2025年05月12日

特定親族特別控除の条文構造

 令和7年税制改正により、「特定親族特別控除」が新設されたわけですが。

 「控除額」などは、巷の《税務お役立ち記事》をご参照いただくとして。当ブログでは、誰のニーズもない「条文構造」の確認をしておきます。

いろんな配偶者(所得控除編)
いろんな親族(所得控除編)


 対比用として、既存の「配偶者特別控除」の条文構造から確認します。

所得税法 第八十三条の二(配偶者特別控除)
1 居住者が生計を一にする配偶者(第二条第一項第三十三号(定義)に規定する青色事業専従者等を除くものとし、合計所得金額が百三十三万円以下であるものに限る。)で控除対象配偶者に該当しないもの(合計所得金額が千万円以下である当該居住者の配偶者に限る。)を有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額を控除する。
(略)


 生計を一にする配偶者
  配偶者の合計所得金額133万円以下
  本人の合計所得金額1,000万円以下
  控除対象配偶者除く
  事業専従者(青色、白色)除く

 「103万円の壁」の底上げがあったわけですが、配偶者特別控除の条文上は何の影響もありません。
 同一生計配偶者→控除対象配偶者の合計所得金額がアップしたことにより、結果として「控除対象配偶者に該当しないもの」の範囲が拡大し、配偶者特別控除の下限がアップした。が、上限は据え置きなので条文の書き換えがされていない、ということになっています。

 どういうわけだか分かりませんが、配偶者特別控除の対象となる配偶者については、専用の用語が用意されていません(アンネームド)。


所得税法 第八十三条の二(配偶者特別控除)
2 前項の規定は、同項に規定する生計を一にする配偶者が、次に掲げる場合に該当するときは、適用しない。
一 当該配偶者が前項に規定する居住者として同項の規定の適用を受けている場合
二 当該配偶者が、給与所得者の扶養控除等申告書又は従たる給与についての扶養控除等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として第百八十五条第一項第一号若しくは第二号(賞与以外の給与等に係る徴収税額)又は第百八十六条第一項第一号若しくは第二項第一号(賞与に係る徴収税額)の規定の適用を受けている場合(当該配偶者が、その年分の所得税につき、第百九十条(年末調整)の規定の適用を受けた者である場合又は確定申告書の提出をし、若しくは決定を受けた者である場合を除く。)
三 当該配偶者が、公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に記載された源泉控除対象配偶者がある居住者として第二百三条の三第一号から第三号まで(徴収税額)の規定の適用を受けている場合(当該配偶者がその年分の所得税につき確定申告書の提出をし、又は決定を受けた者である場合を除く。)


 適用除外となるパターンが列挙されています。「配偶者控除」と違って、配偶者ポジションとなる人自身にも税額が発生するがゆえの手当てです。

 以下、叙述の都合上、配偶者特別控除の対象となる配偶者を「特定配偶者」と呼びます(あくまでも便宜であって、条文上の用語ではないです)。

1号
 AがBを特定配偶者としている場合、BはAを特定配偶者とすることはできない。

 日本の民法では「一夫一妻制」を採用しておりますので、「夫婦どちらかしか、配偶者特別控除は適用できない」と言い換えることができます。

2号・3号
 Aが、Bを「源泉控除対象配偶者」として源泉徴収されている場合、BはAを特定配偶者とすることはできない。

 月次の源泉徴収の段階で扶養1人として反映しているのも除外する、ということです。

 括弧書きで、Aが「確定申告」していれば除くとある理由。
 確定申告の結果、AがBを特定配偶者としなければ、BはAを特定配偶者としてもよいことになります。他方で、AがBを特定配偶者とした場合は、2号・3号は適用されないものの、1号によりBはAを特定配偶者とすることはできないこととなります。


