−2 自分が昔持っていた家に住むのはやめましょう。
      住んだことがなくても、一瞬でも持っていたらダメだからね。
      もし今住んでいるなら、相続直前にでも引っ越しましょうね。
 3   申告期限までは売らないでね。
      そのあとはどうぞご勝手に(ニヤリ)。

 なんなのこいつら。あらためて、同じ一つの制度の中の要件同士とは思えない。
 出戻り保護標語コンクールに応募したら、こいつら全員落選だわ。

 ちなみに、除外要件2−1はというと、

 除外要件2−1 でも被相続人が住んでいたところなら大丈夫だよ。

と、一人だけ全く性格が違う(イチジ・ニジ・ヨンジとサンジの関係)。
 でも、この子にしても出戻りを要求しているわけでもないので、そもそもデモコン(出戻り保護標語コンクール)への参加資格がない。

 週刊「家なき子特例」。
 毎号付属の要件を組み立てると出戻りを保護してくれる特例が完成する。創刊号は特別価格290円(税込)。
 という謳い文句だったのでウキウキで定期購読していたのに、完成してもさっぱり出戻り保護機能が働かない。


 先に趣旨側を決め打ちしてから要件を解釈するの、正しいようでいて間違い、というのが私の見立て。

 正しくは、個別具体的な条文上の要件から制度趣旨を導き出す、その上でその趣旨解釈により要件の意味内容を充填する、というのがあるべき姿だと思います。
 実際の要件とは無関係な趣旨を勝手にどこかから持ち込んで、条文に書かれざる意味内容を要件に盛り込むの、解釈論を超えた「立法論」になっています。
 
  × 制度趣旨 ⇒ 要件解釈
  ○ 要件確認 ⇒ 制度趣旨 ⇒ 要件解釈

 これが、複数の要件のうち一つだけが「出戻り保護」とは逆方向を向いている、という場合に、他の要件と整合するように調整を施す、ならまだ有りだと思います。
 が、要件どれもこれもが出戻り保護のほうを向いていないのに、全員無理やり出戻り保護に向かせるのは"Over The Hermeneutics"でしょう。

 と、自分の中では考えていながらも、こんなの単なるスタンスの違いにすぎないかなあとも思っていたのですが、例の東京高裁判決が出たおかげで、税法分野における「趣旨からスタート」の実害がはっきりとしました。

横流しする趣旨解釈(TPR事件・東京高裁令和元年12月11日判決)

 同判決では、趣旨から勝手に要件を創設する、などという禁忌を犯しています。
 要件側から解釈をスタートする、というお作法を守らないから、支配関係のルールを完全支配関係にまで持ち込む、などという横流しを実現してやがる。

 「趣旨からスタート」派の方からすれば、東京高裁様も自分たちと同じ立場だ、ということで有利に援用するのかもしれません。
 が、書いてない要件を付け加えるの、書いてある要件に反する「反制定法解釈」と同罪ですからね。
 もちろん、「絶対的に」許されないというわけではありません。が、相当慎重にやるべきことであって、カジュアルに発動してよいものではない。


 非専門家向けに説明するためには、細かい要件を云々するより「出戻り保護」と決め打ちしたほうが分かりやすい、という意見もあるかもしれません。
 が、もしも前回記事の各事例におけるCさん(ただし金持ちCさん除く)から、「出戻り保護だときいていたのに、なんで自分の出戻りは保護されないんだ!」と詰められたら、説明できないですよね。
 「趣旨はCさん保護してあげましょうと言ってくれているんですが、要件の奴らがいうこときかなくってですね…」などと言い訳したところで、納得してもらえるとはとても思えない。
 やはり趣旨と要件が仲違いしているのがおかしいんですよ。

 ましてや税理士向けの実務書ならば、なおさら、実際の要件を説明できない制度趣旨を掲げるべきではないでしょう。

 これがたとえば、交際費の損金不算入の趣旨を「冗費の抑制」だとかいうのは、個別具体的な交際費該当性の判定にはさっぱり役立たないものの、少なくとも条文解釈の邪魔にはなることはないです。
 他方で、家なき子特例を「出戻り保護」といってしまうと、正確な要件理解を妨げることになります。

 上で標語チックに記述したあいつらに「出戻り保護しろや!」ていっても、全然言う事聞かなそうじゃないですか。
 というか、彼らだって「今日から君たちには出戻りを保護してもらいます。」とか言われたら、「え、俺たちが?無理じゃね?」という反応になるでしょうよ。

 エドワード(シザーハンズ)に「お前の愛する出戻り抱きしめてみろよ」と煽るみたいな。
 珍妙な喩えと思うかもしれませんが、もし本当に家なき子特例の核に「デモドリ姫」が実在していたとしたら、要件2−1(右シザー)と要件2−2(左シザー)にズタズタに引き裂かれて瀕死の重傷な姿が、私にはありありと思い浮かぶ(ものすごい妄想力ですね)。
 瀕死の姫を救うには、聖剣や秘石などによる奇蹟(立法論に相当)に賭けるしかない(いろんなテイルズ要素が混入)。

 でも大丈夫。実際にはそんな姫いないから。

 『一体いつから 鏡花水月を遣っていないと錯覚していた?』


 制度趣旨はあくまでも「出戻り保護」であってイタチごっこ改正のせいで歪になっているだけだ、という見方も可能かもしれません。
 が、イタチな要件のせいで出戻り保護が侵食されているのだとしたら、もともとの制度趣旨はもはや維持できない、と考えるほうが素直でしょう。
 そして、条文が解釈を施せないほど明確になってしまった以上、出戻り保護へ回帰させるのは立法論として展開するっきゃない。

 すでに重機が入ってあちこち掘り起こされているにもかかわらず、「ここは旦那様がいた頃の美しい庭園のままだ。」などと、在りし日のあの頃を思い浮かべている老庭師が思い浮かぶ。

 白井一馬先生が「組織再編税制」に対する評価として述べている『マニュアル化』、家なき子特例もそうみたほうがいいんじゃないですかね。


 立案担当者が開陳する見解、というのも必ずしもあてにならない。

 たとえば民法415条但書の帰責事由について、契約(=合意)を重視するか取引上の社会通念も重視するか、すでに解釈割れてますからね。改正したばっかりだというのに。
 それを外野が云々するならともかく、立法に関与した人の中でも争われているという。

民法第四百十五条(債務不履行による損害賠償)
 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

 そうすると、やはり出来上がった文言をベースに解釈するしかないでしょう。
 この場合だと、文言上優先劣後の関係をつけているわけではないのだから、どちらも重視すべきと解釈すると。


