2020年09月14日

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民まとめ)

 前回までの、ツッコミ入れながらの雑感をまとめます。

「新 実務家のための税務相談(民法編) 第2版」(有斐閣2020)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民1)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民2)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民3)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民4)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民5)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民6)


 ツッコミ入れながら思ったことは、多数執筆者が参加しているにもかかわらず、ツッコミ要素が似たものばかりという点です。

 このことから邪推できることは、個々の執筆者の問題というよりも、編集方針の問題なのではないか、ということ。

 本書の特徴は、最初に書いたとおり、次のようなものでした。

 ・むやみに多数の項目が取り上げられていて、
 ・やたらと多数の執筆者が参加していて、
 ・一項目がどれもこれも3,4頁程度と短く、
 ・当該項目にかかわる法規定と通達・裁決・判決をパラパラと並べた、
感じの記述が延々と続く。

 多数の項目を扱っているなら内容豊富でいいじゃん、と思うかもしれません。
 が、その項目というのが、民法の編成に従って機械的に細分化されてしまっています。

(以下、この状態を「パンデクテン」と形容します。こう呼ぶとパンデクテンに対する風評被害ともなりかねないところですが、他に呼びようがないので)。

 このパンデクテン、民法内部の制度を整理するためのお道具箱としては優れているのかもしれません。
 が、それ以外の用途には有害無益でしかない。

 内輪のノリを外でやるなよと。


 たとえば、税法の側からみて「無効・取消」と「契約の解除」を分断して論じることに、何の意味があるというのか。
 税法の立場からすれば、いずれも「当初の状態が事後的に変動した場合」として共通しています。

 もちろん、変動事由によって税法上の対応も異なってきます。にしても、それを比較対照しながら論ずることに意義があります。
 のに、別々の執筆者がそれぞれ思うままに記述してしまっているせいで、「比較」という視点が全く抜け落ちてしまっている。


 設例(Question)に正面から答えない、というのも、多数項目に共通する要素でした。

 これも、回答者側が答えをパンデクテンで区切られてしまっていることが要因のひとつではないかと。

 本当は、回答者自身も質問者の望んでいる答えを言いたいのに、当該項目以外の回答をしようとすると声が出なくなる呪いにかけられている、みたいな。

 なんなの、その縛りプレイ。


 また、消費税や印紙税などの論点が埋草的に使われているのは、重要度にかかわらず分量が均一なせいではないかと思われます。

 隙間があれば書くけどなければ書かないと。論ずるべきだから書く、ではなく。


 以上、「民法×税法」モノを作る場合において、本書の編集方針は失敗というのが私の見立て。
 パンデクテン縛りで書かせるだけ書かせておいて、統一性を持たせないという。
 ので、個々の執筆者に対しては、あまり責める気にはなれない。

 私のように、「アクティブ・ラーニング」として用いるのはひとつの利用方法。
 しっかり読み込んだ上でのものではなく、かなりの流し読みでもこれだけのツッコミどころがあったわけです。
 ので、掘ればまだまだ発掘できるかもしれませんし。

【アクティブ・ラーニングもの】
後藤巻則「契約法講義 第4版」(弘文堂2017)
三木義一「よくわかる税法入門 第17版」(有斐閣2023)


 ということで、「民法×税法」モノとしてのありうる方向性はふたつ。

1 ひとつは、前著のように論点を絞って深く論ずること。
2 もうひとつは、当該項目に関連する税制を完全網羅したインデックスに徹すること。

 「新」で前著を換骨奪胎したわけだから、「新々」でもリビルド可能でしょ。


 なお、「会社法編」については、パラッと見た感じ中小企業向けの記述と大企業向けの記述が混在していて、かつ、どちらかというと大企業向けの記述のほうが多そうだったので、読むのやめておきます。

 なんか第2版が出るようですけども。

「新 実務家のための税務相談(会社法編) 第2版」(有斐閣2020)

 全くの余談ですけども、会社法「実務」について書かれた本にもかかわらず、大企業向け/中小企業向けの記述が区別されていないものは読まないほうがいい、というのが私の持論。

 「実務」という側面からみた場合、どう考えても別世界でしょう。
 ので、読み手の側で区別をしながら読み進めないといけないわけです。
 だったら、はじめから区別してくれている本を読んだほうが、余計な仕分け作業をしないで済む。

