新堂幸司「民事訴訟制度の役割」(有斐閣1993)
細かい判例分析や込み入った論点について論じるものというよりは、「民事訴訟制度の目的」といった比較的大きめの題材を扱っている論文が収録されています。
教科書でいうと、初めのほうに書いている感じの。
なので、民訴からしばらく遠ざかっていた私でも、割りと読みやすかったです。
で、これら論文のエッセンスが体系書に結実していっているということを思うと、体系書と論文集を行ったり来たりしながら読めば、体系書だけではよくわからなかったことも、より深い理解を得られるんじゃないかと思ったり。
新堂幸司「新民事訴訟法 第6版」(弘文堂2019)
(まさかの第6版よ、皆さん!)
さすがにそこまでの余裕はないんですけども。
一応収録論文のタイトルだけあげておきます。有斐閣のページだと一部省略されちゃってて、売る気ねえなあと思ったので。
・民事訴訟法理論はだれのためにあるか
・民事訴訟制度の目的論の意義
・民事訴訟と紛争の解決
・民事訴訟の目的論からなにを学ぶか
・現代型訴訟とその役割
・「手続保障論」の生成と発展
・民事訴訟法序説
このうち、「民事訴訟の目的論からなにを学ぶか」は法学教室(有斐閣)の長期連載もので、これだけをまとめた本も(なぜか信山社から)でています。
新堂幸司 「民事訴訟の目的論からなにを学ぶか」(信山社2015)
これだけでも読む価値はあるんですが、やはり論文集の順番通りに読んでいったほうが、目的論に対する考えがまとまっていく過程が追えて面白いと思います。
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