 さて、ここまで検討してきたのは、「家なき子特例」の立法趣旨などという極めて限局された論点にとどまります。
 が、その背後には、実は壮大な物語が広がっています(神々の大地)。

 そこで次回最終回では、壮大な物語へのプレリュードを奏でてみたいと思います(プレリュードなのに最終回なのは、未完成交響曲を意識)。

 ということで、恒例の次回予告ワード。

 ・牧歌的な草食系、脳筋な肉食系
 ・要件増し増し
 ・クリーチャー化
 ・英霊同士の抗争
 ・みんな大好き「租税法律主義」
 ・立法担当者ちゃん
 ・大平原に着々と高層ビルが建設されていく
 ・文言アゲ・趣旨サゲ
 ・お作法無視の飛び道具的判決
 ・条文突き破った裁判チャレンジ
 ・小難しい法曹解釈お作法
 ・剥き出しのアンパンマン
 ・こいつ裁判所の役割を完全放棄しやがった

(せっかく大げさな惹きで煽ったのに、これら用語で台無し)

あの日見た特例の趣旨を僕達はまだ知らない。 〜家なき子特例の趣旨探訪3(完)
posted by ウロ at 00:00| Comment(0) | 相続税法

2020年11月23日

僕たちは!出戻り保護要件です!! 〜家なき子特例の趣旨探訪1

 前回の予告どおり。予告詐欺にならずに済みました(しかし、以下の検証の結果タイトル詐欺となります)。

白井一馬「小規模宅地等の特例」(中央経済社2020)

 前回の記事で、当該書籍に記載の「立法趣旨」に疑問があると書きました。

 それは「家なき子特例」のところ。
 ただ、私が読み違えているだけかもしれませんので、以下では本書とは独立した一般的な見解、として検討します。


 家なき子特例特例の趣旨について、一般的に『いずれ被相続人と同居する予定だった者の居住の保護』だといわれることがあります(以下、これを「出戻り保護」と称します)。
 が、実際の取得者要件を見る限り、そのような趣旨にそった要件になっていないように思います。

【家なき子の取得者要件】
(原則要件)
 1   被相続人に配偶者・同居法定相続人がいない
 2−1 相続前の3年間に
    ア 自分と自分の配偶者
    イ 三親等内の親族
    ウ 特別の関係がある法人
    の持ち家に住んでいない
 2−2 相続開始時に住んでいる家を過去所有したことがない
 3   相続から申告期限まで継続保有

(除外要件)
 2−1 「相続開始直前に被相続人の居住の用に供されていた家屋」は除く


 順番に考えてみましょう。
 以下では、被相続人A、配偶者なし、長男B(同居)、次男C(家なき子)とします。

【小規模宅地等の特例】
パラドキシカル同居 〜或いは税務シュレディンガーの○○
イタチ、巻き込み。 〜家なき子特例の平成30年改正
ヤバイ同居 〜続・家なき子特例の平成30年改正
関場修 山口暁弘「小規模宅地等の評価減の実務 第4版」(中央経済社2018)
タックスアンサーの中の譲歩と抵抗 〜小規模宅地等の特例を素材に
「要件書き込み」は趣旨解釈を駆逐する。〜小規模宅地等の特例を素材に
オーバーホール租税法・序論 〜小規模宅地等の特例を素材に

【条文】
租税特別措置法69条の4
租税特別措置法施行令40条の2

【タックスアンサー】
No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)


 要件1:被相続人に配偶者・同居法定相続人がいない

 配偶者・同居法定相続人(以下「同居者」といいます)がいないというのは、Cの出戻りの「露払い」のために必要かに思えます。
 が、次のような事例をイメージしてみましょう。

【事例1】
 BはAを介護するためAとガチ同居していたがAが亡くなった。
 Bは念願の夢だった海外移住をするため現金を相続し、A宅はCが相続・居住し実家を守ってもらうことにした。

 この場合、BはもちろんCも特例を受けることはできません。Bがガチ同居していたせいで。
 Cが「実際に」出戻りしているにも関わらずです。

 そもそも、相続時点で同居者がいる/いないと、Cが将来出戻る予定があるかどうかに直接の連関はありません。
 いないほうが出戻りしやすい、くらいの遠くて薄い関係。
 実際にCが出戻れるかどうかは、Bが相続後に居住を継続するつもりかどうかにかかっています。

 とすると、要件1はCの出戻りの要保護性の問題ではなく、同居者にCよりも優先的に適用を受けさせるための規定、と理解すべきでしょう。
 としても、事例1のように、Bが適用受けるつもりがなくてもCが排除されてしまうのは何なのか。
 せっかくBに受けさせてあげようとしたのに、受けないっていうならもう誰にも受けさせねえぞとへそ曲げちゃって。

 他方で、ここで「ガチ同居/なんちゃって同居」と同居概念を分裂させると、同居者の優先保護は途端に雲行きが怪しくなる。

【いろんな同居】
a どの範囲で特例の適用を受けられるかを判定するときの同居
 ⇒一棟の建物で判定 (令40条の2第4項)
b 同居親族が適用を受けるために、同居しているかを判定するときの同居
 ⇒一棟の建物で判定 (法69条の4第3項2号イ)
c 家なき子が適用を受けるために、他の相続人が同居していないかを判定するときの同居
 ⇒独立部分で判定 (通達69の4-21)
d 家なき子が適用を受けるために、被相続人が居住していたかを判定するときの居住
 ⇒???

 aとcの組み合わせにより、二世帯住宅(区分所有なし)のB居住箇所にも家なき子特例が適用できてしまいます。
 本来Bを優先させるためにはたらく要件1が、a+cルールで骨抜きにされている。
(だとすると、cは通達ルールにすぎないので法令解釈として間違い、と判断される可能性もありえます。が、おそらく問題はcだけにあるのではなく、各要件がうまく連動していないことにあると思われます。)

 で、同居特例と家なき子特例が重複する場合には両適用可能者間での特例奪い合いが勃発し、遺産分割デッドロックへ突入(丸の内サディスティックを意識)。

 ここで想起されるのは、節税屋さんがBに対して「ガチ同居しなくても小宅いけるよ。」とか言ってわざわざ二世帯住宅(区分所有なし)に建て替えさせた後、Cから「俺も受けられるらしいな。」などと言われる事態になること。
 税理士がBCから申告依頼を受けたとしたら、もしCが気づいていなかったとしても適用できることを説明すべきしょうし。