 単一法で収められているからといって、実務本までその編別に倣う必要はまったくない。
 「民法×税法」をパンデクテンで解説するのとおなじくらいの愚挙、と私は思う。

 この点、大垣先生の会社法の教科書では、会社の発展に即した記述がなされていて、非常に理解しやすい。
 こういう配慮がされた本を積極的に読んでいくべきでしょう。
 
大垣尚司「金融から学ぶ会社法入門」(勁草書房2017)
posted by ウロ at 09:36| Comment(0) | アクティブ・ラーニング

2020年09月07日

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民6)

 今回は「親族編」と「相続編」。
 ちょっと駆け足気味。

 出会う人出会う人全員に「大島さんですか?」とボケられ続けたら、そりゃあしんどいよなあと思うなど。
 ボケるにしても、バリエーション増やしてくれないと飽きがくる。

「新 実務家のための税務相談(民法編) 第2版」(有斐閣2020)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民1)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民2)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民3)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民4)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民5)


76 親族の範囲

「しかし、こうした専門性をもった仕事について、夫婦や親子だからといって「生計を一にしている」といえるかは、今日では疑問です。」

 所得税法56条に疑問をもつのは結構ですが、「生計」と「専門性をもった仕事」とがどういう連関をもつというのか。

【選民思想??】
 ・専門性あり夫婦 ⇒生計別
 ・専門性なし夫婦 ⇒生計一

 職務の専門性とご家庭のお財布事情に、税法上特別扱いすべき何らかの相関関係があるというのか。
 「専門性のある仕事に従事している夫婦は、生計が別なのが通常」とでも思っているのか。


「他方で、財産評価基本通達をうまく使えば、トラブルを未然に防ぐこともできます。遺産分割に際して、5%未満しか取得しないように処理すれば、配当還元価格が何の問題もなく適用されるからです。」

 何の問題もなく、だと!?

 仮にそうだとしても、相続でそれを実現するには相続人が都合21人必要だということになるぞ(100÷21<5%)。基礎控除とれなくても養子縁組しまくれとでも。

 もちろん、グループ外に出せるならそこまでは必要ないです。
 が、資本政策そっちのけで相続税対策だけをやるというのは、劣悪な節税対策の典型例。

 もしかして、一般社団法人を想定しているのかもしれませんが、パンデクテンの呪いにより他項目については語れないということなのか。
 語ったら語ったで、上記記述のノリからすると「一般社団法人に沢山もたせておけば、その他の少数株主は何の問題もなく配当還元価格が適用される」とか言いかねない。が、もはやそんな単純な話ではない。


78 婚姻費用

「過去分の婚姻費用を支払う場合は分割払となることが多く、現実に贈与税の課税がされることはないといえます。」

 連年贈与/定期贈与の問題がでてくるような気がしますけど、どうなんでしょう。


79 財産分与

「贈与税の特例として、婚姻期間が20年を経過している場合は居住用財産を配偶者に贈与すれば最大2000万円の控除額の適用が可能(相税21条の6)です。もっとも離婚をしようとしている夫婦が離婚の直前にこの特例を適用するのは法の趣旨にそぐわない気もします。」

 これ読んで思ったのが、この特例の趣旨は、

  ・これまでありがとう。

なのか、

  ・これからもよろしくね。

なのか、どちらなんでしょう。

 この記述は後者で決め打ちしています。
 けども、婚姻期間を20年も要求していることや婚姻継続の見込みを要求していないことからすれば、前者の過去の精算とみるほうが自然なように思えます。
 いわゆる立法担当者がどのように解説していようが、条文上の要件から読み取れない立法趣旨を、勝手に持ち込むべきではないでしょう。

横流しする趣旨解釈(TPR事件・東京高裁令和元年12月11日判決)
アレオレ租税法 〜立案者意思は立法者意思か?


80 認知

Question「〜認知が確定しました。そこで、他の相続人に相続分の引渡しを求めましたが、」

 被認知者による「相続分の引渡し」とは何か?


