2019年03月18日

金子宏『租税法 第23版』(弘文堂2019)



金子宏 「租税法 第23版」(弘文堂2019)


 「○○と解すべきである(反対、判例)」と書けるのは金子先生だけ、でおなじみの。

 この名著、もうとっくに記事にしているかと思ったら、書いてなかったので記事化。


 この本、明確に使いみちが決まっていて。
 改訂されるたびに必ず買っています。

 去年は改訂がなかったので、第23版では、2017年度、2018年度、2019年度(要綱)の税制改正が反映されています。
 でも、改正の内容それ自体を理解するには、それ専用の改正本を読んだほうが早い。

 税務の本て、「○年度版」とかいって毎年改訂されてて、当然最新版を手元においておくべきなんですが、同じ本を買う必要はあまりなくって。
 ので、同じジャンルで別の人の最新版を買うとかしています。


 この本はそういう使い方ではなく。
 
 毎回頭から通読することで、

・以前の改訂から後に得た個別の知識を、体系的に整理する。
・税制改正が体系のどこに関わるものなのかを確認する。
・どのあたりに最新判例がでているかを把握する。

といったあたり。

 これ読み終わると、バトルものの映画を見終わった後に自分も強くなった気になる、みたいな、謎の税務万能感を得られます(気のせい)。
 が、その後難問に出くわすたびに削られて、等身大に戻る(でもちょっとは成長しているはず)。

 ちなみに、自分の理解ぐあいの「マイルストーン」として使う、という意味では、団藤重光先生の『法学の基礎』と同じ位置づけ。



団藤重光 「法学の基礎 第2版」(有斐閣2007)

団藤重光『法学の基礎』(有斐閣2007)


 決して初学者が手を出してはいけない。
 たぶんですけど、税法に苦手意識をもってしまうはず。

 素直に、以下の記事で紹介したような入門書・教科書でしっかり実力をつけてから、挑むべきものだと思います。

中里実ほか『租税法概説 第3版』(有斐閣2018)
税法思考が身につく、理想の教科書を求めて 〜終わりなき旅

 私は、実務を経験しているおかげで、抽象的な記述も具体例を思い浮かべながら理解できるようにはなっています。
 が、研究者の人とか、いきなり大学で座学やって難しい論文書いたりできるの、どれだけ頭いいんだろうか、と思ったり。


 ちなみに、税理士でも改訂されたら必ず買うべき学者本としては、この他に江頭憲治郎先生の『株式会社法』と菅野和夫先生の『労働法』があります。
 


江頭憲治郎 「株式会社法 第7版」(有斐閣2017)



菅野和夫 「労働法 第12版」(弘文堂2019)
posted by ウロ at 12:15| Comment(0) | 租税法の教科書
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