 なんにしても、要件1はCの出戻り保護を積極的に根拠付けるものではない。


 要件2−1ア:相続前の3年間に自分と自分の配偶者の持ち家に住んでいない
 
 本人(と配偶者)に持ち家あったらそりゃダメでしょ、と思うかもしれません。
 が、次の事例はどう感じるでしょうか(以下、「持ち家」とは自己所有の建物に居住していることを表します)。

【事例2】
 C宅は築古の中古狭小住宅。
 リフォームしようとコツコツ貯金をしていたが、Aが障害を負いA宅をバリアフリー化しなければならなくなった。
 そこで、Cは自分の貯金を使い果たしてA宅をリフォームしてあげた。が、二世帯住宅にするまでの資金は出せなかった。
 Aが亡くなったので、A宅へ引っ越すことにした。C宅はわずかばかりの代金で売却したが、建物取壊費用でむしろマイナスとなった。

 皆さんお分かりの通り、C宅がどんなものであろうと、他に何ら財産を保有していなかろうと、自宅を所有しているかぎりはダメなんです。

【事例3】
 Cは多数の不動産収益物件を抱えていてウハウハである。
 なのに、Cの住居は自己所有ではなく、とある高級賃貸マンション(レジデンス)である。
 Aは一人暮らしのためCに同居してほしかったが、Cに拒絶され続けたまま亡くなった。

 同じ記号「C」なのに所得格差ありすぎですね(金持ちCさん貧乏Cさん)。
 高低差ありすぎて耳キーンてなりますでしょうか?

 C宅が第三者所有であるかぎり、どれだけ他に居住用不動産をかかえていようが、家なき子特例を使うことができます。
 ので、本件のA宅は、お安くCの不動産投資グループの一員となることができます。


 さて、事例2と事例3を並べてみて、要件2−1アは一体何を同特例から排除しようとしたのか、分かりますか?
 「持ち家がない」だけを要求して、その持ち家がどんなものか、持ち家以外の財産がどれくらいあるか、といった事情を一切考慮していないわけです。

 しかも持ち家があるとかないとか言っているの、あくまで「建物」だけの問題で、「土地」は自己所有でもいいことになっています。
 自分の土地に第三者に建物を建ててもらって住み続ける、というのが、特例狙い以外で一般的にあり得るのかどうか想像しにくいですが、規定上は建物さえ他人なら適用OKということです。
 土地活用ってことで借地権を設定してデベロッパーに高層マンションを建築してもらう、自分はそのうちの一室を賃借して住む、といった場合とかですか。


 この、相続時点で持ち家がある/ないという事情が、Cの出戻りの要保護性に影響を及ぼすでしょうか。
 事例2と事例3とでは、持ち家のある/なしと、出戻りの要保護性が反比例しています。
 これら事例は極端、だとしても、一般論として、相続時点の持ち家の存否が出戻りの要保護性に連動するといえるのかどうか。


 ましてや「3年」経てばいいというのも、それによって出戻りの要保護性が高まるとは思えないんですけど。

【相続時点で】
 × 持ち家に住んでいる
 × 持ち家に住んでいた(3年以内)
 ○ 持ち家に住んでいた(3年経過)
 ○ 持ち家に住んでいない(はじめから)

 この点、「事業用」や「貸付用」が3年縛りを要求するのは分かる。
 これまで一定期間にわたり事業等を続けてきたことの見返りであって、これから初めますじゃだめってことですよね。

 ただし誤解してはいけないのは、これらの継続が要求されているのはあくまでも「申告期限まで」ってこと。それ以降も事業継続していくことやその見込みすらも要件ではない。

 ので、これら制度の趣旨を「事業継続」というのは不正確。そのように捉えてしまうと、申告期限後も事業継続しなければならないと、過剰に誤解するおそれがある。

 とはいえ、相続したらすぐ止めていいわけでもなく、申告期限までは続けてねとなっていると。
 この、相続〜申告期限までの期間限定なことをどうにか整合的に説明するならば、

  ・できれば事業残してもらいたいな。
  ・でも、いきなりの相続だし難しい、かな。
  ・よしじゃあ、期間限定お試しでってなら大丈夫、だよね。
  ・続けられそうなら続けて欲しいけど、無理はしないでね。

 こんな感じになるでしょうか。
 立法担当者の当初の心積もりは、本気で事業継続を促進したかったのかもしれません。が、実際に出来上がった中途半端な要件に即した説明をしようとするならば、こういう説明にならざるをえない。

 ところが、こんな優しい気遣いお構いなしに初めから転売予定で相続したとしても、申告期限まで我慢しさえすれば要件は満たせてしまう。
 できれば継続して使ってね、というつもりで試供品を配ったのに、分解されて使えるパーツだけ転売されちゃうみたいな話。

 実は上記説明でもまだ、無理して事業継続におもねった内容にしています。
 実際の要件にピッタリと収まるような説明をするならば、「いきなり事業放置されるとその事業に関わってきた人達が困るから、せめて、せめて申告期限までは続けてね。」となります。
 なかなかの後退っぷりですが、要件を過不足なく説明するにはこう言うしかないんじゃないですか。


 ちなみに、このタイプの誤解を何の躊躇いもなく開陳しているのが、下記記事の「79 財産分与」のところ。
 離婚直前に居住用財産の贈与特例つかうのは法の趣旨にそぐわない、とか言っちゃっている。

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民6)

 なおこの本、第2版が出るらしいですが、編集方針が変わって「新々」にでもならないかぎりは、もはや読むつもりはないです。
 皆さんはぜひ、私のツッコミも含めてアクティブ・ラーニングの材料にして、チャレンジしていただければと思います。



 新 実務家のための税務相談(民法編)〔第2版〕(有斐閣2020)


 さて話は戻って、3年他人の家に住めば出戻りOKという点。

 なぜおかしいと感じるかといえば、「将来の」出戻りを保護するというのに、なぜ「過去の」他人の家への居住実績を要求するのか、というところにあるのでしょう。
 自社PRで「うちの会社は出戻りに手厚いよ!」と書いてあるからてっきり未来志向な会社かと思って面接にいったら、面接官にやたらと過去どこに住んでいたかを聞かれた、みたいな。
 え、これから出戻りするつもりがあるかどうか、全然聞かないんですか?

 出戻り保護という先入観を外して、この3年縛りを文字通りに理解するならば、『他人の家に3年住めば、見返りとしてAの家をお安く相続させてあげるね』と理解することになりますか。

 自分で書いておいてなんですが、何なのこれ?


