2018年10月15日
川口恭弘『金融商品取引法への誘い』(有斐閣2018)
川口恭弘 『金融商品取引法への誘い』(有斐閣2018)
無条件に薦められる「金融商品取引法」の入門書が、やっと出たって感じです。
今までも「入門書」らしき本はいくつかありました。
が、金商法って膨大なボリュームを誇っていて、しかも技術的な規定が盛りだくさん。
【参照】
クリックして見よ!本法と政令だけでこのボリューム。
これでまだ内閣府令もあるんだぜ。
金融商品取引法
金融商品取引法施行令
なので、薄い本で全体をカバーしようとすると、どうしても各制度の概説的な記述にとどまってしまいます。
に対して、この本ですが、書くべきテーマを大胆に絞り込んだ上で、
・制度趣旨の記述がクドいくらい懇切丁寧。
・具体例に基づいた記述なのでイメージがしやすい。
・図表や書式のサンプルが多用されているので文章が理解しやすい。
といった特徴があって、頭の中に金商法の見取図がしっかり出来上がっていく感じ。
金商法の、としてだけでなく、法律の「入門書」としてみても、理想的な入門書です。
金商法に興味なくても「入門書マニア」なら必読(実在するかは不明)。
あとは、この強力な見取図をもって、より上位の教科書・体系書に挑んでいけばいいと思います。
さしあたり教科書は、
山下友信・神田 秀樹 『金融商品取引法概説 第2版』(有斐閣2017)
体系書は、
黒沼悦郎 『金融商品取引法』(有斐閣2016)
といったあたりがよいのでは。
でも本当は、川口恭弘先生のこの本のノリで、そのまま金商法の全領域を記述してくれるのが一番いいんですが。
もの凄いボリュームになりそう。
【追記】
自著を語る『金融商品取引法への誘い』(書斎の窓2019年1月号(No.661))
川口先生ご自身による紹介文が、書斎の窓に載っています。
posted by ウロ at 13:56| Comment(0)
| 会社法・商法
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