「税法では民法の規定とは逆に、相続税申告書提出のときにおいてまだ生まれていないときは、その胎児がいないものとして計算・申告します。」

 「1 人(胎児・外国人)」では、民法上も停止条件だから民法・税法で理解が異なるわけではないと書いてある。
 ちゃんと整合とりなさいよ。

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民1)


90 相続財産2(債務の相続)

 「その合意内容等について債権者の承諾を得られることができれば、一種の免責的債務引受があったものとして、その合意内容を債権者に対して対抗することができます。」

 こういう雑な言葉の使い方、すごい気になる。

 「対抗」というのは、法律用語としては「当事者間の法律関係を当事者以外の第三者にも主張できること」を意味します。

【正確には辞書を引け】
「法律学小辞典」の『小』は「小スキピオ」の『小』

 が、ここで書かれていることは「債権者」の承諾があるから「債権者」に対抗できるということ。
 承諾した本人に主張できるのは、対抗の問題ではない。

 もちろん、日常用語としては間違ってはいません。
 が、専門家向けの書籍でありながら、こういう無配慮な記述を放り込んでくるの、なんか嫌。


「相続税法上控除される債務は、相続開始の「時」ではなく「際」に存するものとなっています。この「際」の解釈について判例では、「社会通念上これ〔相続開始〕から起因して生じる事態の経過を含めた時間の範囲」を示すものだとしています。」

 いやだから、唐突に判例の規範だけ書かれても。
 これが具体的に何を想定しているのか書いてくれないと。


97 限定承認

「限定承認をする場合は、被相続人について債務超過のおそれがある場合であり、通常は相続税の税額が算出されることはありません。しかし、被相続人が株主代表訴訟の被告になっている場合には訴訟中の債務が相続開始日に現実化しておらず、債務控除ができません。」

 ここでなぜいきなり「株主代表訴訟」がでてくるのか。
 何の脈絡もない。


「以上から考えると、Questionについてはケースバイケースといわざるをえません。」

 正気ですか?
 税務相談されて、「ケースバイケースですね」で終われるのか。
 
 せめて、どういう場合にどうなるのか、という場合分けをした説明をするもんじゃないんですか。


99 相続人不存在・相続財産法人・特別縁故者

「相続財産法人は、その名のとおり法人であり、国内に主たる事務所を有するといえそうなので、法人税法上の納税義務者に該当するものと思われます。」

 「いえそう」とはなんだ。


100 遺言

「道府県は、相続にかかる不動産の取得に対しては、不動産取得税を課することはできませんが」

 都は課せるのか、そうなのか。

 や、むしろ都に不動産取得税は存在しないのか、やったね都民(ヒント:地方税法の編成)。


 最後は駆け足になりましたが、次回で全体の「まとめ」をします。

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民まとめ)
posted by ウロ at 11:10| Comment(0) | アクティブ・ラーニング

2020年08月31日

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民5)

 今回は「契約各論」のうち非典型契約。

「新 実務家のための税務相談(民法編) 第2版」(有斐閣2020)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民1)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民2)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民3)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民4)

61 クレジットカード契約

「この引渡しと支払とは同時に行われるのではなく、先に商品をもってレジなどに並ぶのが一般的ですから、引渡しが先といえます。このとき、売主は買主を信用しているわけです。」

 マジか、商品を手にとった時点で引渡し完了か。


 以下は頭出ししたやつの再掲。

「新 実務家のための税務相談(民法編) 」(有斐閣2017)


「信販会社は立替払をしています。そうすると、この支払いをしたときに、経費の支出があるため、損金が計上されることになります。それにあわせて、利用者に対する貸付金債権が発生するため、それを益金計上することになると思います。」

 信販会社側の税務処理なんて、私にはおよそ縁のない話だと思います(私どころか大多数がそうだと思うので、それをわざわざ本書で記述する必要ある?というのはさておき)。

 が、これ、何言っているんでしょうか。

 ここでいう「経費」とはなんなのか。まさか立替払のことか。
 「それを益金計上」というのは、貸付金債権のことなのか、そうなのか。
 ていうか、立替払をすると売掛金が貸付金になるのか。

 仕訳にするとこうですね、マジかよ信販会社(見慣れぬ科目名はオリジナル)。

  立替金費(損金)/現金
  貸付金/貸付金収入(益金)

 てっきり手数料だけが売上になるのかと思っていましたよ。
 利用者の利用額が、加盟店の売上になるだけでなく、信販会社の売上にもなるってことですね。

 これ、会計素人の人が「銀行から借入すると収入、返済すると(元本返済も)費用になる」みたいなことを言っているのと似ているような気が。

 全力で善解して、「ファイナンスリース」のことを言っていると読めばどうにかなりますか。
 や、無理だわ。別途「ファイナンスリース契約」の項目もあるし。

 あるいは、これはあくまでも税務処理であって会計処理ではないのだ、と考えてみましょうか。
 そうすると、会計で計上されていない貸付金収入と立替金費を、申告書上で加減算すればいいんですかね。

