2022年01月10日

機能的年末調整論(その4) 〜年末調整と死別(子)

 ちょっとアレなので、機械的に検討していきましょう。


 基本的には、法85条により「死亡日の現況」で判断となるため、年の中途で死別したら当年は「扶養親族(子)あり」扱いとなります。が、控除の性質に応じて若干の違いがでてきます。

1 給与所得控除

 前年 適用あり
 当年 本人の給与収入のみで判定なので影響なし

2 所得金額調整控除

 前年 23歳未満の扶養親族有りとして適用していた
 当年 当年は適用できる

 死亡日の現況で判断となるため、当年までは適用できます。

3 基礎控除

 前年 適用していた
 当年 本人の所得のみで判定なので影響なし

4 社会保険料控除

 前年 子負担分につき適用を受けていた
 当年 死別まで支払分は適用あり(?)

 「?」とあるのは通達がないからです。

5 小規模企業共済等掛金控除

 前年 適用を受けていた
 当年 本人負担分のみなので影響なし

6 生命保険料控除

 前年 受取人子で適用を受けていた(一般・介護)
 当年 死別まで支払分は適用あり(通76-1)

 急いで受取人変更する必要があるかどうかは、死別(配偶者)のところで述べたところです。
 なお、「個人年金」については、受取人:扶養親族(子含む)は控除対象外です。

7 地震保険料控除

 前年 子所有住居につき適用を受けていた
 当年 死別まで支払分は適用あり(?)

 「?」とあるのは、上記同様。
 もし、住宅を相続すれば、引き続き適用を受けられることになります。

8 配偶者控除・配偶者特別控除

 前年 適用を受けていた
 当年 影響なし

9 扶養控除

 前年 子を控除対象として適用していた
 当年 当年は適用できる

 死亡日の現況で判断となるため、当年までは適用できます。
 なお、年齢要件も死亡日の現況で判断します。ので、「12/31の現況」で23歳になるはずだった場合でも、当年は特定扶養親族でいける可能性があるということです。

10 障害者控除

 前年 配偶者を障害者として適用を受けていた
 当年 当年は適用できる

 死亡日の現況で判断となるため、当年までは適用できます。

11 寡婦控除(女性・合計所得金額500万円以下)

 前年 適用なし
 当年 影響なし

12 ひとり親控除(合計所得金額500万円以下)

 前年 適用を受けていた
 当年 当年は適用受けられる

 死亡日の現況で判断となるため、当年までは適用できます。

13 勤労学生控除

 前年 適用を受けていた
 当年 本人が勤労学生の場合だけなので影響なし

14 住宅ローン控除

 前年 適用を受けていた
 当年 影響なし

 なお、「単身赴任」の場合の問題は前々回・前回と同様です。


 以上、《印紙税法学》樹立の夢が絶たれた今、《年末調整法学》樹立に夢を託すしかない。
 ということで、年末調整に対する「機能的考察」を試みてみました。

さよなら契約の成立と印紙税法 (結局いつもひとり)

 年末調整についても「電子化」の波に呑まれつつあるわけですが、これが年末調整「存続」の方向に働くのか、それとも個々人が電子で申告すべきだとして「解体」の方向にいくのか、今のところはまだ分かりません。
posted by ウロ at 10:30| Comment(0) | 年末調整