2018年09月10日

大島 義則「憲法ガール Remake Edition」(法律文化社 2018) 〜あわよくばSuccubus。

 ラノベ風なノリで、司法試験の論文試験を題材に、憲法の問題の解き方が学べる本。

大島義則「憲法ガール Remake Edition」(法律文化社 2018)
大島義則「憲法ガールII」(法律文化社 2018)
大島義則「行政法ガール」(法律文化社 2014)
大島義則「行政法ガールII」(法律文化社 2020)

 存在は知っていたのですが、今後の人生で憲法の答案を書く経験なんてないだろうし、と思って読まないままでした。

 ふと読もうと思ったのが、あの、人にはなんかしら「トラウマ」ってあるじゃないですか。

 ここで沢山列挙してしまうとトラウマ・フラッシュバックになるので止めておきますが、

  ・引っ越しの準備がギリギリまで終わらない

というのと、

  ・憲法の答案がさっぱり書けない

というのが、未だに夢で見るほど代表的な私のトラウマ。

 夢なんてほとんど見ることないし、見てても内容覚えてないことが多いのですが、これらの夢は起きた後もしっかり覚えています。

 引越しのほうは、実際にギリギリになったことはないんですけど、間に合わなかったらどうしよう、という恐怖感だけが強く残ってて、それが夢に出てくるように。

 他方で、憲法答案のほうは現実。
 いくら勉強しても、結局最後まで理解できた感を得ることができませんでした。

 で、これ読んだらこの悪夢から逃れられるんじゃね、という漠買い(ばくがい)感覚で手に入れました。

 平成25年〜平成30年を題材にした「2」も出ているんですが、とりあえず、平成18年〜平成24年を題材にした「無印」(のRemake Edition)のほうから。

 ラノベ風ということで、あわよくば、受験仲間とキャッキャウフフ言いながら自主ゼミしてたリア充受験生、だったということに、記憶を改竄できたらいいなと期待しつつ。

 あわよくばサキュバスですね。


 いやあ、内容高度でした。

 話のなかに「法律討論会」の場面がでてきて、そこで難しい言葉遣いが飛び交うのは分かるんですけど、日常の「自主ゼミ」パートも同じようなノリで、今どきの学部生はこんなゴリゴリの憲法ワードで議論してるんですか、と思っちゃうほどの。

 ただ、本文の内容に沿った「解答例」をしっかり示してくれてるので、最終的な到達点がどこにあるかが分かるのはいいですね。解答例と解説がちぐはぐな問題集ってたまにありますから。

 「憲法判例」の答案への活かし方もよく分かります。
 これから判例読む際も、他の事案でどう使えるか、という観点から読めるようになりますし。

 「ワンポイントアドバイス」も極めて実践的。
 こっちの内容を強化して、答案の「書き方」も充実させてくれたら、受験生にはさらに受けるんでしょうね。


 夢のほうへの影響はまだわかりませんが、ダメ押しで「2」も読んでみようと思います。

 あとは、

宍戸常寿「憲法 解釈論の応用と展開 第2版」(日本評論社2014)
小山剛「「憲法上の権利」の作法 第3版」(尚学社2016)

といった本も読んでみようかなと。
posted by ウロ at 11:03| Comment(0) | 憲法
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