 要件2−1イウ:相続前の3年間に三親等内の親族・特別の関係がある法人の持ち家に住んでいない

 アですらよく分からないのだから、イウなんてなおさら謎(ウは省いてイのみ検討します)。

 公式で想定している典型例は、《Cと一緒に住んでいる未成年孫Dへの遺贈》を適用不可とすること。

 が、実際の規制範囲は孫(=Cの一親等親族)にとどまらず、かなり広範囲。
 しかも、CD間に「同居」や「生計一」も「無償性」も要求されないので、単に親族関係があるというだけでアウト。

【事例4】
 Cは、叔父さん(三親等親族)がやっている賃貸マンションの一室に相場通りの賃料で住んでいた。

 叔父さんが不労所得でウハウハであることが、Cの出戻りとなんの関係があるというのか。
 叔父さん所有マンションに住むか、第三者所有マンションに住むかで、Cの出戻りの要保護性に違いがあるとは思えませんけど。

 C本人と同一視できる範囲内ならまだしも、ここまで広範囲に拡張した時点で、なにか別の考慮要素が入り込んだ、と考えるしかないでしょう。

 もう一つ事例あげておきます。

【事例5】
 Aに介護の必要が生じたが、A宅は手狭なため、Cは隣のA所有家屋へ引っ越した(生計別、建物別)。

 被相続人も「三親等内親族」に含まれるという罠。そしてこの罠に華麗に引っかかっているのが、最初にリンクを張った記事の本(ドッキリを仕掛けられる側のプロみたいな感じ)。



 被相続人(親)が三親等内親族に含まれるのは、言われてみれば当たり前のことであって、「罠」などというのは言いがかりかもしれません。
 が、ちゃんとした税理士法人がちゃんとした出版社から出版した本ですら欺かれているわけで。

 罠が言い過ぎなら、「人間の先入観を利用した意地悪ななぞなぞクイズ」とでも言っておけばよろしいでしょうか。

 そして、別居・生計別・建物別と揃ってしまうと、詰み。除外要件2−1も作動しない。

 ここまでくると、一体何から家なき子特例を守ろうとしているのか、もう訳がわからないよ。
 村が滅んだ後もプログラム通りに村を守ろうとする古代文明のロボットかよ(冗長な喩えツッコミ)。


 要件2−2:相続開始時に住んでいる家を過去所有したことがない

 公式が想定する典型例は、《持ち家を他人に名義移転しておきながら住み続ける場合》を適用不可とする、というもの。

 が、ここでも「譲渡取引の合理性」「居住の無償性」「譲渡前からの居住の継続性」といった事情を要求しておらず、単に昔所有していた家に住んでいる、ということだけでアウトになります。
 昔所有していた家に住んでいることそれ自体が、将来の出戻りを保護しない理由になるとはとても思えません。

 他方で、要件2−1と違って本人以外所有ならOKなのも謎。


 要件3:相続から申告期限まで継続保有

 申告期限まで「所有」するだけでいいと。
 申告期限までに実際に出戻ることまで要求しないにしても、出戻る「見込み」すら要求していません。

 ので、相続直後から他人に貸し出してもいいし、申告期限後なら売却することすら可能です。
 仮に、二世帯住宅(区分所有なし)に「なんちゃって同居」しているBがいたとしても、です。で、BがCと賃貸借契約を締結していなければ(引渡はある)、買主には居住権を対抗できないでしょう(The 地震売買)。
 もちろん、民法上の例外則の発動はありうるでしょうが。


除外要件2−1:「相続開始直前に被相続人の居住の用に供されていた家屋」は除く

 この要件、次のような事例を想定するなら意味は分かる。

【事例6】
 Aの土地にCが建物を建ててACが同居していた。Cが転勤で借家住まいとなり、Aが一人暮らしになって寂しくなったのか、すぐに亡くなってしまった。

 Cは自分の持ち家に住んではいたけど、そこではつい最近までAと同居していたわけです。
 ので、この場合のCを保護すべき、というのは納得はいきます。

 ただ、「同居」と書いていることからも分かるとおり、これはどちらかといえば「同居特例」の系列です。
 「同居特例」から漏れ出づる「さっきまで同居」を保護しているだけで、「出戻り」とは毛並みが違う。

 他方で、次の事例のように「同居」要素がない場合でも、この要件を使うことが可能です。
 
【事例7】
 Aは自分の土地に建物(旧)を建てて住んでいたが、Cが同建物を取り壊して同土地上に建物(新)を新築した。
 AはCが新建物で同居させてくれるものと思っていたが、CはAにボロアパートをあてがい、新建物にはC一人で住んだ。
 Cが転勤することになったので、Aに新建物に住まわせて維持管理をさせることにした。
 高齢の一人暮らしには住みにくい造りであったり、慣れない環境であったこともあってか、Aは居住後すぐに亡くなってしまった。

 書いているだけでなかなか胸くそ悪くなる事例ですね。もっと盛れそうですがこの程度にします。

 この事例で何が言いたいかというと、CはAと同居する必要はないってことです。

  C居住開始⇒C借家転居⇒A居住開始⇒A死亡(C転居から3年以内)
 と、居住期間がかぶっていなくても要件満たせます。

 この事例に関しては、事実認定の問題として、Aの「居住」を否定する、という考えもありうるかもしれません。
 が、他に住むところがなかったならば、やはり同建物に居住していたというしかないですよね。
 《心のふるさと》理論で、「Aの真の住処はすでに取り壊されてこの世に存在しない旧建物にある」とでもいいますか。

 そもそもこの要件、「同居」なんてことは一言も言っていない。
 単に相続時にAが居住していればいいだけ。ので、こんな胸くそ事例でも適用ができてしまう。
 ゴリゴリの親不孝案件だというのに、Aを住まわせておけばそれでいいんだと。

 原則要件と除外要件の両面が揃っているのだから、そこから何がしかの趣旨が見えてきそうなものですけど、私にはさっぱりわかりません。


 以上、家なき子特例における各要件と出戻り保護との親密度を検証してみました。
 結果、「なんか関係なくね?」というのが私の抱いた感想。

 このズレが生じる原因、要件見ないで先に趣旨を決め打ちしちゃうところにあると思うのですが、次回でこのあたりを掘り下げます。
 前回に引き続き、次回予告としての意味深なキーワード列挙をどうぞ。

 ・よーしお父さん、はりきって出戻り保護しちゃうぞ
 ・消極要件詰め合わせ
 ・特例クイズ!一体何を保護しているのでしょ〜う、か!?
 ・安心してください!安定していますよ。
 ・偽陰性と偽陽性
 ・出戻り保護標語コンクール
 ・週刊「家なき子特例」
 ・Over The Hermeneutics
 ・ただし金持ちCさん除く
 ・今日から君たちには出戻りを保護してもらいます
 ・お前の愛する出戻り抱きしめてみろよ
 ・デモドリ姫
 ・いろんなテイルズ要素
 ・一体いつから 鏡花水月を遣っていないと錯覚していた?
 ・イタチな要件
 ・壮大な物語へのプレリュード

 それでは次回、お楽しみに!