 意味ねえな。
 そもそも会計とズラすには法的根拠が必要なはずですけど、そういう規定があるわけでもないですし。

 また、ここでは「立替払方式」のことしか書かれていません。
 「債権譲渡方式」についてや、あるいは「三当事者型」以外のタイプについては一切触れられていません。

小塚荘一郎,森田果『支払決済法 第3版』(商事法務2018)


65 フランチャイズ契約

「印紙税法別表第1課税物件表C」

「C」とは何か。かつてそんなものがあったのでしょうか。


66 ライセンス契約

 ロイヤリティは「雑所得」、としか書いていない。


67 死後事務委任契約

 ちゃんと実務的なことが書いてある。


68 民事信託

 民事信託の定義が書かれていない。
 次の「69 商事信託」の裏返しとして推測することを強要されている。


 信託の税務は、ノーマルな贈与・相続と比較しながらじゃないと理解しにくい。
 信託も契約だから、といって非典型契約の箇所に配置することの弊害。


69 商事信託

 従業員の退職金積立に信託銀行を利用したいと聞かれている場面で、ただ税法上の信託類型を並べただけではおよそ回答になっていない。

 他の制度との得失を比較しながらじゃないと。


70 投資信託

 こちらも、埋草的に税法上の類型を並べてみた、という感じ。
 課税方式とか源泉徴収の話とか、書くべきことは色々あると思いますけども。


71 事務管理・費用償還請求

 兄が負担すべき税金を償還請求できない、のだとしてこの設例の後始末はどうなるのさ。


73 不法原因給付

 密輸のための貸付けが不法原因給付で返還請求できなくなるというのが、どういう場合に「事業の遂行上生じた」貸倒れに該当することになるのか。
 例によって、具体的なあてはめを書かない(徹底的)。


75 損害賠償

 こういう項目を設けるのならば、各所に散らばった非課税所得云々といった記述は、ここでまとめられるはずなんですけど。

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民6)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民まとめ)
posted by ウロ at 11:38| Comment(0) | アクティブ・ラーニング

2020年08月24日

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民4)

 次は「契約各論」のうち典型契約。

「新 実務家のための税務相談(民法編) 第2版」(有斐閣2020)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民1)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民2)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民3)

45 贈与

 この項目以降は「○○契約」になっているのに、なぜかこの項目だけ「贈与」。
 こういうしょうもない不整合、無駄に気になる。


「なお、棚卸資産等は、譲渡所得の対象資産から除外されています(所税33条2項)。」

 この文章の何がおかしいの、と思うかもしれません。
 これ自体がおかしいわけではありません。

 この文章、なぜか個人⇒法人への贈与の「受贈者」側(法人側)の税務処理として書かれているんですよね。
 なんですか、貼り付け場所を間違えたとかですか。

【盛大に貼り付け場所を間違える例】
後藤巻則「契約法講義 第4版」(弘文堂2017)


「取引先に対するものであれば販売拡張費」

 すまん、この科目名初めて見たわ。私が無知なだけですか。

 あるいは、勘定科目をハンコで押していたような神代のころに使われていたようなやつでしょうか。

46 負担付贈与契約

「この事案で、裁判所は、負担付贈与は所得税法59条および60条の「贈与」にはあたらず、夫には、夫が得た経済的利益(負担付贈与契約における妻の負担額)を対価の額とする譲渡所得課税がなされると判断しました。」(東京高判60.12.17、最判63.7.19)

 これだけ読んで、60条はともかく59条のほうは意味がわからないんじゃないですかね。

【負担付贈与】
 60条の「贈与」にあたらない ⇒ 取得費の引き継ぎなし
 59条の「贈与」にあたらない ⇒ みなし譲渡の適用なし

 みなし譲渡の適用ないのに、なんで譲渡所得課税されるんだよと。

 これは納税者側の主張のロジックをちゃんと説明しないと意味不明なままでしょう。

【納税者のロジック】
 ア 59条は課税されない取引を課税できるようにしたもの。
 イ 同条は「法人」に対する「贈与」のみ課税している。
 ウ 単に「贈与」とある以上、負担付贈与も含まれる。
 エ よって、負担付贈与も法人に対するものだけが課税され、
   個人に対するものは課税されない。

