無条件に薦められる「金融商品取引法」の入門書が、やっと出たって感じです。
川口恭弘「金融商品取引法への誘い」(有斐閣2018)
今までも「入門書」らしき本はいくつかありました。
が、金商法って膨大なボリュームを誇っていて、しかも技術的な規定が盛りだくさん。
【参照】
クリックして見よ!本法と政令だけでこのボリューム。
これでまだ内閣府令もあるんだぜ。
金融商品取引法
金融商品取引法施行令
なので、薄い本で全体をカバーしようとすると、どうしても各制度の概説的な記述にとどまってしまいます。
に対して、この本ですが、書くべきテーマを大胆に絞り込んだ上で、
・制度趣旨の記述がクドいくらい懇切丁寧。
・具体例に基づいた記述なのでイメージがしやすい。
・図表や書式のサンプルが多用されているので文章が理解しやすい。
といった特徴があって、頭の中に金商法の見取図がしっかり出来上がっていく感じ。
金商法の、としてだけでなく、法律の「入門書」としてみても、理想的な入門書です。
金商法に興味なくても「入門書マニア」なら必読(実在するかは不明)。
あとは、この強力な見取図をもって、より上位の教科書・体系書に挑んでいけばいいと思います。
さしあたり教科書は、
山下友信・神田 秀樹「金融商品取引法概説 第2版」(有斐閣2017)
体系書は、
黒沼悦郎「金融商品取引法 第2版」(有斐閣2020)
といったあたりがよいのでは。
でも本当は、川口恭弘先生のこの本のノリで、そのまま金商法の全領域を記述してくれるのが一番いいんですが。
もの凄いボリュームになりそう。
【追記】
自著を語る『金融商品取引法への誘い』(書斎の窓2019年1月号(No.661))
川口先生ご自身による紹介文が、書斎の窓に載っています。
2018年10月15日
川口恭弘「金融商品取引法への誘い」(有斐閣2018)
posted by ウロ at 13:56| Comment(0)
| 会社法・商法
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