2018年07月18日

美人若女将連続バラバラ租税債権 〜犯人は破産法

 たとえばの話ですけど、

  若手ボイラー技士

と、自分のこと売り出すってことは、その業種にとって若手であることが強みになる、という認識だからなんですよね(ボイラー技士をチョイスしたのはあくまで一例です。差し支えあるなら、イヤホンコードほぐし士に差し替えます)。

 が、専門業だったら、知識と経験が豊富であることが強みになるのが普通なはず。わざわざ自分から、知識も経験も不十分な若手ですよ、とアピールする必要性がよく分からないです。
 資格証とかバッジをわざと汚して、ベテラン感を出そうとするほうがまだ理解できます。

(ここで、アピールする意味のない例として、わざわざ「人間」であることをアピールする人いないでしょ、ということを書こうと思ったんですが、今後のAIの発達具合からすると「人間がやってます」が弱みになったり強みになったりする場合がでてくるんでしょうね。)

 あ、決して否定してるのではなくって、自分には理由が分からない、というだけです。

 同じように、

  女性臭気判定士

みたいなアピールも、女性であることが男性と比較してその業種にとって強みになる、ということなんですよね(こちらのチョイスも特に意図はありません)。

 が、性差で仕事のやり方に違いが出る、というのも、血液型診断とかと同じレベルであまり信用していません。少なくとも、男女の2つだけというのは類型として大雑把すぎ。

 そもそも、この手の「ざっくり範疇」(ざっくりはんちゅう)があまり好きではないようです。100個ぐらい属性アピールしてくれたら、納得するのかもしれませんが。

(参考)
カテゴリラ 〜固めるテンプル


 本題にもどって、以前の記事で破産法の本を読んだときに、破産手続において租税債権がどのように扱われているか、改めて整理してみようと思って、手持ちの本を調べてみました。

(参考)
小林秀之「破産から新民法がみえる」(日本評論社 2018)

 小林秀之先生の本は、わざわざ一講使って「租税債権」について書いているのに、そのへんの整理が全然されていません。なんていうか、部分部分の説明って感じで。
 ので、手持ちの破産法の本やら条文読み込んで、どうにか整理してみました。が、もう大変(全然自信ないので、各自条文にてご確認ください)。

○破産手続における租税債権の処遇

T 債権間の優劣について

 1 本税
  ア 破産手続開始前の原因に基づく
     納期限未到来または納期限から1年未経過 ⇒財団債権
     それ以外 ⇒優先的破産債権

  イ 破産手続開始後の原因に基づく
     破産財団の管理、換価及び配当に関する費用 ⇒財団債権
     それ以外 ⇒劣後的破産債権

 2 延滞税等
  ア 本税が財団債権 ⇒財団債権
  イ 本税が優先的破産債権 破産手続開始前 ⇒ 優先的破産債権
  ウ 本税が優先的破産債権 破産手続開始後 ⇒ 劣後的破産債権
  エ 本税が劣後的破産債権 破産手続開始後 ⇒ 劣後的破産債権

 3 加算税等
   ⇒全て劣後的破産債権

U 手続間の優劣について

 ・破産手続開始前の滞納処分は続行可
 ・破産手続開始後は滞納処分できない

V 否認権との関係について
 
 破産者が破産手続開始前に納付してたら破産管財人は否認権を行使できない

W 免責(個人)との関係

 1 優劣的破産債権 非免責債権にあたる
 2 劣後的破産債権 非免責債権にあたる
 3 財団債権 免責とは関係ない。が、請求できるかは争いあり。

X その他
 
 届出・調査・確定関係について特則あり。



 まとめてしまえばこんな感じなんですが、特にTなんて、条文だけ読んでここまで読み取れますか、という話。特に延滞税、お前ですよ。
 条文引用したので、一読していただくとして、どうしてこうなるのかすんなり分かる人がいたら、逆にヤバいです。
 「国民にわかりやすく」なんてことは気にしてなくって、完全にプロ向けの書き分け方。