所得税法 第八十三条の二(配偶者特別控除)
3 第一項の規定による控除は、配偶者特別控除という。


 「見出しに書いてあるからいいだろ」ではなく。きちんと本文で名乗りをあげてくれています(偉いね)。



 さて、本論である「特定親族特別控除」について。「配偶者特別控除」との違いを意識しながら整理します。

所得税法 第八十四条の二(特定親族特別控除)
1 居住者が生計を一にする年齢十九歳以上二十三歳未満の親族(その居住者の配偶者を除く。)及び児童福祉法第二十七条第一項第三号(都道府県の採るべき措置)の規定により同法第六条の四(定義)に規定する里親に委託された児童(第五十七条第一項(事業に専従する親族がある場合の必要経費の特例等)に規定する青色事業専従者に該当するもので同項に規定する給与の支払を受けるもの及び同条第三項に規定する事業専従者に該当するものを除くものとし、合計所得金額が百二十三万円以下であるものに限る。)で控除対象扶養親族に該当しないもの(以下この項及び次項において「特定親族」という。)を有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から、その特定親族一人につきその特定親族の次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に定める金額を控除する。
(略)


 「特定親族」
  生計を一にする親族(配偶者除く)・里子
   特定親族の合計所得金額123万円以下
   控除対象扶養親族除く
   事業専従者(青色、白色)除く

 配偶者特別控除とは異なり、「特定親族」という名称が与えられています(ネームド)。
 配偶者は「法律婚」による配偶者しか対象にならないから、むき出しの配偶者だけでよいのに対し。ここでは「里子」を含めるため、あえて専用の用語を用意したのでしょうか。

 合計所得金額の上限がズレているという、そこはかとないキモさはさておき。下限が「控除対象扶養親族」に影響されるという構造は、配偶者特別控除と同じです。
 居住者本人(以下「適用者」といいます)側の所得要件は課されていません。


所得税法 第八十四条の二(特定親族特別控除)
2 前項の規定は、次に掲げる場合に該当するときは、適用しない。
一 特定親族が前項に規定する居住者として同項の規定の適用を受けている場合
二 特定親族が、給与所得者の扶養控除等申告書又は従たる給与についての扶養控除等申告書に記載された源泉控除対象親族(特定親族に限る。)がある居住者として第百八十五条第一項第一号若しくは第二号(賞与以外の給与等に係る徴収税額)又は第百八十六条第一項第一号若しくは第二項第一号(賞与に係る徴収税額)の規定の適用を受けている場合(当該居住者としてこれらの規定の適用を受けている特定親族が、その年分の所得税につき、第百九十条(年末調整)の規定の適用を受けた者である場合又は確定申告書の提出をし、若しくは決定を受けた者である場合を除く。)
三 前二号に掲げる場合のほか、政令で定める場合


 こちらでも、適用除外となるパターンが列挙されています。これも「扶養控除」と違って特定親族側に税額が発生するがゆえの手当てです。
 が、「一夫一妻制」による外在的制約がかからないゆえ、規律の仕方が異なっています。

(なお、これら適用除外ルールは「税制改正大綱」には明記されていなかったものです。そのため、「大綱読めども条文読まず」な巷の《税務お役立ち記事》では、改正法が成立した今現在に至っても、適用除外ルールに触れないものがほとんどです。)

法1号
 具体例が適切かどうかわからないのですが。
 たとえばA(22歳)・B(21歳)・C(20歳)の3人兄弟(生計一)がいたとして。Bが、Cを「特定親族」として「特定親族特別控除」を受けている場合、AはBを「特定親族」とすることはできない、ということになります。

 A
 ↓ 適用不可
 B
 ↓ 特定親族特別控除
 C

法2号
 意味合いは、上記の配偶者の場合と同じです。が、夫婦と違ってA⇔B相互に限られるわけではありません。
 上記3人兄弟の例でいうと、Bが、Cを「源泉控除対象親族(特定親族に限る)」としている場合、AはBを「特定親族」とすることはできない、ということになります。Bが確定申告した場合の規律は、配偶者の場合と同じです。