ぼくたちは出戻り保護ができない。 〜家なき子特例の趣旨探訪2
あの日見た特例の趣旨を僕達はまだ知らない。 〜家なき子特例の趣旨探訪3(完)
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2020年11月16日

白井一馬「小規模宅地等の特例」(中央経済社2020)

 小規模宅地等の特例、第2期3部作で一区切りつけたはずでした。

【小規模宅地等の特例】
・第1期
パラドキシカル同居 〜或いは税務シュレディンガーの○○
イタチ、巻き込み。 〜家なき子特例の平成30年改正
ヤバイ同居 〜続・家なき子特例の平成30年改正

関場修 山口暁弘「小規模宅地等の評価減の実務 第4版」(中央経済社2018)

・第2期
タックスアンサーの中の譲歩と抵抗 〜小規模宅地等の特例を素材に
「要件書き込み」は趣旨解釈を駆逐する。〜小規模宅地等の特例を素材に
オーバーホール租税法・序論 〜小規模宅地等の特例を素材に

 が、白井一馬先生の本が出たということで、読んでみることに。



 白井一馬「小規模宅地等の特例」(中央経済社2020)

【条文】
租税特別措置法69条の4
租税特別措置法施行令40条の2

【タックスアンサー】
No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)


 以前の記事で、税務本には表ものと裏ものがある、ということを書きました。

【税務本の表と裏】 
西村美智子 中島礼子「組織再編税制で誤りやすいケース35」(中央経済社2020)

 本書は裏のほう。

 表本だけでは見落としがち・誤解しがちな箇所を、Q&A形式で解説してくれています。
 他方で、知識・情報が網羅されているわけではないので、本書だけで本特例を理解できるわけではない。
 あくまでも、表本で得た知識の補強・目地埋めとして利用するものです。

 また、「立法趣旨」を重視した記述をされているので、暗記に頼らない制度理解を進めることができます。
 ただし、その「立法趣旨」が本当に正しいか、疑問に思わないでもない箇所が。

 その疑問について、特例の立法趣旨の検討から始まって、一気に書き上げました。
 が、書評記事というにはあまりにも脱線しまくっていたり、もしかして私が読み違いをしているだけかもしれません。
 ので、次週以降に別記事として掲載いたします。

 意味深なキーワードを背景に流す次回予告のイメージで、登場する重要用語を列挙しておきます。
 ただし番組内容は変更する可能性があります(いわゆる次回予告詐欺)。
 
 ・露払い
 ・へそ曲げちゃって
 ・遺産分割デッドロック
 ・節税屋さん
 ・レジデンス
 ・金持ちCさん貧乏Cさん
 ・高低差ありすぎて耳キーン
 ・試供品
 ・うちの会社は出戻りに手厚いよ!
 ・ドッキリを仕掛けられる側のプロ
 ・人間の先入観を利用した意地悪ななぞなぞクイズ
 ・古代文明のロボット
 ・The 地震売買

 次回、お楽しみに!

僕たちは!出戻り保護要件です!! 〜家なき子特例の趣旨探訪1
ぼくたちは出戻り保護ができない。 〜家なき子特例の趣旨探訪2
あの日見た特例の趣旨を僕達はまだ知らない。 〜家なき子特例の趣旨探訪3(完)
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2020年11月09日

太田勝造「AI時代の法学入門 学際的アプローチ」(弘文堂2020)

 ※以下は、タイトルに釣られて買ったことと私の理解力のなさを自白する文章で構成されています(予め予防線)。



太田勝造「AI時代の法学入門 学際的アプローチ」(弘文堂2020)

 タイトルに「AI」が入り込んでいるものの、テーマを「AIと法」に絞っているわけではありません。

 用法としては、「縄文時代」とか「ダルビッシュ世代」などと同じ意味合い。
 あくまでもその時代を代表するもののひとつをあげているだけ。
 土器だけがあの時代の文化的特徴ではないし、あの世代がみなダルビッシュ投手のような選手ではないし。
 
 散開感という意味では、一昔前の『現代法学入門』などといったお堅めの本と同じ風。
 『現代』の部分を今様の流行りワードに入れ替えてみた、といった感じの。

 が、法学入門で「税込2,860円」という価格設定はお高め。
 もちろん、これだけ高度な内容からすればこれでも安いくらいだ、という自己評価はあるかとは思います。
 ですが、そもそも高度な内容であること自体、法学にほんのり興味をもった人が読めるものではない。

 昨今のリモート学習環境ならば、指定教科書として買わざるを得ないであろうことを見越してなのか、そうなのか(先輩お下がり市場及び図書館コピー文化の壊滅的状況を想起せよ)。

法学研究書考 〜部門別損益分析論


 本書は、従来の法学を「条文と判例の丸暗記」とサゲて、他分野の成果を取り込むべきだというところから始まります。
 これ、かつての《法と経済学》が流行りだしたころのノリを彷彿とさせる(以下、従来の法学を「従来型」といいます)。

 そのノリというのは、従来型を不合理だとサゲた上で、経済学内の道具立てで説明できない法制度は間違い!という勢いだったかと。
 私自身は最初からリアルタイムで体験したわけではないですが、出始めの頃を述懐した文章などを読むと、そういう印象を受けました。

 で、そのうち両分野を内在的に理解できる頭のいい人が現れてくると、そのような一方的な主張が緩和されてきて、従来型を活かしつつうまく取り入れられるようになると。
 結果、今となっては会社法などいくつかの分野で経済学の道具立てが取り入れられつつも、未だ、従来型の根幹の部分がごっそり入れ変わったわけではない。

 また、サブタイトルにある『学際的』という旗振り用語で私が思い出すのは、かつての「システム論」「システム理論」を法学に取り入れようという試み。
 個人的には、とてもおもしろそうだと思ったんですが、今どうなっているんですかね。



T.エックホフ、 N.K.ズンドビー 「法システム―法理論へのアプローチ」(ミネルヴァ書房1997)