 まあ、条文自体はどうしてもひとつの体系で整理しなきゃいけないので、別の括りからみたときには、あちこちに散らばってしまうことになるのは仕方ない。ピボットテーブルみたく、括りを取っ替え引っ替えできるわけではないし。

 が、教科書の類でも、駄目な教科書だと、何も気にせず条文の編列どおりに記述するもんだから、上のT〜Xが、バラバラの章に書いてあるわけです。
 で、クロスリファレンスもないから、つながりが全然見えてこない。


 いちばんひどいと思ったのが、否認権の例外を定める163条についての、とある教科書の記述。
 条文みてもらえば分かるんですけど、163条の1項・2項は「手形」と否認権の関係について、3項は「租税債権」と否認権の関係について定めたもので、内容物が全く別物なんです。

 勘の鋭い方は、163条の見出しが(手形債務支払の場合等の例外)となっていて、そこに『等』が入っていることに気づくと思います。このブログでも『等』のインフィニティ感をイジってきたので、条文における『等』を舐めてはいけないことはご理解いただいているかと。

(参考)
特定新規設立法人のインフィニティ感

 が、その教科書では「手形支払と否認の特則」という見出しの中で手形について記述したあと、脚注で3項の租税債権について記述する、という意味不明な書き方をしています。
 この条文の解説をするならば、租税債権については別項とするか、あるいは、見出しを「手形及び租税債権」として租税債権についても本文で書くか、だと思うんですが、そのような書き方にした意味が全く分かりません。


 こうやってまとめてみて、はじめて疑問に思うんですが、破産者(個人)の立場からすると、租税債権は非免責債権だし否認されないし、てことで破産開始前にできる限り納付しておきたくなるんじゃないか、という疑問。
 財団債権が優先されるのは仕方ないとして、優先的・劣後的破産債権についても、免責されない租税債権から先に納付しておいたほうが、破産者的にはお得なわけですよね。

 たとえば、

 ・破産財団 100

 A 租税債権(優先的破産債権) 80
 B 租税債権(劣後的破産債権) 40
 C その他債権(優先的破産債権)40

 こういう事例があったとして、

そのまま破産手続開始した場合は、

 A 租税債権(優先的破産債権) 80配当受けられる
 C その他債権(優先的破産債権)20配当受けられる。20免責で消滅。
 B 租税債権(劣後的破産債権) 「40」非免責で残る。

  (※優先的破産債権同士ACでは租税債権が優先)

となって、他方で破産手続開始前に納付した場合は、

 A 租税債権(優先的破産債権) 80納付により消滅
 B 租税債権(劣後的破産債権) 20納付により消滅。「20」非免責で残る。
 C その他債権(優先的破産債権)40免責で消滅。

となる??

 租税債権から先に納付しちゃっておいて、Bが20だけ残る後者の世界線のほうがお得になるはずです。

 そうではなくって、163条3項は、納付しても否認権の対象にならないってだけで、265条以下の罰則の適用までは逃れられない(国が共犯ですか?)、とか、あるいは配当を受けられなくなったことによる損害賠償請求権が253条1項2号の非免責債権に該当することになる、とかって理屈で抑止されるんですかね。

 これ、非免責債権のある個人の場合を想定してますけど、法人の場合でも「第二次納税義務」のことまで考えると、同じような誘惑が働くような気がします。とにかく租税債権強いから。


 といった、開始前から終了後も含めた破産手続全体の中で、租税債権がどう扱われるかをまとめて書いてくれてる本が見当たらない。私が気づいていないだけかもしれませんが。
 以前の記事のとおり、民法学に「手続法的視点」が欠けている、とさんざんディスっておきながら、破産法学に「租税法的視点」が欠けている、という悲しい一例。

【破産法の租税債権絡みの条文】(括弧書きとか省略してる部分あります)

第二条(定義)
5 この法律において「破産債権」とは、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第九十七条各号に掲げる債権を含む。)であって、財団債権に該当しないものをいう。
7 この法律において「財団債権」とは、破産手続によらないで破産財団から随時弁済を受けることができる債権をいう。