 これに対して裁判所の側では、

 ア そもそも負担付贈与は33条で課税される。

 ここでもう、納税者の主張を崩すのは終わっています。
 あとの59条の話は、納税者のロジックにお付き合いしただけの付録。

 イ 59条は対価がない取引の譲渡対価を時価とするためのもの。
 ウ 負担付贈与は負担額が譲渡対価となるから59条は適用不要。

 ここまで説明しないと、59条に関する判示を理解するの無理だと思います。

 判決要旨から判例を理解しようとすると、こういう論点切り抜き型の書き方になってしまいがち。
 学生がレポートでやると教授に怒られるタイプの。


47 死因贈与契約

「法人が死因贈与により財産を取得した場合」「贈与者の側では、いわゆるみなし譲渡に該当し、所得税が課されます(所税59条1項1号)。」

 これは、被相続人の準確定申告となるということを言っているのかどうか、はっきりしない。

 もしそうだとすると、「死因売買」の場合に相続人の確定申告となるとはっきり書いてある下記項目との整合性はどのように理解すればよいか。

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民1)
12 条件・期限


48 売買契約

設問「〜複雑で重い基本契約書になりそうです。何かよい対応策はありませんか。」

 この答えが、権利確定主義の話と対価の妥当性の話。

 質問者はこれで満足されたのでしょうか。


50 (金銭)消費貸借契約

 特例基準割合とか平均調達金利といった実務的な話が出てこない。

No.2606 金銭を貸し付けたとき

51 使用貸借契約
52 賃貸借契約・借地借家法
53 敷金・礼金・更新料・権利金


 いずれも土地貸借の話をしているのに、項目切り離したらダメでしょうよ。


54 雇用契約

「これを付加的給付(フリンジ・ベネフィット)といいます。」「〜研究開発費等がこれにあたります。」

 付加的給付となる研究開発費ってなんだろう。


56 委任契約

「前受けする報酬は権利獲得として収入とするのか、費用収益対応原則にしたがうのかが問題となります。」

 「費用収益対応の原則」は、いつ費用を計上するかについての原則であって、収益の原則ではないと思いますけども。
 下記項目でもでてきましたが、なんか会計っぽい用語をねじ込まないといけない縛りでもあるんですか。

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民3)
44 契約の解除


「委任契約書は印紙税の不課税文書となりますが、受任業務が何らかの成果物の完成・完了をともなうときは請負契約に該当する場合があるのでご注意ください。」

 こういうところ、意地でも具体的な例示を出さないのが本書の一般的な傾向。


57 寄託契約

 継続取引なんだから、収益(費用)計上時期でも書けばいいのに。

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民5)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民6)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民まとめ)
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2020年08月17日

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民3)

 今回は「債権総論」と「契約総論」ですね。

「新 実務家のための税務相談(民法編) 第2版」(有斐閣2020)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民1)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民2)

26 債務不履行

 「損害賠償金の内容について損害の補てんや心身に与えられた損害に対して支払われる部分に相当する金額は非課税の対象になります。」

 「先生、そこまではネットで読んだので具体的に説明してくださいよ!」と言われるやつ。

 この本、こういう法令・通達の記述をペッと貼って終わっちゃうやつ、多め。


27 債権者代位権

 設例が、1月1日時点で相続登記されてた人がその後に相続放棄した場合の「固定資産税」の課税関係を扱っています。

 ここだけ抜き出すと「なぜに債権者代位権?」と思うかもしれません。

 債権者代位権は、自分じゃない誰かが適法に相続登記したという事例を導くためだけの踏み台。単純承認とならずに登記名義人となっている事例をつくるためだけの。

 債権者代位権固有の税務上の問題が、何も扱われていない。
 逆にいうと、「債権者代位権」というお題を与えられて、これを扱おうと考えられるとか、なかなか柔軟(エキセントリック)な思考ですね。