 という感じで、他分野の成果を取り入れよう、という試みは過去何度も繰り返されているものの、従来型の枠組みが大幅に影響を受けることはなかった、というのが私の見立て。

 「法政策学」なんて、いまだに平井宜雄先生の教科書にとってかわるような教科書が出てきませんし。



平井宜雄「法政策学 法制度設計の理論と技法」(有斐閣1995)

 もちろん、個別論文のレベルでは展開されているのかもしれません。が、「教科書」レベルでどれくらい出てくるか、というのが一つの目安ではあろうかと思います。
 まさに、会社法だと教科書レベルでも「法と経済学」のアプローチが結構な割合で展開されているわけで。


 本書でも、あれこれ他分野のご紹介がされているのですが、現状の法実務の運用にどのように関わってくるのかがあまり見えてこない。

 すでにできあがっている建物を目の前にしながら「これよりも他にこんなに素晴らしい『建材』があるんですよ!」と、次々と建材の性能だけのセールストークを聞かされている感じ。 
 どんなに既存の建材よりも優れていたとしても、それを従来の建物に組み込むには一部修繕だけですむのか、それとも全面的な建替えが必要なのかといった、従来の建物との関係を説明してもらえないと、実際にそれを採用するかの判断ができないですよね。

 もちろん、それが専門業者の集まる建材見本市での話ならばそれで全く問題はないでしょう。
 が、一般消費者向けのフェアでそんな売り方してたらどうなるのさ、という話です。

 突飛な例え話をもって、私が何を問題視しているかといえば、タイトルに『法学入門』と冠していること。
 従来型の入口に擬態して、全く違う方向に連れて行こうとしている。

 この手の本は、あくまでも『アナザー』であって、法学入門者がいきなり読むものではない、というのが私の見立て。
 FFのXをやらずにいきなりX-2からやらせるかよ、という話。



ファイナルファンタジーX/X-2 HD Remaster

 今ならセットで買えるので安心。


 従来型を「海外の法制度・法学者の議論の紹介どまり」とディスりながら、本書でも同じようなノリで他分野のご紹介が展開されている(と私は感じました)。
 法学の内か外かの違いはあれど、《ご紹介感》が強いのは共通。

 また、従来型を「条文と判例の丸暗記」だと批判するものの、それ以上に詳しく説明しないまま「学際的」のほうのご紹介へ進んでしまいます。
 『守破離』でいうところの、いきなり『離』からはじめるやつ。
 あるいは、具象画から始めずにいきなり抽象画を描き出すみたいな。

 が、従来型に問題があるのならば、一旦はそれを内在的に理解するというプロセスが必要でしょう。
 でないと、従来型の何が問題で、そして「学際的」の何が優れているのかも理解できない。

 従来型がどんなにイケてないにしても、みんながそれに倣って長いこと実務運用をしてきたわけです。
 そのような積み重ねによる実績があること、それ自体に法的安定性という価値があるわけで。

 「王様は裸だー!」と暴露したとして、そもそも裸でいることが問題である、という共通理解が存在していなければ、その暴露は成り立ちません。
 さすがに裸だと喩えとして適切でないとすれば、「王様はお焦げ好きだー!」でもいいです。
 お焦げをどれだけ食べると体に悪いのか、そして王様はどれだけお焦げを食べているのか、といった前提事実が分からなければ、それがどれだけ問題なのか明らかになりません。

 もし仮に問題があるということで王様を失脚させたとして、そのあとの統治をどうするのか、ということも問題になります。
 お焦げ好きでもさしあたり統治がうまくいっているのならば、わざわざ現状をひっくり返す必要もないだろうと。
 
 「自然権」なるものの実在を証明できなくても、そのほうがみんなが納得できるというならば、そういう説明も残しておく、という戦略的判断もあるわけだし(王様の喩えが突飛なので、法学っぽい話に戻しました)。

【インセンティブ論×自然権論】
田村善之「知財の理論」(有斐閣2019)

 過去これまでの「学際的アプローチ」によるチャレンジが、法学の根幹を突き崩すところまでいっていないのは、既存の価値を捨ててまで取って代わるだけのメリットがみえていないからではないのか。


 従来型の法学入門をディスっているものの、この浅く広くの紹介の仕方、憲法・民法・刑法〜といった感じで代表的な法分野を概観していく概説書とあまり変わらないじゃん。

 今どきは、ポイントを絞って初学者に興味を持たれるような構成にしている法学入門もあるわけです。
 のに、わざわざ従来型の法学入門の構成に倣うという謎の所作。

 やはり共著は避けたほうが無難、という知見がまたしても積み重なっていく。


 以上、ここまでの論難は、あくまでもタイトルに「法学入門」を入れ込んだことに対するものです。
 中身はそのままで、アナザー、オルタナティブであることがわかるタイトルになっていてくれれば、我々《入門書警察》が出動することはありませんでした。

 専門書が売れない昨今だからこそ、売らんがな系のタイトルや宣伝文句には厳しい目を向けざるをえない。

【宣伝文句問題】
税法思考が身につく、理想の教科書を求めて 〜終わりなき旅
高木

 他方で、団藤重光先生のようにタイトルロンダリングしておいてくれれば、入門書警察的にはセーフ。

団藤重光『法学の基礎』(有斐閣2007)


 皆様が本書のタイトルをみて期待したことをそのまま実現したいならば、小塚壮一郎先生の新書を読むことをオススメしておきます。



小塚荘一郎「AIの時代と法 (岩波新書) 」(岩波書店2019)
posted by ウロ at 09:40| Comment(0) | 法学入門書探訪

2020年11月02日

西村美智子 中島礼子「組織再編税制で誤りやすいケース35」(中央経済社2020)

 いわゆる「税務本」、本ブログではほとんど紹介することがありませんでした。



西村美智子 中島礼子「組織再編税制で誤りやすいケース35」(中央経済社2020)

 「税務本」というのは、法令・通達・公式(タックスアンサーなど)に書かれていることメインで構成されていて、「法解釈」の要素が希薄(あるいは皆無)なものをいっています。

 念のため、「希薄(あるいは皆無)」というのは決してディスっているのではなく。
 専門家特有の法解釈テクニックを用いなくても相当程度運用できる、というのは「租税法律主義」のあるべき姿であって、悪いことではない。


 本ブログで実務寄りの本の記事というと、これくらいですかね。

関場修 山口暁弘「小規模宅地等の評価減の実務 第4版」(中央経済社2018)