第九十七条(破産債権に含まれる請求権)
 次に掲げる債権(財団債権であるものを除く。)は、破産債権に含まれるものとする。
三 破産手続開始後の延滞税、利子税若しくは延滞金の請求権
四 国税徴収法又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権(以下「租税等の請求権」という。)であって、破産財団に関して破産手続開始後の原因に基づいて生ずるもの
五 加算税(国税通則法第二条第四号に規定する過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税をいう。)若しくは加算金(地方税法第一条第一項第十四号に規定する過少申告加算金、不申告加算金及び重加算金をいう。)の請求権

第九十八条(優先的破産債権)
 破産財団に属する財産につき一般の先取特権その他一般の優先権がある破産債権(次条第一項に規定する劣後的破産債権及び同条第二項に規定する約定劣後破産債権を除く。以下「優先的破産債権」という。)は、他の破産債権に優先する。

第九十九条(劣後的破産債権等)
 次に掲げる債権(以下「劣後的破産債権」という。)は、他の破産債権(次項に規定する約定劣後破産債権を除く。)に後れる。
一 第九十七条第一号から第七号までに掲げる請求権

第百四十八条(財団債権となる請求権)
 次に掲げる請求権は、財団債権とする。
二 破産財団の管理、換価及び配当に関する費用の請求権
三 破産手続開始前の原因に基づいて生じた租税等の請求権(第九十七条第五号に掲げる請求権を除く。)であって、破産手続開始当時、まだ納期限の到来していないもの又は納期限から一年(その期間中に包括的禁止命令が発せられたことにより国税滞納処分をすることができない期間がある場合には、当該期間を除く。)を経過していないもの
四 破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権

第四十三条(国税滞納処分等の取扱い)
 破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する国税滞納処分(外国租税滞納処分を除く。次項において同じ。)は、することができない。
2 破産財団に属する財産に対して国税滞納処分が既にされている場合には、破産手続開始の決定は、その国税滞納処分の続行を妨げない。

第百条(破産債権の行使)
 破産債権は、この法律に特別の定めがある場合を除き、破産手続によらなければ、行使することができない。
2 前項の規定は、次に掲げる行為によって破産債権である租税等の請求権を行使する場合については、適用しない。
一 破産手続開始の時に破産財団に属する財産に対して既にされている国税滞納処分
二 徴収の権限を有する者による還付金又は過誤納金の充当

第百十四条(租税等の請求権等の届出)
 次に掲げる請求権を有する者は、遅滞なく、当該請求権の額及び原因その他最高裁判所規則で定める事項を裁判所に届け出なければならない。この場合において、当該請求権を有する者が別除権者又は準別除権者であるときは、第百十一条第二項の規定を準用する。
一 租税等の請求権であって、財団債権に該当しないもの
二 罰金等の請求権であって、財団債権に該当しないもの

第百三十四条(租税等の請求権等についての特例)
 租税等の請求権及び罰金等の請求権については、第一款(第百十五条を除く。)から前款までの規定は、適用しない。
2 第百十四条の規定による届出があった請求権(罰金、科料及び刑事訴訟費用の請求権を除く。)の原因が審査請求、訴訟(刑事訴訟を除く。次項において同じ。)その他の不服の申立てをすることができる処分である場合には、破産管財人は、当該届出があった請求権について、当該不服の申立てをする方法で、異議を主張することができる。
3 前項の場合において、当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時訴訟が係属するときは、同項に規定する異議を主張しようとする破産管財人は、当該届出があった請求権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。当該届出があった請求権に関し破産手続開始当時破産財団に関する事件が行政庁に係属するときも、同様とする。
4 第二項の規定による異議の主張又は前項の規定による受継は、破産管財人が第二項に規定する届出があったことを知った日から一月の不変期間内にしなければならない。
5 第百二十四条第二項の規定は第百十四条の規定による届出があった請求権について、第百二十八条、第百三十条、第百三十一条第一項及び前条第三項の規定は第二項の規定による異議又は第三項の規定による受継があった場合について準用する。