32 債権譲渡・将来債権譲渡

 譲渡禁止特約付債権の譲渡は無効と書かれているのに(改正前)、じゃあこの場合の課税関係はどうなるの?ということは書かれていない。

 どうしても正面から答えたくないらしい。

33 有価証券

 消費税法についての記述なし。
 他の項目が3〜4頁使う中、2頁しか使っていないわけで、紙幅は言い訳にはならない。


36 弁済

 「なお、個人事業主に報酬債権を弁済する場合など、支払者に源泉徴収義務があることはいうまでもありません(所税204条、207条参照)。」

 そんな当たり前のように言い切られてもなあ。
 支払内容にしても支払者にしても、条件があるわけで。

 『所得税法204条に掲げる源泉徴収義務のある「報酬」を支払う場合は源泉徴収義務がある』という同語反復ですか。


40 供託

 「ポイント」に書いてることが、なぜかその項目のポイントではなく設例2の回答。
 それはポイントではありませんよ。

 めずらしく設例に正面から答えていると思ったら、1の回答は「本文」、2の回答は「ポイント」に配置するという謎の構成。


43 第三者のためにする契約

 生命保険金の記述が「89 相続財産1」「59 終身定期金契約」とダダカブり。

 ていうか設問の意味がねえ。


44 契約の解除

 「譲渡契約等により発生した所得が事業所得あるいは法人所得の場合、契約解除の事実が生じた年度の必要経費ないし損金として処理されることになります。これは、事業所得や法人税の課税所得は事業により継続的に発生するもので、その収益及び費用が期間的に対応するのであって、費用と収益が個別に対応するものとされる譲渡所得等とは異なっていることによります。」

 ここにでてくる「期間対応」と「個別対応」の使い方、ものすごい違和感あり。

 上記説明では以下のような図式を描いています。

  譲渡所得: 個別対応⇒更正の請求できる
  事業所得: 期間対応⇒更正の請求できない
 
 が、事業所得の必要経費には、販管費のような期間対応のものだけではなく、原価のような個別対応のものもあります。

  譲渡所得: 個別対応
  事業所得: 個別対応+期間対応

所得税法 第三十七条(必要経費)
1 その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は雑所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。


 ので、上記理由づけはおかしい。

 そもそも、「個別対応/期間対応」というのは収益と費用の対応関係をいうにすぎません。
 とすると、契約解除があった場合に、当初契約時に遡って収益と費用を修正する、という結論だってありうるわけです。

【期間対応】
 A 収益・費用とも遡る
 B 収益・費用とも遡らない

 遡らないのは、この記述の中にもあるとおり事業所得が「継続モノ」だからでしょう(ので、事業廃止する場合の手当てがある)。
 遡るとすると、それ以降の期・年度を順繰りに修正しなければならなくなって煩雑、という消極的理由もあるでしょうし。

 期間対応云々いうのは、それっぽいことを言おうとして(筆が)スベっているだけ。

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民4)
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2020年08月10日

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民2)

 さて、今回は「物権法・担保物権法」の領域。

「新 実務家のための税務相談(民法編) 第2版」(有斐閣2017)
アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民1)

 全体としてこの領域、税ネタが乏しくて書くことに苦労している印象。
 無理やりパンデクテンで項目を細分化したことの弊害がここにも。


17 所有権留保

 設問では、割賦で買った自宅を代金完済前に売却する場合の課税関係を聞かれています。

 のに、所有権留保でいつ所得が発生するかとか延払基準がどうだとか、割賦販売業者側の税務のことが一生懸命書かれている。

 そしてダメ押しのごとく、まるで関係のない、船舶の賃貸借契約か所有権留保付割賦売買契約かが争われた判決などが紹介されている。
 「所有権留保 税」で検索して目についた判決をとりあえず掲載してみました、みたいな。

 この設問をみて、ここまでずれたことが書けるのは逆にすごいと思う。
 もしかしてですけど、後から設問をすり替えられたとかじゃないですよね(それぐらい突飛な事情でもないかぎり、このちぐはぐっぷりは説明できない)。


