「法律学小辞典 第6版」(有斐閣2025) Amazon
「ポケット六法」は総合事項索引を倒さないと本体に攻撃が通らない 〜事項索引 de 勉強法
この本、辞典なんで、当然のことながら本体自体が五十音順に項目並んでいるんですが、巻末に「総合索引」もついていて、収録項目+αの検索語が並んでいます。
「ポケット六法」の索引は(当たり前ですが)条文ベースの用語がメインでしたが、こちらでは判例とか学説上の概念なども含まれているので、より広く勉強ができるようになっています。
ただ、必然的に学習範囲が拡散するので、まずは「ポケット六法」の条文ベースの用語固めを中心にやっていくのがいいんでしょう。
そこで分からない用語を「法律学小辞典」で調べて、参照用語もみつつ、それでもよくわからなければそれぞれの教科書に戻っていくと。
○
ただ、六法⇔辞典をウロウロする、なんていう勉強方法は、最短距離で資格試験に合格したい、といった人にとってはかなりの遠回りです。
そういった具体的な目的がある場合は、それ用の勉強をしたほうがいいと思います。
ので、こういう勉強方法は、私のように「趣味で法学を勉強している者だ」といった、ちょっとアレ(orレア)な方々にオススメする方法です。勉強によって得られる結果よりも、勉強する過程自体を楽しむ系の。
ここでつけた基礎体力によって、一度読んでいまいち理解できなかった本が、がぜん理解できるようになったりとか、そういう過程を嗜める方用の。
私的には、資格試験を目指すにしても、こういう基礎体力つける系の勉強も決して無駄にはならないとは思うんですけど、如何せん時間が限られていますからね。
○
ちなみに、この本のタイトルが「小辞典」となっているのは、おそらく、かつて「新法律学辞典」 (有斐閣 1989)というのがあって、それに対する「小」てことなんじゃないんですかね、たぶん。
ところが、「新法律学辞典」のほうは絶えて久しく、といった趣で、改訂版がでそうな雰囲気はさっぱり。
小辞典のほうだけが、定期的に改訂されていくさまよ。
この「新」ていうのも、新横浜駅的なアレだと思いますけど。
タグ:六法 趣味で法学を勉強している者だ
【基礎法学の最新記事】
- 橋内武・堀田秀吾「法と言語 改訂版」(く..
- 法における「要件/定義」と「効果/機能」..
- 法源の機能的考察
- フローチャートを作ろう(その6) 〜判例..
- フローチャートを作ろう(その5) 〜慣習..
- フローチャートを作ろう(その4) 〜拡大..
- フローチャートを作ろう(その3) 〜縮小..
- フローチャートを作ろう(その2) 〜定義..
- フローチャートを作ろう(その1) 〜文理..
- フローチャートで遊ぼう。 〜フローチャー..
- 法律解釈のフローチャート(助走編)
- ロジカルシンキングによる試験問題おイジり..
- 判例の機能的考察(タイトル倒れ)
- 田中成明ほか「法思想史」(有斐閣1997..
- ホッブズ「リヴァイアサン」 〜彼の設定厨..
- 「ポケット六法」は総合事項索引を倒さない..