第百五十二条(破産財団不足の場合の弁済方法等)
 破産財団が財団債権の総額を弁済するのに足りないことが明らかになった場合における財団債権は、法令に定める優先権にかかわらず、債権額の割合により弁済する。ただし、財団債権を被担保債権とする留置権、特別の先取特権、質権又は抵当権の効力を妨げない。
2 前項の規定にかかわらず、同項本文に規定する場合における第百四十八条第一項第一号及び第二号に掲げる財団債権(債務者の財産の管理及び換価に関する費用の請求権であって、同条第四項に規定するものを含む。)は、他の財団債権に先立って、弁済する

第百六十二条(特定の債権者に対する担保の供与等の否認)
 次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。
一 破産者が支払不能になった後又は破産手続開始の申立てがあった後にした行為。ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。
イ 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合 支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。
ロ 当該行為が破産手続開始の申立てがあった後にされたものである場合 破産手続開始の申立てがあったこと。
二 破産者の義務に属せず、又はその時期が破産者の義務に属しない行為であって、支払不能になる前三十日以内にされたもの。ただし、債権者がその行為の当時他の破産債権者を害する事実を知らなかったときは、この限りでない。

第百六十三条(手形債務支払の場合等の例外)
 前条第一項第一号の規定は、破産者から手形の支払を受けた者がその支払を受けなければ手形上の債務者の一人又は数人に対する手形上の権利を失う場合には、適用しない。
2 前項の場合において、最終の償還義務者又は手形の振出しを委託した者が振出しの当時支払の停止等があったことを知り、又は過失によって知らなかったときは、破産管財人は、これらの者に破産者が支払った金額を償還させることができる。
3 前条第一項の規定は、破産者が租税等の請求権につき、その徴収の権限を有する者に対してした担保の供与又は債務の消滅に関する行為には、適用しない。

第二百五十三条(免責許可の決定の効力等)
 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。
一 租税等の請求権
二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
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2018年06月18日

小林秀之「破産から新民法がみえる」(日本評論社 2018)

『人は、他人を見るとき自分が見えない』×『人は、他人を見るとき自分を見ている』

一見矛盾するような言明ですが、

 ・人が他人を批判する部分は、自分が抱えている欠点である。
 ・しかし本人はそれに気づいていない。

と補助線入れると意味が繋がります。

他人を批判したくなるのは、他人の中に自分の嫌な部分を見つけてしまうから、ということ。





小林秀之「破産から新民法がみえる」(日本評論社2018)

 で、本題に戻って、小林先生のこの本、民法の教科書で記述されている「債権者平等の原則」とか「担保物権の効力」というものが、倒産の場面でどのように実現されるかを知ることで、それら民法上の概念を立体的に理解できるようになる、というコンセプトの本。

 コンセプトはとても素晴らしい、いや本当に(予防線)。


 初版は平成9年に出版されたんですが、当時は『○○法×○○法』といった感じの、違う分野の法律の絡みを題材にした本てほとんどなかった気がします。

 ちなみに、『○○法×○○法』系の本での最高峰(だと私が思ってるの)は、佐伯仁志先生と道垣内弘人先生の『刑法と民法の対話』です。
 いつかちゃんと読み返したい。



佐伯仁志、道垣内弘人「刑法と民法の対話」(有斐閣2001)


 で、小林先生の本に戻りますが、構成が、

・民法の中での議論は『手続法的視点』が欠けているとディスる。
・でも破産法の議論を理解すれば、民法でモヤモヤしていたことが一気に理解できるよ。

という流れになっています。
 明らかに破産法が『攻め』で民法が『受け』。民法って何かと攻められてばっかしですね。

(参考)
 私法の一般法とかいってふんぞり返っているわりに、隙だらけ。〜契約の成立と印紙税法

 その後、破産法が改正されたり、民法が改正されたりする都度、改訂されてきました。今回の改訂は、平成29年民法改正を反映したものです。
 ので、タイトルに入っているのも「新民法」(平成29年改正)。「新破産法」(平成16年改正)となってるのは旧版なので、間違えないように。