 A
 ↓ 適用不可
 B
 ↓ 源泉控除対象親族
 C

 ただ、「源泉控除対象親族」を「特定親族」に限定している理由が、よく分からなくって。
 「控除対象扶養親族」ならどうせ税額出ないんだから、除外しなくたって問題ないだろ、という舐めプからなのか。そうだとすると、配偶者特別控除の場合に、「源泉控除対象配偶者」が何らの限定無しに丸ごと除外されていることと、整合しないように思うのですが。

 法3号の政令は次のとおり。

所得税法施行令 第二百十七条の三(特定親族特別控除を適用しない場合)
 法第八十四条の二第二項第三号(特定親族特別控除)に規定する政令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 他の者が、法第八十四条の二第一項に規定する居住者を、当該他の者の提出した法第百九十四条第八項(給与所得者の扶養控除等申告書)に規定する給与所得者の扶養控除等申告書又は法第百九十五条第六項(従たる給与についての扶養控除等申告書)に規定する従たる給与についての扶養控除等申告書に記載された源泉控除対象親族(法第八十四条の二第一項に規定する特定親族(第二百十八条の二(二以上の居住者がある場合の生計を一にする配偶者の所属)及び第二百十九条(二以上の居住者がある場合の扶養親族及び特定親族の所属)において「特定親族」という。)に限る。次号において同じ。)として、法第百八十五条第一項第一号若しくは第二号(賞与以外の給与等に係る徴収税額)又は第百八十六条第一項第一号若しくは第二項第一号(賞与に係る徴収税額)の規定の適用を受けている場合(当該他の者が、その年分の所得税につき、法第百九十条(年末調整)の規定の適用を受けた者である場合又は確定申告書の提出をし、若しくは決定を受けた者である場合を除く。)
二 他の者が、法第八十四条の二第一項に規定する居住者を、当該他の者の提出した法第二百三条の六第八項(公的年金等の受給者の扶養親族等申告書)に規定する公的年金等の受給者の扶養親族等申告書に記載された源泉控除対象親族として、法第二百三条の三第一号から第三号まで(徴収税額)の規定の適用を受けている場合(当該他の者がその年分の所得税につき確定申告書の提出をし、又は決定を受けた者である場合を除く。)


令1号・2号
 3人兄弟の例でいうと、AがBを「源泉控除対象親族(特定親族に限る)」としている場合、Bは「特定親族特別控除」を受けられないということになります。

 A
 ↓ 源泉控除対象親族
 B
 ↓ 適用不可
 C

 法2号が、Bが「特定親族」となれるかから規律しているのに対し、令1号・2号はBが「適用者」となれるかどうかから規律しています。

 法に令2号に対応する「公的年金」のルールがないのは、年齢的にありえないからでしょうかね(上記例でも、Aを年金受給年齢に設定する必要あり)。頭のよろしい財務省のお役人様がお作りになっているのですから、きっちり手当てされているはずですよね。


 これらの適用除外パターン、「規範」として記述するのがしんどいということで、「具体例」としてしか記述していません。もちろん一例にすぎませんので、全てのパターンを網羅できていません。
 おそらく「同一人が適用者と特定親族の両方になることはできない」ということだと思うのですが。これで正確に規範化できているかどうか怪しい。
 一夫一妻制における配偶者特別控除が「どちらかしか適用受けられない」と簡略的に説明できたのと、次元が異なるわけです。

  条文→規範化→具体例

 現実には、それほどあるものだとは思えません。が、むしろそれゆえにこそ、適用除外のルールについては慎重な対応が必要になりそうです。


 適用除外のルール、上記のように読み取りましたが。このような理解が妥当なのか、疑問がないわけではありません。

 たとえば、AがBC2人を「特定親族」とすることは可能です。他方で、上記の例でAがBを、BがCをそれぞれ「特定親族」とすることは除外されてしまいます。
 同じく生計一の3人兄弟でこのような違いが出ることに、合理的な理由はあるでしょうか。配偶者特別控除のようなAB2人しかいない場合と、同じようなルールで規律するのがおかしいのではないでしょうか。

