水町勇一郎「集団の再生 アメリカ労働法制の歴史と理論」(有斐閣2005) Amazon
本書についても、おそらく労働法について特に関心があったわけでもない時期に購入しているはずです。
教科書・体系書ならともかく、よくもまあ研究書にまで手を出していたなあと。
しかも、サブタイトルを見る限り、私の好みでない「おける論文」ぽいですし。
法学研究書考 〜部門別損益分析論
なお、「おける論文」それ自体が悪いということではなく。
私のようなド素人が読みものとして嗜むには「つまんない」というだけの話です。
おそらくメインタイトルだけをみて「なんか格好良さそう」という印象だけで購入したのではないでしょうか。
残念ながら、現時点では「まともな」値段では購入できなくなっています。
やはり感じ入るものがあったら、「出版即購入積読」仕草をとっておくべきなのでしょう。
【クレイジープライス集】
金子宏・中里実「租税法と民法」(有斐閣2018)
本来であれば、「感じ入る」なんてスピリチュアルな理由ではなく、ちゃんと中身を確認してから購入したいところ。
が、ゴリゴリの研究書が一般的なリアル書店に入荷されることなんておよそなく、ネット上でも試し読みができるものはほとんどない。
http://yuhikaku.co.jp/books/detail/4641143536
ということでやはり、出版社のサイトの数少ない情報から「感じ取る」しかない。
○
さて、ここまで前置きを書いておきながら、中身の評価は例によって致しません。
偉そうに評価できるほどのモノが、私には備わっていませんので。
ただ一言だけ。
標準的な書籍では、「アメリカ労働法は解雇自由!」みたいな一面的な理解がされがち。
ですが、歴史を辿っていくと、「自由」一辺倒ではなく、そのときどきの政治・経済状況により「集団」の側からの挑戦を受け続けてきた、ということが、本書を読むと分かります。
「おける論文」とともに「史モノ」も苦手は私ですが、本書は特に苦痛なく読めました。
水町先生の歴史の書き方が非常にうまい、ということかもしれません(偉そうに)。
日本法への示唆が薄いのはいつものことですが、ここは他著を読め、ということでしょうか。
最近になって体系書を出版されたところですし。
水町勇一郎「詳解 労働法 第3版」(東京大学出版会2023) Amazon
そして教科書でも、歴史の記述がしっかりされていますし。
水町勇一郎「労働法 第10版」(有斐閣2024) Amazon
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