【法律書タイトルにおける「新」問題について】
ユーのネームは。 〜「新注釈民法」と私


 確かに、法改正は反映されてるんですが、扱っている題材が初版からあまりアップデートされていないように思えます。

 たとえば、『判例索引』をみてみると、初版がでた平成9年以降の判例が7件しか追加されてません。

 また、扱っている判例の中で税理士的に気になるのは、「予納清算法人税」の破産手続内での処遇について述べた昭和62年判例。
 「清算所得」とか「予納法人税」とか、用語解説も無しに何気なくでてくるんですが、清算所得課税制度が適用されるのは、平成22年9月30日までの解散の場合です。
 もちろん、当時の判例を理解する、という趣旨ならこれでいいのかもですが、現行法ならどうなるか、ということもあわせて記述するべきですよね。

 民法のことを『手続法的視点』が欠けてるってディスっておきながら、ここでは『税法的視点』が欠けてるという皮肉。

  民法(受け)←(攻め)破産法(受け)←(攻め)法人税法


 また、参照されている『文献』が古いままな気がします。

 伊藤眞先生の『破産法・民事再生法』の最新版は平成26年にでてるんですが、なぜか、平成18年に出版された、(民事再生法の記述が追加される前の)『破産法』のほうが参照されていたりします。
 もちろん、旧破産法下の議論を引用するのであれば、改正前に出版された本を参照するのはわかるんですけども、どちらも改正後の出版だし。なんか削除された記述でもあるんですかね。



伊藤眞「破産法・民事再生法 第4版」(有斐閣2018)

 他方で民法の教科書・体系書の参照ですが、こちらもそんな感じ。

 私のみたかぎり、一番最新が中田裕康先生の『契約法』と道垣内弘人先生の『担保物権法』を一箇所だけ参照しているほかは、その前が四宮和夫先生・能見善久先生の『民法総則』(平成22年出版の第8版のほう)。あとは改正民法の解説本以外で、最近出版された教科書・体系書の参照がない気がします。
 最近の教科書・体系書の記述も、古い本とどっこいどっこい、ということなんでしょうかね。



中田 裕康「契約法」(有斐閣2017)
道垣内弘人「担保物権法 第4版」(有斐閣2017)
四宮和夫、能見善久「民法総則 第9版」(弘文堂2018)

 道垣内弘人先生の『担保物権法』は、三省堂時代の古い版も参照されているんですが、古い版にしかない記述とかあるんでしょうか。
 また、生熊長幸先生の『担保物権法』のように、手続法にも目配りの効いた本が出てるんですが、こういう本の参照がないです。森田修先生の『債権回収法講義』なんて、まさに実体法と手続法の融合を極めて高いレベルでやってるのに、全くでてきません。



・生熊長幸 「担保物権法 第2版」(三省堂2018)
・森田修 「債権回収法講義 第2版」(有斐閣2011)

 なんか、ストーリーの流れ的に、民法がいつまでも『出来ない子』でいてくれないと困る、みたいなことですか。


 と、さんざん批判めいたことを書きましたが、異なる法律間の議論の隙間を埋めていく、という視点に気づかせてくれたのはこの本が初めてで、そういう気付きを与えてくれたということでは、いい本なのは間違いないです。
 このブログの『日常系税務リーガルマインド』の記事の源流にある思考法であることは間違いないし。

内面重視 〜ブログタイトル変更しましたのお知らせ

 自分を成長させてくれた本が、あの頃から成長していないという悲しみ。ほんと、亀仙人のじっちゃんは、うまくソフトランディングしたと思いますよ。

 そして、冒頭の記述は自分に還ってくるであろうという戒め。

ここまで判明している当ブログの源流
1 もしもシリーズ(もしもアントニオ猪木がコンビニの店員だったら等)
2 破産から民法がみえる
posted by ウロ at 15:51| Comment(0) | 倒産法