2017年07月27日

井田良『入門刑法学・総論』(有斐閣2018))ほか

 刑法学者の井田良(まこと)先生による刑法総論の本。



   1 入門刑法学・総論 第2版(有斐閣2018)
   2 講義刑法学・総論 第2版(有斐閣2018)
   3 刑法総論の理論構造(成文堂2005)

 ごくごくざっくりいうと、1が入門書、2が教科書、3が論点書といった位置づけになります。

 刑法は、学問分野でいうと刑法総論と刑法各論というものに別れていて、法典の編別でいうと「第1編 総則」が刑法総論、「第2編 罪」が刑法各論に対応しています。

  刑法(e-Gov)

 ただ、刑法総論では、条文に直接かかれているものの解釈論に留まらない、犯罪というものに共通する要素を取り出して、あれやこれやと難しい議論が展開されています。

 刑法総論の知識なんて、私の税理士業務にはさしあたり必要なわけでもなく、ましてやこのブログを見てくださるような方々にはさらにその必要性は薄くなるわけですが、本来読むべき税務の実務書を差し置いて、ついつい読んでしまったのでご紹介です。

 ついつい、と表現しましたが、実際はついついで読めてしまうような簡単な内容ではなくって、相当に読み応えがある本です。

 3冊のうち1は「入門」を謳っているのですが、記述少なめなのでこの本だけで理解するのは難しいです。逆に2のほうが詳しめに書かれているので、こちらから先に読んだ上で1に戻ったほうが理解が深まると思います。
 とはいえ、ボリュームがあって中身も充実しているので読むこなすのは大変かも。

 私にはこれらの本の内容を要約できるような能力はないのですが、どのように解釈すれば刑法が法益保護のためによりよく機能するか、といった観点から一貫した解釈論が展開されている、と私には読めました。

 すべての記述に全面的に納得できるわけではないのですが、誤魔化しのない、考え抜かれた記述にはついつい読んでしまうだけの魅力があるんだと感じます。
 ブログで雑文を書き散らかすだけでなく、しっかり推敲を重ねた文章も書いていくべきだと反省。

 で、3がいちばん刺激的な内容なんですが、1と2でだいぶ読書時間を使ってしまったので、また余裕ができてから読みたいと思います。

 ちなみに、『慶應法学』掲載の論文がPDFで読めるので、こちらもオススメしておきます。

【たとえば最近掲載の】
 刑法における因果関係論をめぐって : 相当因果関係説から危険現実化説へ(慶應法学)
posted by ウロ at 12:51| Comment(0) | 刑法
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