 解釈論として、適用者や特定親族を「相対的概念」と理解し、AB間とBC間を切り離して考える、という筋もありうるかとも考えてみましたが。
 令218〜219条の所属ルールは、「絶対的概念」と理解するからこそ必要なルールなわけで。現行法の解釈としては、BC間でBが適用者ならば、AB間でもBは本控除の受けた者と理解せざるを得ないのでしょう。
 「相対的概念」と理解してしまうと、A→B→C→Aという感じで、2人どころか3人とも適用受けられることにもなってしまいますし(いわゆるウロボロス状態)。

 と、除外範囲おかしくないか、という疑問はあるものの。さしあたり、上記のとおり「絶対的概念」として理解しておきます。


第八十四条の二(特定親族特別控除)
3 第一項の規定による控除は、特定親族特別控除という。


 名乗りをあげてくれるのは同じ。



 配偶者と親族とで用語を対比すると次のとおりとなります。

【無理やり用語対比】
 同一生計配偶者   ⇔扶養親族
 控除対象配偶者   ⇔控除対象扶養親族
           ⇔特定扶養親族
 老人控除対象配偶者 ⇔老人扶養親族
 特定配偶者(なし) ⇔特定親族(NEW!)
 源泉控除対象配偶者 ⇔源泉控除対象親族(NEW!)

 「配偶者特別控除」を受けられる配偶者を表す用語が欠けているという、謎の状態になっています。

 一応、新設された「源泉控除対象親族」の条文は以下の通り。

所得税法 第二条(定義)
1 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
三十四の五 源泉控除対象親族
 控除対象扶養親族並びに居住者の親族(その居住者の配偶者を除く。)及び児童福祉法第二十七条第一項第三号の規定により同法第六条の四に規定する里親に委託された児童でその居住者と生計を一にするもの(青色事業専従者等を除く。)のうち年齢十九歳以上二十三歳未満の者で合計所得金額が百万円以下であるもの(控除対象扶養親族に該当しないものに限る。)をいう。


 従前は「控除対象扶養親族」=源泉控除対象だったのに対し。「特定親族」のごく一部も源泉控除対象に取り込んだゆえ、専用の用語が新設されたわけです。
 源泉控除対象配偶者とは所得要件がずれています。
posted by ウロ at 09:22| Comment(0) | 所得税法

2025年05月05日

大村 敦志「新基本民法7 家族編 第2版」(有斐閣2025)

 薄いほうを購入するつもりは全く無かったのですが。

大村敦志「新基本民法7 家族編 第2版」(有斐閣2025) Amazon

 体系書のほうが《無限発売延期ルート》に入ってしまったので、前哨戦として買ってみました。

大村敦志「新・家族法 たそがれ時の民法学」(有斐閣2025)
(当初は「シン・」だった気がするのですが、旬が過ぎてくれたおかげで修正されたのでしょうか)


 一通り読んだ感想。

 家族法(親族法)につき、一通りの知識がある人が、軽くおさらいをしつつ近時の法改正の動向を簡潔に押さえるには、ちょうどよい記述だと思います。

 他方で、
  「基本」というタイトル
  分量少なめ
  二色刷り
  図表が豊富
といったガワにつられて、初学者が買うのは悪手。

 というのも、この「基本民法」シリーズ、いわゆる「中二階本」または「1.5階本」といった類の本で。記述がことごとく、既存の議論を理解していることを前提としたものになっています。

 既存の議論を知っている人にとっては、新たな視点を得られるので、非常に有益です。たとえば、財産分与のパターンを、図をつかって共同事業主型・出資者型・労働者型に分類してくれているところとか。

 他方で、初学者にとっては、基本部分の記述がとてつもなく手薄なので、まあ理解しにくい。


 法学書タイトルにおいて、「基本」「基礎」「入門」「概説」とついていても、必ずしも初学者向けとは限らないという問題があります。

【一例】
団藤重光「法学の基礎 第2版」(有斐閣2007) Amazon
前田庸「会社法入門 第13版」(有斐閣2018) Amazon

団藤重光「法学の基礎」(有斐閣2007)