 当然のことながら、業務の必要から大量の税務本を読んではいます。
 ブログで紹介している「法学本」は、余った時間で趣味として読んでいるにすぎません。
 しかしまあ、趣味で法学本を読むというのも、なかなかのアレですね。

 今は唸り呻きながら下記の体系書を少しづつ読みすすめていますが、こちらは税務とそれほど乖離していないからセーフ。変に実務に寄せたものよりも、徹底的に学理を突き詰めた法学書のほうが実務に効いてくる、というのが私の体感。



中田裕康「債権総論 第4版」(岩波書店2020)

 法学本と比べて、税務本はどのあたりをおイジりあそばせばよろしいのかがいまいち掴めていませんでした(ただし、中田先生の上記体系書は隙がなさすぎておイジり不能)。

【隙ありアクティブ・ラーニング系】
三木義一「よくわかる税法入門 第14版」(有斐閣2020)
「新 実務家のための税務相談(民法編) 」(有斐閣2017)
後藤巻則「契約法講義」(弘文堂2017)

 ただ、なんとなく税務本の嗜み方がわかってきた気がするので、これから少しずつ開放してみようと思います。


 完全に私見ですが、税務本には「表」バージョンと「裏」バージョンがあるように思います。
 当該制度を「表側」から記述するものと「裏側」から記述するもの、といった意味合い。

 ただし、このネーミングはいまいち腑に落ちていないです。
 本当は、「表本/裏本」あるいは「表モノ/裏モノ」にしようと思ったのですが、裏側がいかがわしい方面に誤解されそうなので却下。
 「表側から本/裏側から本」では長いし。

 以下では「表/裏」と極端に略すか、あるいは「表本」のほうだけ使います。


 表裏、おおまかな傾向として、それぞれ以下のような特徴があります。

【表バージョン】
・ほぼ法令、通達、公式情報そのままで構成されている。
・書名が月並み、かぶりがち。
・一通りの情報が並んでいる。
・ヤマなし、オチなし(意味はある)。
・国税庁職員が余暇を利用して書きがち。
・はしがきに「本書の見解はあくまで私見で所属組織の見解ではない」などと書かれていたりするが、実際に私見が披露されることはほぼない。
・制度が新設、改正されてからかなり早めに出版される。

【裏バージョン】
・表バージョンでは見落としがち、理解しにくいところに絞って記述。
・書名が特徴的。
・記述は網羅的でない。
・単体で読んでも理解できない。
・ある程度、実務運用が積み重なってから出版される。

 もちろん、一冊の本が必ずどちらかに割り振れる、とはかぎりません。
 一冊の中で、表要素が強めとか裏要素が強めといったこともあります。


 表は信頼できるものが一冊あれば足ります。基本的に誰が書いても内容は同じなので。
 ので、漏れなく書かれていることが重要です。

 そして何冊読んでも新しい知見が得られることはない。
 私のように「同じ本を繰り返し読んでも記憶に定着させにくい」という特殊な癖をもった者もいますので、そういう傾奇者ならば、同じようなことが書かれた別の本、というのも役に立つことはありますが。

 他方で、裏は著者の実務での知見が盛り込まれているので、いろんな角度からの本を読んでみるのが有益。
 これが、裏っぽい宣伝文句なのに全然実務に響いてこないとなると、「コイツ実務経験なしに空想で書いてやがるな」ということが推測できます。

【宣伝文句問題】
税法思考が身につく、理想の教科書を求めて 〜終わりなき旅

 そして、最終的には、条文だけをみて自力で裏読みできるようになるのが理想。

《表裏・三段活用》
 1 裏を読んで表本を理解する。
 2 表本を読んで自力で裏読みができるようにする。
 3 条文から直接裏読みができるようにする。

【参照:三段階学習法】
安田拓人ほか「ひとりで学ぶ刑法」(有斐閣2015)
南野森「ブリッジブック法学入門(第2版)」(信山社2013)
伊藤滋夫編「租税訴訟における要件事実論の展開」(青林書院2016)


 ちなみに、「質疑応答集」「事例集」「問答式」「Q&A」などをタイトルに冠した書籍、通達とタックスアンサーそのままの事例を載せているだけのものが多い。
 もちろん例外はありますが、少数派(個人の体感です)。
 どの本読んでも似たような事例が載っているのは、そういうこと。

 が、せっかく事例を使うならば、あてはめに悩むようなものをあげてくれないとあまり役に立たない。
 当該事例の結論がそうなるとして、ではどうすれば課税されなくなるのかとか、どこまでやったら課税されるかとか、応用をきかせることができないわけで。

 当然のことながら、事例の回答が「ケースバイケースですね。」などというのは論外として。

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民6)


 例によって前置きが長くなりましたが、本書について。

 「組織再編税制」、込み入りすぎですよね。
 本ブログでも、ピンポイントでネタにすることもありますが。

横流しする趣旨解釈(TPR事件・東京高裁令和元年12月11日判決)

 「課税要件明確主義」とか「納税者の予測可能性」とか言ってる方々、同税制の条文を目の前にしてもまだそんなこと言うか、と問い詰めたくなるような。
 これら条文を納税者に分かりやすく改変するなんて、できるものならやっていただきたい。

 条文の読み方だけでプロ向けの専門書が一冊できあがるくらいの領域よ。



中島礼子「そうだったのか! 組織再編条文の読み方」(中央経済社2018)


 本書は、表本を読んだだけでは見落としがちな論点に絞って解説したもの。

 決して表本に書いていないわけではありません。
 この本読んでから、再度表本を読みかえしてみると、確かに書いてはあるんですよね。
(書いていないとしたら「漏れ本」ということになるので、表本としては失格。)

 が、「ヤマなし本」を普通に読んでいるだけでは、そこが落とし穴になっていることを見逃しがち。

 表本が「平面図」だとするとそれを「立体視」してくれるようなもの。
 もちろん、立体視用のデバイスなので、元となる平面図を理解していないとこの本だけ読んでも組織再編税制を理解することはできません。

 他方で、表本のほうに漏れがあったりするとうまく立体視できないので、そちらはそちらで信頼できる本が必要。
 立体視することで気づいたことを、表本に「ここ注意!」とか書きためていくと、実務で使える本に仕上がっていくはずです。


 本書の構成は、まず間違った判断を示した上でその間違いを指摘する、という流れになっています。
 これがまさに「裏側から」の解説。

 表本だと要件がそのまま並んでいるだけで、どうなったら要件を満たさなくなるか、とか、どの要件の検討を見落としやすいか、などといったことは書かれていない。
 に対してこの本では、具体的な要件のあてはめ方・検討の仕方を学ぶことができます。