19 区分所有

 「しかし、そのように考えると、裁判所に支払っている競売の代金ですら課税仕入に該当しないことになりかねません。」

 いきなりなんや。
 前所有者の管理費を現所有者が管理組合に支払うことと、裁判所に競売代金を支払うことの何が同じなんですか。


22 抵当権

 「抵当権の実行は、民事執行法にもとづく強制競売手続として行われます。」

 担保不動産競売と強制競売とは、言葉遣いとしては一応区別されるものなので、こういう無頓着な言い回しは気になる。

 強制競売:一般債権に基づく
 担保不動産競売:担保権に基づく

・ 
 「抵当権と他の物権との優劣関係は、登記等の対抗要件の先後によりますが、抵当権と租税債権との優劣関係は、どのようにして決まるのでしょうか。」

 「抵当権×租税債権」と比較するなら「抵当権×私法債権」のほうが近いのに、わざわざ「抵当権×他の物権」を対比にもってきている。


23 根抵当権

 所得税法64条2項の特例のことが書いてあるが「30 連帯保証」とダダカブり。
 ただし、こちらでは「求償不能を知りながら」のルールをちゃんと書いていない。

 というか、元本確定後の話しかしておらず、「根」抵当権特有の問題が書かれていない。


24 譲渡担保

 所得税基本通達33-2がペッと貼り付けてあるんですが、私はこの通達の本文と(注)の関係がいまいち紐解けていません。

所得税基本通達 33-2(譲渡担保に係る資産の移転)
 債務者が、債務の弁済の担保としてその有する資産を譲渡した場合において、その契約書に次のすべての事項を明らかにしており、かつ、当該譲渡が債権担保のみを目的として形式的にされたものである旨の債務者及び債権者の連署に係る申立書を提出したときは、当該譲渡はなかったものとする。この場合において、その後その要件のいずれかを欠くに至ったとき又は債務不履行のためその弁済に充てられたときは、これらの事実の生じた時において譲渡があったものとする。
(1) 当該担保に係る資産を債務者が従来どおり使用収益すること。
(2) 通常支払うと認められる当該債務に係る利子又はこれに相当する使用料の支払に関する定めがあること。
(注)形式上、買戻条件付譲渡又は再売買の予約とされているものであっても、上記のような要件を具備しているものは、譲渡担保に該当する。


 本文は「形式」を整えろといっているんですが、(注)では「実質」で見るよと言っていて、うまく噛み合わせて読むの、悩みませんか。

 それをなんの悩みもなく並べただけで。

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民3)
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posted by ウロ at 10:44| Comment(0) | アクティブ・ラーニング

2020年08月03日

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民1)

 先日書いた記事。

「新 実務家のための税務相談(民法編) 第2版」(有斐閣2020)

 予告通り、突っ込みながらのアクティブ・ラーニングを実践していきます。
 なお、格好つけてタイトルに【実践編】とか謳っていますけども、さしあたり【理論編】は構想にありません。ひたすら実践。

 また「実税民」は本書の略語。他著でもやるかもしれませんので、念のため。


1 人(胎児・外国人)

 胎児の記述が相続法のところの記述とダダカブり。
 そして、外国人の税務については一切触れられていないという。

 他所でもそうなんですが、項目を、機械的に民法の編別どおりに細分化したことの弊害のひとつ。
 構成に、特になんの工夫もなく。

 「人と税務」というくくりであれば、能力とか代理とか法人とかをまとめて扱ったほうがいいと思うんですけど、とにかくバラバラかつ中途半端な記述が散開されている。


2 権利能力・意思能力・行為能力

 「〜納税申告書も作成したという事件がありました。そしてその確定申告書にかかる〜」

 用語を統一せえ。


 「契約の成立について不完全であっても、その契約にもとづいた経済的効果について、有効な納税申告書の提出などにより、租税債務は有効に成立します。」

 成立要件と効力要件とは別物、というのが一般的な理解であって、ここでいう「契約の成立について不完全」というのが何を指しているのか不明。

 また「経済的効果について」というのも意味不明。
 「経済的効果が生じていれば」の意か。


3 住所・居所

Question「どのような点に注意すべきでしょうか」

と書いてあるのに、何が注意すべき点なのかが明示されていない。
 海外移住で注意すべき課税関係を聞かれて「住所」の意義だけ答えたら、「で?」と反応されるでしょうよ。
 広がりのある質問であるにもかかわらず、項目が極端に狭いせいでそうなる。