 そういった本、上級者にとってめちゃくちゃ有益なのと反比例する形で、初学者にとって理解できない度合いが深まります。

 出版社的には、購買層を広げたいがために、こういったタイトルを入れたくなるのかもしれません。が、「入門書なのにまるで理解できない」ということで、法学嫌いになる人を増産しているだけのような気もします。


 なお、個人的な民法の導入ルート。米倉先生・道垣内先生のラインが最適だと、私は思っていて。

 まず米倉先生の本を読んでみて、すんなり理解できれば入門は卒業して先に進む。理解しにくいと思ったら、説明が詳細な道垣内先生の本を読んでみる。
 これで民法入門としては十分だと思います。

 あとは、各自の目的にあわせた教材をお読みいただければ。

道垣内弘人「リーガルベイシス民法入門 第5版」(日本経済新聞出版2024) Amazon
米倉明「プレップ民法 第5版増補版」(弘文堂2024) Amazon

米倉明「プレップ民法(第5版)」(弘文堂2018)

 こういう導入ルートを想定したときに、本書のような中二階本、どのタイミングで読むのをおすすめしたらよいのか、私にはよく分かりません。
 もちろん、有益な本であることは間違いないのですが。限られた勉強時間の中で、他に優先すべきことがありすぎるわけです。


 このような、本シリーズが初学者に相応しくないという評価。私がまともに読み込めていないから、かもと思ったりもしていたのですが。
 出版社自身の、他の民法教科書(ストゥディアシリーズ)の宣伝文句をみて、後押しをしていただけました(安心)。

ストゥディア民法 Amazon

民法の海を渡りきる、いちばん確かな海図がここに。

【民法学習の決定版がついに完結】
学界を代表する民法学者が監修した「ストゥディア」民法シリーズ、ついに全7巻完結。
豊富な図解と丁寧な解説で、つまずくことなく民法の理解が深められます。
初学者から学び直しの方までおすすめです!

もう民法学習で迷わない!挫折しない!
初学者に寄り添った丁寧な解説が特徴の「ストゥディア」民法シリーズ全7巻が完結。
豊富な事例と図解で「わかりやすさ」と「学びやすさ」を追求。
つまずくことなく民法の理解を深められるテキストです。


 これを裏読みするならば、これまでの民法の教科書への評価として、
   それほど確かな海図ではなかった
   決定版といえるものはなかった
   民法学習に迷わされていた、挫折させられていた
といっているわけですよね。

 本書に限らず、たくさんの民法教科書を出版しているにもかかわらず、この言い草。


 この宣伝文句に対する私の見立てとして、Xには次のとおり書きました。

 「いちばん確かな」とか、同出版社から出版されている他の民法教科書の立場は‥。
 陸図のいちばん、空図のいちばん、それぞれのいちばんがあるということか(みんな一等賞思想)

 売れているアーティストAの稼ぎのおかげで、同じ音楽レーベル内のその他Bらが活動できているからといって、レーベルの人が「BらよりAの楽曲が優れている」とか公言しちゃだめじゃないの、という話。

 が、ああいう宣伝文句が何の問題もなく社内を通ってしまうということは、出版社的には、音楽のような芸術品寄りではなく、iPhoneのPRO→無印→eのような工業製品的な序列があるものとして捉えているのかもしれない。

 社内闘争の一環として、Aの担当マネージャーが、Bらの担当マネージャーにマウントをカマしているということならありうるか。同じく、当該書籍の担当編集者が、他の書籍の担当編集者にマウントをカマした結果としての、あの宣伝文句といえるだろうか。


 ユーザーとして色んな書籍を購入させていただいていますが、なぜああいう宣伝文句が出てくるのか、本当のところはよく分かりません。 


 さて、上記の体系書の出版日、今のところ6月5日となっていますので、眼の前の積読本を解消しながら、大人しくお待ちすることにいたします。
posted by ウロ at 16:48| Comment(0) | 民法