 また、本書では数字を入れた具体例で説明してくれるので、理解しやすい。

 類書だと、仕訳は書いてあるけど数字のところが「×××」となっている本があったり(伏字ではない)。
 ここにちゃんと数字が入っているので、とてもイメージがしやすい。


 ただし、本書はあくまでも(最初に述べた)「税務本」の範疇におさまっています。

 表本で見落としがちなところを強調しているにとどまり、法令等に明記のない「法解釈」が必要な領域までは手を出していません。
 比喩的にいえば、表本を「縦方向」にそのまま立体視しただけで、「横方向」にまで拡張はしていないということ。

 それが意図的かどうかは分かりませんが、その切り分け自体は一つの見識だとは思います。
 まずは、法解釈を展開しないでもすむ領域をしっかりマスターするんだと。
 「紛争系」はまた別の本で補えばいいわけで。

 私としては、日常系税務においても(紛争系とは性質の異なる)法解釈論を展開すべき領域があるとは思っていますが、あくまでも妄想段階。


 判決・裁決に一切触れないでも「実務書」として成立するの、「税務本」特有の現象なんでしょうか。
 弁護士向けの「法務本」で裁判例に触れずに作り上げるのは、ちょっと無理ですよね。
 あるとしても特定の分野に限られ、税務みたいに全体として日常系/紛争系に分かれるものはさすがにないんじゃないかと。

 こんな曲芸ができるのは「租税法律主義」のおかげ、ではなく、通達をはじめとする運営側(国税庁)の詳細なルール設定のおかげだと思います。
 これまでも再三述べているように、法令だけを見て非専門家がその内容を理解できるとはとても思えません。
 (結論が正しいかどうかはさておき)運営側がどのように法令を運用するかを事前に公開してくれるおかげで、行動の指針が明確になるわけです。


 法務の世界で、税務における通達ポジション的なものを見出すとしたら、業界団体の自主規制ルールでしょうかね。
 いわゆるソフトローの世界。



 中山信弘編「ソフトローの基礎理論」(有斐閣2018)

 翻って税務における通達の機能というものを考えるに、これもある種の「ソフトロー」といってもよいのかもしれない。
 国家によるルール設定ではあるものの、実体法レベルでは「法的拘束力」がないという意味では自主規制ルールと同じなわけで。

 のはずなのに、裁判所が通達丸呑みみたいな判決を出したりすると、がっかりさせられる。


 「リーガルマインド」的なものを学び始めると「通達行政」をやたらとディスる意識高い系になりがち。
 が、「予測可能性」という観点からすれば、法令だけでは不十分なのは明らかで、それがどのように運用されるのかを事前に公開してくれるのは有り難い。

 もちろん、その運用が法の解釈として適切なものかを検証するには、「リーガルマインド」的なものは必要でしょう。
 が、何もかもをゼロベースから検証するのは極めて非効率。


 とかいうことを書きながら、ふと思ったのが「刑法(解釈)学」のこと。

 刑法の教科書には、必ず最初のほうに「罪刑法定主義」「刑罰法規の明確性」ということが高らかに謳われています。
 国民の行動の自由を保障するため、刑罰を科すには事前に法律で明確に定めておくことが、憲法上要請されているんだと。

 それ自体はそのとおりなんですが、それより後ろのページには、およそ国民一般が理解しがたい難解な刑法解釈論が展開されているのがお決まりのパターン。
 その難解な解釈論を、我々一般人が行動の基準としうると本気で考えているのかよと。

 一応擁護めいたことをいうならば、難解な議論が展開されているのは限られたレアケースについてだけであって、大部分の刑事事件はそんな難解な議論を経由しなくても粛々と処理されているんだと。
 税務になぞらえるならば、通達ベースでそのまま処理できるレベルの案件。

 擁護のつもりで言ってみたものの、むしろ刑法学の活躍場面を矮小化する結果になっていますか。
 本来ならば、常識で判断できるような場面でなく、ギリギリのレアケースでこそ、一義的に判断が導ける理論が必要なはずなんですけども。


 話を税務に戻して。

 そうすると、通達は一義的に結論が導けるようにしておくべき、ということになるのでしょう。
 現に、大部分の通達はそうなっている(はず)。

 で、うっかりそうなっていない通達があると、「通達は文理解釈すべし!」などというクレイジー判決に法解釈を施されちゃう(イジられ判決の一生)。

解釈の解釈を解釈する(free rider) 〜東京高裁平成30年7月19日判決


 ちなみに、「紛争系」の本についても、理念としての「表と裏」を想定することができます。
 表は当該判決の解説に留まるもの、裏はその判決を判例としてどのように使うかを検討したもの。

 表を「判決本」、裏を「判例本」と表現してもよいかもしれません。
 タイトルに「判例集」とあっても、単なる判決の寄せ集めにすぎないものもあるので要注意。
 その判決群から、自力で判例を抽出しないといけない。

 そもそも、当該判決は、それ自体で直ちに判例となるわけではありません。
 後続判決にて判例として引用されてはじめて、それが判例であることが確定するわけで。

  先行判決@
  後続判決A(判決@を引用)←この部分が判例

 そしてそれは、当該事案で使われたかぎりでしか姿を確認することができないものです。
 @がまるごと判例なのでなく、Aの中で利用された部分だけ。

 『判例は、引用判決の中でしか生きられない。』

 もちろん、出た時点で「規範力強そう」な判決(絶倫系判決)というのはあります。
 が、これも法制上はあくまでも、将来めっちゃ判例になりそうなやつ、というにとどまります。

判例の機能的考察(タイトル倒れ)
非居住者に支払う著作権の使用料と源泉徴収の要否について(その12)

 で、判決本/判例本についても、税務本と同様の段階的学習を想定することが可能です。

《判決⇒判例・三段活用》
 1 判例本を読んで判決解説本から判例を抽出できるようにする。
 2 判決解説本から自力で判例を抽出できるようにする。
 3 判決から直接判例を抽出できるようにする。


 以上、本の紹介の体裁をとっておきながら、全体として脱線につぐ脱線。

 書評としてのお作法は完全に無視していますが、今後も税務本の紹介をするとしたらたぶんこういう感じの記事になる気がします。
 というか、本ブログの本の紹介記事はイジり倒すか/褒めちぎる/脱線するのいずれかで、まともに書評らしい書評を書いたことがないかも。
posted by ウロ at 10:07| Comment(0) | 法人税法