 法学部の1年生が、家族から法律の質問をされて「民法総則」のことしか答えられない、みたいな状況が想起される。
 
 この、問いに正面から答えない系のやつ、あまりにも多数にのぼるので以降はいちいち突っ込みません(が、あまりにヒドイのは触れざるをえないかも)。


4 不在者・失踪宣告

 なぜか「死亡退職金」の相続税ルールの記述がねじ込まれている。
 失踪宣告特有の問題でもなんでもないはずなのに。

 ていうか、失踪宣告されるような状態にある人が退職金もらえるって、どんな状況よ。
 こんな状況からでももらえる退職金があるんですか。


「失踪宣告を受けるとその時点から死亡したものとみなされるため」

「時点」というと、宣告時が死亡日とみなされるように読めてしまう。


6 権利能力なき社団

「(3)Questionに対する回答」

 珍しく、正面から問に答えている。
 このように、ちゃんとあてはめまでやっているの、本書では少数派。


8 通謀虚偽表示

「実際に、当事者によって作成された取引関係が真実のものか、虚偽表示かを判断することは困難ですので、形式どおりに扱っています(相基通9-9参照)。」

 無償取引の場合の相続税実務ルールが、あたかも所得課税にも適用されるかのような書き方。

 で、設問の「売買」を仮装した場合はどうなるのさ。
 無償で移転登記がされている、ということで贈与税が課税されるんですか。

 実質課税との相剋でみんな悩んでいるというのに、とある場面の相続税の通達ルールを出したところでなんの解決になるっていうんですか。


9 錯誤
10 無効・取消し

 財産分与の錯誤の裁判例、どっちかにしときなよ。

 また、錯誤、無効、取消、条件・期限、解除あたりは、当初の契約関係に変動があった場合としてまとめて税務上のルールを整理すべきところですが、例によって項目ごとにバラバラに取り扱われているだけ。


10 無効・取消し

 「租税訴訟は課税処分の取消しを求めるものが一般的ですが(取消訴訟中心主義)、」

 「取消訴訟中心主義」て、そういうことを意味するんですか。

 実体法レベルにおいて、私人と課税庁(国)との関係が「租税債務関係」にあって、処分されてはじめて紛争対象ができあがるから、ほとんどの争い方が取消訴訟になるってだけじゃないんですか。
 承認をもとめるといった「義務付け訴訟」とかも想定できますが、数としてはやはり課税処分の取消しが多数でしょう。

 別に、他の訴訟類型でやるべきものを、無理やり取消訴訟に翻訳させられているわけではない。

 この「取消訴訟中心主義」といわれるの、私人と行政の関係が多様化しているにもかかわらず、何でもかんでも取消訴訟に押し込めるのおかしいだろ、という文脈ででてくるものです。
 が、「租税関係」については、まだそんな議論煮詰まってないですよね。

 可能性があるとしたら、たとえば「源泉徴収」にまつわる三面関係(国×徴収者×被徴収者)とかですかね。
 現状のルールだと、「国×徴収者」(公法)と「徴収者×被徴収者」(私法)との関係が分断されているわけです。
 これを三面関係として捉えて一体として解決すべきだ、とか。

 にしても、これはあくまで実体法レベルの問題をまず解決すべきであって、その上で、じゃあどのような訴訟類型がとれるのか、という問題になるはずです。


11 代理

「一般に、申告書を代理人が提出することが認められています(税理士法2条1項1号)。」

 税務代理は税理士の独占業務なわけだが、これを「一般に」と表現するのか。
 そのことを条文で示そうと思いきや、そのものずばりの条文が参照されているのだが。

 どういうこと?

12 条件・期限

 Question「死亡したら土地をAに譲渡する」
 「被相続人が契約締結したときは相続開始前ですが、実際に土地を引き渡したのは、相続開始後になりますので、土地の譲渡所得は被相続人ではなく相続人の所得として申告することになります。」

 ここ、なんの悩みもなくサラッと結論書いてありますが、そういうことでいいんですか。

 ありうる考えとして、被相続人の準確定申告とも考えられるわけですが、そうではなく、土地を相続した上で相続人が自分の譲渡所得として申告するんですって。

 これは「相続財産」と絡む問題であって、「条件・期限」という括りで限定して扱うべきものではないです。


「所得税法では、〜となりました(所基通36-12)。」

 主語が法で、参照しているのが通達。
 筋が悪い。


「停止条件付契約の場合、課税権の除斥期間によって課税できない場合があるため、税法では遡及できません。」

 どういう場合を想定しているのかが謎。
 とりあえず贈与契約だけして寝かしとく、みたいなやつですか。でもあれは停止条件つけるわけじゃないし。

 「税法では」とか言ってますけど、民法上だって特約がないかぎり遡及はしませんよね。

 というか、「除斥期間で課税できないから遡及できない」というのは理由付けになるんですか。
 「遡及されると困る」のはわかりますが、それはそう解すべき必要性のはなし。


13 期日

 本書の中では珍しく、しっかり実務寄りな解説。


 以上、「T 総則」まで。
 まだまだ軽めですね。

(実税民2へ続く)

アクティブ・ラーニング租税法【実践編】(実税民2)
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posted by ウロ at 12:22| Comment(0) | アクティブ・ラーニング